
「CDPって最近聞くけど、いったいなに?」
「CDPとDMPってセットでよく聞くけど、なにが違うの?」
ECサイトなどを運営していくうえで欠かせないのがCDPとDMPになります。でも実際にCDPとDMPっていったいどんなものなのかよくわからない。
今回の記事ではそんな疑問を解消するために「CDPとはどんなものか?」「CDPとDMPの違いについて」を解説していきます。
CDPとDMPってそもそもなに?

CDPもDMPもどちらも顧客のデータを収集し、分析して活用することができるプラットフォームになります。どちらも似ているようで目的や特徴が明確に違っているので、解説していきます。
CDPの特徴は?
CDPはカスタマー・データ・プラットフォームの略称のことです。主に何に使用されるかというと、「複数の情報を収集、管理して顧客データを一元的に管理する」ことに用いられます。一言でいってしまえば「顧客の個別の情報を集めて、マーケティングに生かせるように分析できます」ということですね。後程詳しく解説していきますが、まずはデータを利用してマーケティングに生かせる!と覚えてくれれば大丈夫です。
これらをどうやってビジネスとして生かすのかはまた、CRMといったシステムが必要になってきます。このCDPで収集した商品の購入データを活用すればさらにリピーターやセールなどで訴求しやすくなります。
●CDPの使用目的
ここからはCDPの具体的な使用目的について説明していきます。
最終的なビジネスでCDPを活用する目的は売上を増やしたり、経費を削減したりなどが挙げられますが、CDPはその前段階の顧客データの収集が目的になります。先ほどの事例をもう少し詳しく解説すると、個人の顧客のデータをさらに細かく収集して分析することです。たとえばAさんが今までに購入した商品の履歴やいつ購入したのかなどのデータを収集し、管理することができます。
●CDPの活用事例
CDPの活用事例として、たとえばアパレル会社の場合を考えます。
- Aさんが過去3か月おきにスーツを買っている
- 前回スーツを購入してから3か月くらい経つ
- スーツのクーポンを送ったらAさんはスーツを買いに店に来てくれることが見込まれる
といったような顧客個人の過去の行動データや購入履歴のデータを生かして、より効果的な訴求を行う事例が挙げられます。
DMPの特徴は?
ではCDPとセットでよく聞くDMPについてここから説明をしていきます。CDPとDMPは同じようなデータ収集、分析ではありますが、違うものなので注意してください。
DMPはデータマネジメントプラットフォームの略称になります。DMPの特徴は、様々なデータ提供企業の「Webサイトのアクセス履歴」や「顧客の属性情報」や「年齢・性別、居住地などの顧客の属性情報」などのデータを蓄積・管理するものです。
簡単に言うと、自社以外の競合他社などの総合的な顧客データ情報や、多角的かつより大きな視点でのデータ収集、管理を行うものになります。
ちなみにDMPには大きく分けて2種類あり、プライベートDMPと呼ばれるものもありますが、このプライベートDMPに関しては基本的にCDPと似たようなものになります。
●DMPの使用目的
DMPの使用目的は自社の顧客情報だけではわからない分野の情報を収集し、管理することです。もう少し具体的に言うと、「膨大に蓄積されたデータを活用して、自社ビジネスに活用する」ことが主な目的になります。
たとえば、旅行会社がDMPを活用する場合を考えます。
DMPに蓄積されたユーザーの過去の購買履歴などのデータや、アクセス行動データなどの複数のデータを活用します。そうすることで旅行を検討しているユーザーに対して、適切なクーポンを配布すべきタイミングや、どのようなクーポンの配布方法が有効なのかを分析することができます。
DMPとCDPの違い
ここからはよりDMPとCDPと対比して違いについて説明していきたいと思います。今回はプライベートDMPとCDPはほとんど同じものであるとして、CDPとDMPの2つのプラットフォームの違いについて解説していきます。
収集データの違い
まず一番に挙げられるCPSとDMPの違いは「収集されるデータ」の違いです。CDPは自社の過去の顧客の行動、購入データなどをメインに収集、活用していきます。それに対してDMPは自社ではなく外部のより総合的な顧客の行動データ・購入データなどを収集していきます。
たとえば、CDPが自社の商品を買ってくれた個人のデータを収集していくのに対して、DMPは自社と言うよりは自社が所属している業界全体での顧客が一般的にどのような行動をしているか、といったデータを収集していくことになります。
DMPとCDPで得られる成果の違い
もちろん、DMPとCDPのデータをそれぞれ収集することでメリット・デメリットはそれぞれあります。
先にDMPを収集するメリットは、すでに結果が出ている施策を再現しやすく、施策の成果などを見込みやすいことです。要は、みんなこのタイミングでクーポン出したら結果が出るから自社でも同じようなタイミングでクーポンを出したら結果出るよね!といった感じになります。
デメリットは競合との差別化が図りにくいことです。これも業界内でみんなが同じようなタイミングでクーポンを出せば一定以上の結果がでる、と同じような施策をすることになるので資金力勝負になってしまったり、価格競争が起こりやすくなってしまいます。
次にCDPのメリットですが、より自社に合った施策をできるようになることです。CDPで収集したデータは自社の顧客データのため、より自社の顧客に寄り添った施策を行うことが可能になります。こうすることで同じ業界での差別化が図りやすく、業界内で自社のポジションを確立しやすいことがメリットになります。ただ、自社に本当に適した施策を行うのはなかなか難しいのが現状です。CDPは自社で収集したデータの分析がかなり異なってきますので、本当に適しているかどうかの判断は専門家に頼らないとなかなか難しい部分があります。その分期待値は高くなりますが、期待値に比例して難易度も上がってしまいます。
CDPもDMPもどちらもメリット・デメリットはありますが、自社によって適したデータ活用は異なります。CDPとDMPの両方を生かすことによって自社のビジネスをもっと拡大させていきましょう。
まとめ
今回はCDPとDMPの違いについて解説していきました。CDPとは自社のサービスを活用してくれた顧客の情報など、パーソナルなデータを収集・管理するプラットフォームのことです。対してDMPとは自社外の大きな目線での顧客データや、行動データなどを収集・管理するプラットフォームになります。
どちらもメリット・デメリットがありますが、自社に合った施策を行えるようにCDPとDMPの両方のプラットフォームをうまく活用していきましょう。