
「空き家」は、日本政府も社会問題として取り上げている課題です。空き家問題は、放っておくとリスクが増大します。所有している空き家は、活用することでリスクを軽減して収入源にもすることができます。今回は、空き家を所有している方や、空き家を活用してビジネスを展開させていきたい経営者に向けて、空き家の活用方法を解説します。空き家の問題解決と同時に、資産に変えていきたい方はぜひ参考にしてください。
空き家を放っておくリスク
所有している空き家は、放っておくと大きなリスクになります。個人が所有している空き家であっても、他人に迷惑がかかる社会的な問題を引き起こすこともあります。空き家の問題が大きくなれば、所有者が責任をとらなければいけません。ここからは、空き家を放っておくとどのようなリスクがあるのか、具体的な例を紹介します。
所有者の責任になる空き家の倒壊や火災
空き家は、所有者以外誰も清掃することがありませんし、セキュリティ管理もおこなわれません。そのため、所有している空き家が害獣や害虫の拡散元となり、近隣の住宅に迷惑になる場合があります。また、害獣の発生に伴って、建物の老朽化が進み空き家倒壊のリスクも発生します。さらに、空き家は不法占拠や不法投棄、放火などのリスクもあります。これらの事故や事件が発生した場合、空き家の所有者が賠償責任を負うことになります。
景観の悪化による土地価格の下落
空き家が管理されていない状態では、土地価格を下落させてしまう可能性があります。空き家を管理する人材がいない場合、建物の老朽化や雑草の繁茂により地域の景観を著しく悪化させます。景観が悪化している地域は、一般住民のイメージが悪くなります。そのため、その地域周辺に住みたいと思う方が少なくなり需要が下がります。需要が無くなった地域は、土地価格が下落してしまいます。イメージの悪い地域の土地は売り手がつくことも少ないです。
固定資産税を通常の6倍支払うこともある
空き家を放置していると、所有者が固定資産税を6倍支払わなければいけないリスクも抱えてしまいます。2015年から、「空家対策の推進に関する特別措置法」が施行されています。この法律によって、市区町村が保安上の危険性がある空き家を「特定空家等」と指定することが可能になりました。市区町村によって勧告以上の行政処分を受けた場合、「住居用地の特例」が適用されなくなります。
「住居用地の特例」では、固定資産税が軽減されています。一般的に小規模用地の場合は6分の1、分譲住宅用地の場合は3分の1です。行政処分を受けてしまうと、これらの減税が効かなくなり結果的に最大6倍の税額を収めることになります。
空き家の活用方法
空き家はリスクがあるため手放す方法もありますが、手放さずに活用していけば所有者にとってメリットになります。空き家を活用すれば、資産として将来の子供や孫に残すこともできますし、ビジネスに活用することもできます。ここからは、空き家の活用方法を紹介します。
戸建て賃貸物件として活用
空き家の活用方法として、最も簡単な方法は戸建て賃貸物件とする方法です。空き家をリフォーム、クリーニングをすれば賃貸物件を探している相手に貸し出すことができます。借り手がつけば、貸し出している期間の家賃収入を得ることができます。空き家のリフォームやクリーニング費用の初期支出がありますが、家を建て直すよりも低額です。ただし、借り手がいない場合には、収入は無く管理費や固定資産税を支払う義務があります。
シェアハウスとして活用
空き家をシェアハウスとして活用する方法もあります。シェアハウスは、一人当たりの家賃を低く抑えられるため若い年齢の方々に人気です。シェアハウスの場合は一人当たりの家賃を低く設定しても、複数人が一緒に居住するため経営者の収入は一般賃貸契約よりも高額になる可能性があります。シェアハウスは、若者に人気の居住形態です。そのため、共有スペースの工夫や、若者向けのコンセプトにリフォームする必要もあります。
民泊として活用
空き家を民泊として活用すると、旅行者からの宿泊費が収入源になります。民泊を経営すれば、全国・全世界からの旅行者が必要とする宿泊場所を提供できます。2018年からは、民泊新法が施行されたため、誰でもが宿泊業を営むことができるようになりました。賃貸物件として貸し出すよりも、旅行者一人当たりの宿泊費用の設定により高収入が期待できる方法です。ただし、宿泊者とのトラブルの調整をおこなわなければいけませんし、旅行者がいなければ収入を得られないリスクもあるため、宿泊施設として適した土地かどうかの検討が必要です。
シェアオフィスとして活用
空き家をシェアオフィスとして活用する方法があります。リモートワークの広がりもあり、比較的安い土地にオフィスを移転する会社も増加しています。また、サテライトオフィスを土地の安い地方で探している会社もあります。こういった会社のために空き家をオフィスとして貸し出せば、定期的な家賃収入を得られます。ただし、オフィスとして利用してもらうために、ネット回線の準備やリフォームの必要もあります。
コインパーキングや月極駐車場として活用
空き家を解体してコインパーキングや月極駐車場として活用する方法もあります。駐車場の経営にかかる主な初期費用は、空き家の解体工事と土地の整備だけです。そのため、駐車場として土地を利用すると決めてから、経営開始までの時間も圧縮できます。コインパーキングにすると専門企業から毎月一定額の収入が入りますし、月極駐車場にして利用者がつけば固定収入も得られます。
空き家活用を始める前の注意点3つ
空き家の活用を始める前には、注意すべきことが3つあります。これらの注意点を把握しておかなければ、損してしまうことになりますのできちんと確認しておいてください。
補助金や公的資金の有無を確認する
空き家活用をする前には、政府や地方自治体からの補助金や公的資金の有無が無いか確認すべきです。空き家は、政府も社会問題としている解決すべき課題です。そのため、空き家を活用する方に対しては、「改修工事費支援」や「空き家解体補助金制度」を申請すれば政府から公的な資金を得ることができます。政府からの補助金を得れば、自身で支出する費用を低く抑えられます。空き家活用を始める際には、補助金を利用するべきです。
空き家の最適な活用方法を見定める
空き家の最適な活用方法を見定めるための立地条件や、需要の有無の確認は必ずおこなわなければいけません。空き家は、賃貸物件やシェアオフィス、駐車場としても活用して収入を得ることができます。しかし、どのような活用方法でもリスクは存在しています。借り手が見つからなければ賃貸料を得ることはできませんし、駐車場の利用者がいなければ収入は得られません。そのため、どのような活用方法が最適なのか、空き家活用を始める前にその土地の情報を集めて判断してください。
クレームやトラブルへの対応ができる体制を整える
空き家活用をする際には、利用者からのクレームや発生したトラブルへの備えが必要です。賃貸物件として活用する際でも、シェアハウスや民泊として利用する際でも借主や利用者からのクレームや客同士、近隣とのトラブルは発生してしまいます。お客様からのクレームへの対応は、専用の管理者を雇用するなどの工夫が必要です。また、賃貸の場合は、大家さんや不動産業者の仲介をお願いする方法があります。クレ―ムやトラブルに対する対応ができないと、大きな事件や損害賠償にも発展するリスクがあるため十分な体制が必要です。
空き家を見つける方法
空き家を所有しておらず、空き家を活用してビジネスや副収入にする場合、まずは空き家探しから始めなければいけません。ここからは、空き家を見つける方法を紹介します。
不動産や空き家販売のポータルサイト
空き家を見つける方法の一つ目は、不動産や空き家販売のポータルサイトで検索する方法です。インターネットからの検索なので、時間と場所を気にせず空き家を探すことができます。物件の種類や地域を検索条件として設定すれば、効率よく空き家を見つけられます。登録されている件数が多く、幅広い物件の中から探している条件に合った最適な物件を見つけられます。ただし、不動産会社が公開していない好条件の物件もありますので、ポータルサイトですべて確認できるとは限りません。
地元の不動産会社に直接問い合わせる
地元の不動産会社に直接問い合わせてみるのも方法の一つです。不動産会社によっては、インターネットに載せていない特別な物件を所有している場合もあります。また、その土地の不動産会社と直接コミュニケーションを取ることで、立地条件や地元の情報を得られます。不動産会社に直接問い合わせることは、インターネットには載っていない情報を得ることにもつながるので、空き家活用した際の収益化の確率が高まります。インターネットよりも詳細な情報を得たい場合は、不動産会社に直接問い合わせてみる方が効率的でしょう。
自分の足で空き家物件を探す
自分の足を使って、空き家物件がある地域を散策してみるのも方法の一つです。自分で歩きながら空き家を探すと、立地条件や周辺の商業施設の有無を確認することができます。また、地元で生活している方々の属性も確認できるので、空き家をどのように活用するか具体的なイメージが可能です。地域に根ざした空き家の活用方法を選択すれば、効率的なビジネスの展開ができます。ただし、自分の足で探す前に、インターネットを利用してある程度の空き家物件状況や地域を限定しておかなければ非効率です。
物件サイトからスクレイピング
空き家の物件サイトから、スクレイピングをして効率的に条件に合った物件を探す方法もあります。1度きりではなく、継続してスクレイピングを活用することで特定条件に合った新着物件のデータもその都度得ることができます。データをCSVに変換すればその地域における物件や土地の平均価格を割り出せたり、分析することが可能です。何度もサイト内で条件を変更して検索するよりも、効率的な物件の絞り込みや比較分析ができます。手間と時間をかけることなく好条件の空き家物件を探すなら、スクレイピングの利用も検討するとよいでしょう。
現在空き家を所有している方は、リスクがあることを把握し、その活用方法を検討する必要があります。賃貸や駐車場として活用すれば、リスクが軽減されて収入も得られます。空き家活用はうまくいけばメリットも多いため、空き家を所有していない方でも、賃貸や売買として出ている空き家を活用することができます。しかし、インターネットにおける空き家物件の情報は常に更新されますし、既存の情報も膨大です。空き家の情報を効率的に収集するなら、PigDataが提供しているスクレイピング代行が便利です。空き家の最新情報を自動で収集できたり、地域ごとの物件や土地の分析をしようと考えている場合はご相談ください。
まとめ