
業務の進行は、複数の人材でおこなうこともあります。プログラミングや文書の作成を複数の人材でおこなうと、進行状況や修正箇所がわからなくなってしまいます。そのような時にDiffツールを使うことで作業前後の差分をチェックし、どのような修正や変更を加えたかを確認することができます。今回は、プログラミングや文書の作成時の差分や、Webサイトの差分を効率的にチェックしたい方におすすめのDiffツールを紹介します。単発的な差分チェックだけではなく、継続的な差分チェックの方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
Diffとは
Diffとは、日本語で「差分」という意味です。2つのファイルやテキストを比較して、違っている部分を分かりやすく表示します。IT業界で頻繁に使用されている言葉です。プログラミング時、エラー発見などのために多用される言葉です。
Diffツールとは
Diffツールとは、2つのファイルから異なる点を見つけ分かりやすく表示してくれるツールです。人間の目で2つのファイルの違いを見つけ出すのは、骨の折れる作業です。しかし、Diffツールを使用すれば、双方の違いを色をつけて分かりやすく表示してくれます。プログラミングやテキストコンテンツを作成している方には、修正や編集の業務に便利です。
Diffツールの機能
Diffツールには、さまざまな機能が搭載されています。搭載されている機能を把握して有効に活用すれば、日々の業務の質も速度も上がります。ここからは、Diffツールが備えている機能を解説します。
テキストやファイルデータの差分機能
Diffツールには、データの差分を比較する「差分機能」が搭載されています。この差分機能によって、テキストや各種のファイルデータを比較することができます。ExcelやPDFファイルにも対応しているので、テキストだけではなく数字の変化も比較可能です。Diffツールによっては、一度に3つ以上のファイルを比較することもできます。
マージ機能
Diffツールには、「マージ機能」も搭載されています。マージ機能とは、複数のファイルを1つに統合させる機能です。2つ以上のファイルがある場合、変更されていない部分は自動で統合してくれます。差分のある場所は表示されますので、人間の判断によって修正する手間が縮小されます。
差分比較結果を出力する機能
Diffツールには、差分比較をおこなった後に結果を出力してくれる機能が備わっています。出力の方法は各ツールによって異なりますが、背景色を変化させて出力するのが一般的です。差分比較後の出力はファイル全体を表示する場合もありますし、差分がある部分のみを出力する場合もあります。
Diffツールのビジネス活用例
Diffツールはビジネスに活用することも可能です。ここからは、日々の業務を効率化させるDiffツール活用例を紹介します。
重複コンテンツの確認
Diffツールは、重複コンテンツの確認をすることができます。インターネット上のテキストコンテンツは、Googleのアルゴリズムによって掲載される順位が決定します。既存の記事と重複している内容を再び投稿しても、Googleのアルゴリズムによって評価させることは難しいです。新規で投稿するテキストコンテンツは、Diffツールを使用して既存のコンテンツと比較し重複が少ないようなコンテンツになっているか確認してください。
契約書や重要書類の変更チェック
Diffツールは、契約書や重要書類の変更をチェックすることにも活用可能です。ビジネスの現場では、クライアントや契約している会社と重要な書類を交わす場面があります。これらの契約書は変更される場合も多くあり、長い文章になると変更点を確認するのが難しくなります。Diffツールを活用すれば、PDFファイルで作成されている契約書も変更点がすぐに確認できます。
プログラミングの進行チェック
プログラミングの進行をチェックするために、Diffツールを活用できます。プログラミングの作業は、チームでおこなうこともあります。どこまでコードを書いたのか確認するのに、人間がチェックするには膨大な時間がかかってしまいます。日々の業務進行状況は、Diffツールを用いて差分を確認することで確認できます。Diffツールは、日々の業務進行状況を把握するためにも使用すべきです。
おすすめDiffツール(Windows)
Diffツールは、Windowsユーザー向けのサービスもありますし、Macユーザー向けのサービスもあります。使用しているOSによって対応しているソフトやファイルが異なります。そのため、OS別におすすめのDiffツールを選択しなければいけません。まずは、Windowsユーザー向けのDiffツールを紹介します。
Diffuse
「Diffuse」は、3つのファイルを同時に比較することができるDiffツールです。比較ファイルが多い方は、Diffuseを活用すると効率的です。差分がある部分は色が変わって表示されます。文字単位でも違いが確認できるので、細かい部分まで比較したい方にはおすすめです。
TextDiff
「TextDiff」は、ファイル同士の差分をチェックすることができるDiffツールです。過去のデータが入っているフォルダの中から、変更や修正があったファイルだけを抽出して差分を表示してくれます。差分が表示されている状態で、ファイルを修正することもできますので効率的な作業が可能です。
おすすめDiffツール(Mac)
Diffツールには、Macユーザーに適したサービスがあります。ここからは、Macユーザーの方におすすめのDiffツールを紹介します。
Eskil
「Eskil」は、差分をおこなった後に結果をPDF形式でダウンロードをすることができます。ファイルだけではなく、保存されているフォルダでも使用できます。そのため、保存されているファイルの中から、差分のある書類や保存データを抽出できます。Eskilは幅広いOSでも使用できます。
FileMerge
「FileMerge」は、Apple純性のアプリケーションに付属されているXcodeのファイル比較が可能です。使用方法が簡単なので、パソコンに慣れていない方でも活用できます。2つのファイルを比較すると、差分のある部分は色がつけられて表示されます。ファイルの差分部分を見た目で分かりやすく表示させたい方におすすめです。
CompareMerge
「CompareMerge」は、Macで使用できる有料のDiffツールです。比較したいファイルを指定するだけで差分比較をすることができますので、誰でも簡単に使用することができます。差分結果をファイル画像として抽出することも可能です。共同作業をしている際には、ファイル画像を共有して効率的に業務を進行できます。
Diffツールを選ぶポイント
Diffツールにはこれまで紹介したように、多くの種類があります。自社や自身に合ったツールを選ぶための3つのポイントをご紹介します。
テキストの差分機能の選択
Diffツールを選択する場合には、メイン機能であるテキストの「差分機能」を確認してください。出力の方法や出力部分の範囲などを比較して、自社や自身にとって使い勝手の良い機能になっているかがポイントです。
互換性のあるファイル形式を選択
Diffツールを選ぶ際には、どのようなファイル形式と互換性があるか確認しなければいけません。Diffツールが自社で使用しているファイル形式に対応していなければ、導入しても使用できません。自社で使用しているファイル形式が複数ある場合は、Diffツールの内容を吟味してすべてのファイル形式に対応しているツールを選択すべきです。
必要な機能が備わっているツールを選択
Diffツールには、差分機能以外にもさまざまな機能が搭載されています。自社でDiffツールをどのように使用するのか検討して、必要な機能が搭載されているツールを選択すべきです。例えば、3つのファイルを同時に差分したい場合は、その機能がついているDiffツールを使用してください。
まとめ
Diffツールを使うと2つのデータに対する差分がわかります。協同作業をおこなっている会社の進行状況の確認や、文書の修正と更新の際に役立ちます。ただし、Diffツールは単発での比較しかできません。そのため、Webサイトのチェックのように、いつ変わるかわからないデータの差分をチェックする作業にDiffツールは向いていません。Webサイトは一見変わっていないようでもhtmlが変わっていたり、ちょっとした文章や画像が変わっている場合があります。また、Web上における新着情報も変化のひとつです。継続的にWebサイトの差分を検知したい方は、「TOWA」が便利です。Webサイトから最新の情報を迅速にキャッチして、ビジネスに活用してください。