
トレーラーハウスを購入すると、日本全国のあらゆる地域で生活することができます。そこで増えてきているのが、トレーラーハウスでの生活をする方々です。また、トレーラーハウスを活用したビジネスを展開することもできます。今回は、トレーラーハウスのメリットやデメリットを紹介した上で、ビジネスで大事な立地選択について解説します。トレーラーハウスに興味がある方や、ビジネスで活用したい方はぜひ参考にしてください。
トレーラーハウスとは?
トレーラーハウスとは、タイヤのついている土台の上に家がついてる形態で実際に人が住める住居を指します。タイヤがついているため、牽引車に引っ張ってもらえれば移動も可能です。トレーラーハウスは、他の住居やキャンピングカーとは異なります。ここからは、トレーラーハウスとはなにか、他の形態と比較しながら詳しく解説します。
トレーラーハウスと住宅の違いとは
トレーラーハウスは、一般的な住宅とは異なります。トレーラーハウスは、建築基準法で定める「建築物」には該当しません。トレーラーハウスとして移動することや、きちんとタイヤが装着されていることが条件です。移動可能な状態を維持しておけば、「車両扱い」、つまり「動産扱い」になります。そのため、不動産のように、建ぺい率や容積率などの規制を受けることがありません。
トレーラーハウスとキャンピングカーとの違い
トレーラーハウスと似ている形態にキャンピングカーがあります。しかし、両者は異なります。キャンピングカーは、車に宿泊できる仕組みが整っていて自走もできます。トレーラーハウスは牽引車が無ければ移動できません。キャンピングカーは、通常の車と同様に公道を走行することができるので移動も簡単です。
ただし、給水や排水などの水回りに関しては専用のタンクを搭載して、定期的に処理をしなければいけません。トレーラーハウスの場合は、給水や排水の機能も搭載していますので、専用のタンクを用意する必要がありません。基本的に移動先での長期的に定住や滞在をすることが目的です。
トレーラーハウスの種類
トレーラーハウスにも「車検対応タイプ」と「特殊車両タイプ」の2つの種類があり、それぞれに特徴があります。種類によっては、自動車税の支払い義務があったり、移動時に管轄の警察署への許可証申請をおこなったりする場合があります。トレーラーハウスを購入する際には、トレーラーハウスの違いを確認してください。
公道を走行できる「車検対応タイプ」
「車検対応タイプ」のトレーラーハウスは、保安基準第二条に規定されている範囲(全長12,000mm、全幅2,500mm、全高3,800mm)のタイプです。車検を取得する必要があります。車検を取るので、自動車税や自動車取得税、重量税の支払い義務も生じます。トレーラーハウスにナンバープレートがついているので、牽引車両があればいつでも公道を使用して移動させることが可能です。
申請と費用を必要とする「特殊車両タイプ」
「特殊車両タイプ」は、移動させる際に管轄の警察署に特殊車両通行証を申請して取得しなければいけません。「特殊車両タイプ」は、「車検対応タイプ」が規定されている保安基準よりも大きなサイズです。そのため、移動させるには、専門的な知識と経験が必要です。トレーラーハウスの牽引を専門におこなっている業者に依頼する場合は、移動距離に応じて料金の支払いをおこなわなければいけません。
トレーラーハウスに住むメリット
トレーラーハウスの所有や居住には、さまざまなメリットがあります。一般住宅には無いメリットを確認して、将来の生活やビジネスに活かしてください。
トレーラーハウスは移動が簡単
トレーラーハウスの大きなメリットは、移動が簡単な点です。一般的な住居の場合、違う土地に引っ越すのに住宅売却や借家返却の手続き、引越しや移動などの面倒な作業が多くあります。しかし、トレーラーハウスであれば、住み慣れた居住空間がそのまま移動するだけです。引越しの手間がかかりませんし、土地は変わっても居住空間は変化しません。気に入った土地に長期的に定住することができますし、色々な土地の移動を楽しみながら生活することもできます。
トレーラーハウスは税金の支払いが少ない
トレーラーハウスの所有は、住宅よりも安価になります。先ほども説明した通り、トレーラーハウスは「車両扱い(動産扱い)」されているため、一般的な不動産のように不動産取得税や固定資産税はかかることはありません。法人購入の場合は、減価償却期間が最短4年なので税務対策も可能です。税金面の支払いが少なくなるため、トレーラーハウスは住宅よりも所有するのにお金がかかりません。
トレーラーハウスは一般住宅よりも安い
トレーラーハウスの相場は、中古で400万円程度で新品だと800万円程度です。一戸建てに住む場合は、中古の相場でも合計2,000万円以上かかります。一般的な住宅と比較すると、トレーラーハウスの方が安く購入できることがわかります。トレーラーハウスには生活インフラである電気やガス、水道もきちんと完備されています。そのため、一般住宅と変わることなく生活が可能です。
トレーラーハウスに住むデメリット
トレーラーハウスの所有や居住には、さまざまなメリットがあります。その反面、デメリットがあることも確認しておくべきです。あらかじめトレーラーハウスのデメリットを把握しておけば、対策をすることもできます。
トレーラーハウスの運搬に高額な費用がかかる
トレーラーハウスの運搬に高額な費用がかかる点がデメリットです。トレーラーハウスの購入は、住居と比べて安価です。しかし、移動をする際には高額な費用が発生します。「特殊車両タイプ」のトレーラーハウスを400kmほど移動させるのに40万円、設置するのに20万円程度かかるのが相場です。トレーラーハウスは移動が簡単ですが、1回の移動にも高額な費用がかかることは把握しておくべきです。
トレーラーハウスの立地場所の確認が必須
トレーラーハウスのデメリットは、立地条件が合わなければ設置することができないことです。トレーラーハウスを設置するためには、各自治体に建築確認を申請する必要があります。自治体の建築主事による許可がされない場合は、たとえ景色が良く気に入った場所であっても設置できません。トレーラーハウスで移動する際には、必ず設置する場所の立地条件を確認してください。
トレーラーハウスの活用方法
トレーラーハウスは住居としてだけではなく、さまざまな活用方法があります。活用方法によっては、ビジネスとして収益を得ることも可能です。ここからは、トレーラーハウスの活用方法を3つ紹介します。
オフィスや事務所として活用
トレーラーハウスは、オフィスや事務所として活用することができます。トレーラーハウスは、トイレやキッチンなどの水回りの設備はきちんとしていますし、電気やインターネットなどのインフラも整えることができます。テレワークの普及によって、レンタルオフィスやサテライトオフィスの需要が高まっています。需要の高い地域にトレーラーハウスを配置することで、レンタルオフィスの収益を上げることができます。また、サテライトオフィスをトレーラーハウスにすることで、オフィスにかかる固定費を低額に抑えることも可能です。
電車やバスの待合室として活用
トレーラーハウスは、電車やバスの待合室としても活用されています。地方では、電車やバスの待ち時間が長く、季節によっては熱中症や低体温症を引き起こします。温度調節がされたトレーラーハウスを用意すれば、長時間の待ち時間でも安全で快適に過ごすことができます。
美容室として活用
トレーラーハウスは、美容室としての活用も可能です。美容室を経営する上で必要なシャワーや電気は、トレーラーハウスに設置することができます。美容室は都市部に集まっていて、地方で生活する方々の需要に対応できていません。トレーラーハウスは移動できますので、需要のある地域でビジネスを展開することが可能です。お客様が増加したら、本格的に店舗を構える選択もできます。
移動式の販売店舗として活用
トレーラーハウスは、移動式の販売店舗としても活用可能です。軽食を販売するトレーラーハウスとして活用する場合、すぐに移動しなければ同一地域で継続的にビジネスができます。そのため、地域の方々の口コミが広がれば売上の増加も期待できます。販売する商品が地域に合わなかった場合は、他の地域に移動して再度ビジネスを展開することもできます。移動式の販売店舗は、飲食だけではなく雑貨の販売やネイルサロン、マッサージ店としても活用可能です。
インバウンド向けの観光施設として活用
トレーラーハウスは、インバウンドや観光客が宿泊する施設としても活用できます。トレーラーハウスは、景色の良い場所やキャンプ場などに設置することが可能です。全国からの旅行者の宿泊施設として活用すれば、宿泊費を収入にできます。日本国内は四季の移り変わりがあり、季節によって旅行者が集中する場所は異なります。四季の移り変わりと旅行者が手中する場所に合わせて、トレーラーハウスを移動させれば一年を通して宿泊客を受け入れることもできます。
トレーラーハウスビジネスで重要な立地選択
トレーラーハウスビジネスを始める際には、立地選択が重要です。立地させる場所の土地相場の確認や土地柄を調査してどのようなビジネスにチャンスがあるのか考えなければいけません。ここからは、トレーラーハウスビジネスで重要な立地選択の要素を解説します。
トレーラーハウスを立地する土地の相場を確認
土地の相場情報を得ておくこともビジネス展開する際には大事です。トレーラーハウスは、安価に手に入れられて移動しながらビジネスに最適な立地を模索することができます。トレーラーハウスビジネスは、移動を繰り返しながらリスクを抑えて最適な地域を探して進めていけます。ビジネス展開が最適な場所が見つかったら、定位置で店舗を構えることも可能です。
店舗を構える際には、改めて土地の坪単価とトレーラーハウスの費用とを比較して支出計算をします。土地の坪単価がトレーラーハウスよりも有利になる場合は、店舗を構えることも検討すべきです。土地の相場を知りたい場合、弊社インディゴデータが提供する土地・物件価格比較ツール「Mekiki」を利用すれば必要なデータを一括で取得できるので時間がかかりません。
トレーラーハウスを立地する自治体や各管理者への確認
トレーラーハウスを立地する際には、立地したい地域が属している自治体の各種制度を確認しておく必要があります。自治体によって、トレーラーハウスを設置してはいけない場所が設定されています。自治体が禁止している場所は、トレーラーハウスの立地を避けなければいけません。また、立地したい場所が農地だった場合は、地域を管轄している農業組合や委員会にトレーラーハウス設置が可能か確認する必要があります。トレーラーハウスを立地する際には、自治体や各管理者への設置確認は必須です。
トレーラーハウスを立地する地域の特性調査
トレーラーハウスをビジネスで活用する際には、地域の特性を事前に調査する必要があります。トレーラーハウスを利用したビジネスには、食品の販売からマッサージ店までさまざまな形態が可能です。ただし、トレーラーハウスビジネスは、立地によって需要がある場所と無い場所があります。商業施設が集まっている地域や景色が良く観光客が集まる地域なら、軽食販売店にお客様が集まる可能性が高いです。しかし、飲食店への需要が少ない地域では、食品販売のビジネスは避けるべきです。それぞれの土地に合ったビジネスを展開するためにも、地域の特性や需要を調査して集客の見込みを分析しておくべきです。
まとめ
トレーラーハウスは住居としても、ビジネスとしても利用できます。動産扱いになるので、住居や固定した店舗よりも低価格で所有可能です。トレーラーハウスをビジネスで活用する際には、周辺環境や立地が大事です。ビジネスを始める前に立地する地域の情報収集は必須事項です。トレーラーハウスを立地させる土地の費用相場を知るなら土地・物件の価格比較ツール「Mekiki」が便利です。他にも周辺地域の市場調査や物件価格のデータを収集するなら、PigDataスクレイピング代行を検討してもよいでしょう。