
ChatGPTは、他のWebサービスと比べても登録者数の増加率は群を抜いています。ChatGPTはリリースしてからたった5日間で登録者が100万人を突破しました。Facebookでさえ、100万人登録するまでに10ヶ月かかっています。それでは社会から注目されているChatGPTとは、一体どのようなサービスなのでしょうか。今回は、ChatGPTの始め方やChatGPTでできること、メリットを解説します。今後のビジネスにChatGPTを活かしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIが開発したAIを活用したチャットサービスです。無料で使用することができ、人間の質問に対してAIが自然な言語で回答してくれます。Google検索と異なり、自身で情報の選択をする必要がありません。膨大な量の情報からAIが最適だと判断した回答を得られるため、回答の精度も高い特徴があります。さらに、ChatGPTは、使えば使うほど精度が向上していきます。
ChatGPTの始め方
ChatGPTは、無料で誰でもが使えるサービスです。ただし、使用を開始するためには登録などの作業が必要です。ここからは、ChatGPTの始め方をステップに分けて解説します。
ChatGPTのホーム画面
検索エンジンを使用して「ChatGPT」を検索し、公式サイトにアクセスします。ChatGPTの公式サイトは画像の通りです。こちらの「TRY CHATGPT」ボタン(黒枠内)をクリックすると、登録画面に移行します。

ログインかサインアップ
すでに登録している方はこちらの画面で「Log in」ボタンをクリック。初めて使う方は、「Sign up」ボタンをクリックします。Googleアカウントを使用している方は、そのままGoogleアカウントで使用することができます。他にメールアドレスと暗号を登録してChatGPTに登録する方法もあります。他のメールアドレスを使用する場合は、ChatGPTから送られてきたメールから暗号を設定します。

テキストを入力する
登録が終了すると、ChatGPTのメイン画面に移行します。使い方は、画面の一番下に設置されているテキストボックス(黒枠内)にテキストを入力するだけです。テキストを入力すると、ChatGPTが回答してくれます。

今回は、「浦島太郎の物語の概要」を聞いてみました。結果はこちらです。

ChatGPTの料金プラン
ChatGPTは無料で使用することができるサービスです。しかし、「ChatGPT PLUS」と呼ばれる有料プランも用意していて、無料版よりも利便性の高いサービスを提供しています。ここからは、ChatGPTの無料版と有料版の違いを解説します。ChatGPTのメイン画面の左下に「Update to Plus」というボタンがありますので、こちらからプラン変更をおこなえます。クレジットカード情報を登録すれば、「ChatGPT PLUS」を使えるようになります。

有料
ChatGPTの有料プランは、「ChatGPT PLUS」と呼ばれます。月額課金制度になっていて、料金は一か月で20USドルです。為替の変動もありますが、1USドル=130円とすると一か月で2,600円前後です。有料プランが無料プランと異なるのは以下の3点です。
- 回答の速度が高速になる
- ピーク時でも優先的に使用できる
- 新規サービスを優先利用できる
回答の速度が高速になる
有料プランの「ChatGPT PLUS」は、無料版と比較して質問に対する回答の速度が高速になります。ChatGPTは、人間が入力した質問に対してAIが回答をします。AIが回答を作成するには多少の時間が必要です。そのため、ChatGPTへの質問を入力後は、回答を待たなければいけません。この回答を待つ時間が大幅に短縮されるため、仕事で使用する場合に効率化できます。
ピーク時でも優先的に使用できる
有料プランの「ChatGPT PLUS」にすると、優先的にChatGPTを使用することができるようになります。登録者数が急激に伸びているChatGPTは、時間帯によって使用者が多くなりサーバーが混雑することもあります。サーバーが混雑しているとChatGPTに質問しても、回答が返ってこないことも起こります。しかし、有料プランの「ChatGPT PLUS」にしておけば、無料版よりも優先的に使用できるので、フリーズすることが無くなります。使用できない場合の時間ロスを無くし快適に使用できます。
新規サービスを優先利用できる
有料プランの「ChatGPT PLUS」では、新規のサービスを優先利用することも可能です。ChatGPTは一般向けにリリースされたばかりのサービスですが、今後も新規のサービスを搭載していくことが運営側によって公表されています。内容は明らかにされていませんが、新規のサービスが搭載された際に優先してサービスを使用可能です。他の方に先駆けて新規サービスを試せるので、自社の新たな企画の進行を早められます。
無料
ChatGPTは、有料プランの「ChatGPT PLUS」に登録しなくても無料プランで使用可能です。有料プランと比べて、回答の速度がやや遅延し、ピーク時の使用制限がかかる場合があります。ChatGPTの基本サービスは使用できますので、回答時間への待機やピーク時の使用制限が気にならなければ問題ありません。
ChatGPTでできること
ChatGPTは、質問と回答を繰り返す対話型のAIです。それでは、対話型のサービスでは、どういったことができるのでしょうか。ChatGPTが主におこなえるのは以下の通りです。
- 文章の作成
- ソースコードの生成
- 質疑応答
- 文章の要約
- 計算
- エラー修正
それぞれについて詳しく解説します。
文章の作成
ChatGPTでは、文章の作成が可能です。文章の作成は、ChatGPTが最も得意とする部分です。人間がおこなう会話と同じような自然な言語での回答なので、会話形式の文章や小説風の物語、論文調の文章も作成できます。
ソースコードの生成
ChatGPTでは、ソースコードの生成もおこなってくれます。プログラミングで必要なソースコードが分らない場合やエラーの修正ができない場合、ChatGPTに質問することで解決します。コードの例もきちんと出力してくれるので、プログラミングをおこなう方はコピーペーストするだけです。
質疑応答
人間による質問とChatGPTによる回答を繰り返す、質疑応答もChatGPTは得意としています。もし、人間がおこなう質問に対する応答に間違いがあった場合は、質問を何度でもおこなうことができます。例えば、ChatGPTの回答に対してこのような返信をします。「その回答は違います。もう一度回答をお願いします」。すると、ChatGPTは質問に対して、「すみません。先ほどの回答は間違っていました」と謝罪した後、一つ目とは違った回答を出力してくれます。つまり、適当ではない回答を得た場合は、納得がいくまで質疑応答を繰り返すことができます。
文章の要約
文章の要約もChatGPTができるサービスです。論文や事業計画のような長い文章に対して、文字数を指定して要約できます。難解な文章や全て読み切るのに時間がかかる文章を要約してくれるので、知識を得る時間を短縮できます。
計算
ChatGPTでは、計算問題にも対応しています。計算問題には、数式でおこなう場合と、文章で問題を提出する場合があります。ChatGPTでは、数式にも文章問題にも対応しています。計算が複雑化すると誤った回答を出すこともありますが、簡単な計算はすぐに正解を提出してくれます。
エラー修正
ChatGPTでは、人間が書いた文章の修正をおこなったり、プログラミングコードのエラー修正もおこなってくれます。実際に人間が執筆した文章や、エラーが出たコードをテキストとしてペーストし、修正をChatGPTにエラー修正をお願いします。すると、修正後の結果がChatGPTから提出されます。
ChatGPTのメリット
ChatGPTは、これまでにない新しいサービスでありメリットがたくさんあります。ChatGPTのメリットに注目することで、今後の仕事のやり方や社会生活の変化にも対応できます。ここからは、ChatGPTのメリットを5つ紹介します。
情報を検索する必要がない
ChatGPTは、情報を検索する必要がありません。従来の検索エンジンでは、自分で考えた検索用のキーワードを入力して、その結果表示される数多くのWebサイトから自分自身で求めていた情報を選択する必要があります。検索キーワードを考えたり情報を選択したりする場合、本当にほしかった情報がないWebサイトを訪問してしまい、何ページものWebページを閲覧しなければならない場合もあります。ChatGPTは、質問事項を入力するだけで、最適な回答をしてくれるので何ページものWebサイトを訪問する手間が省けます。
操作がシンプルで使いやすい
ChatGPTは操作が簡単で、使いやすいのもメリットの一つです。基本的な操作は自分の質問を入力するだけです。質問事項の入力後は、回答を待っているだけです。ChatGPTは、複雑な機能がついていないシンプルなデザインです。コンピューターの操作に慣れていない方でも、アカウント登録が終われば簡単に使いこなせます。
Web広告が入らない
ChatGPTは、Web広告が入らないのもメリットです。他のWeb検索サービスでは、Web広告やリスティング広告などが入ります。また、Web記事内では、アフィリエイトサイトに誘導するリンクが用意されているものもあります。情報検索や記事を読んでいる際に、誤ってリンクを押してしまうと他のサイトに飛ばされてしまいます。ChatGPTではこういった不要なリンクを踏んでしまうことが無いので、無駄な時間を避けられます。
新規事業の企画書や資料作成を作れる
ChatGPTは、自動で新規事業の企画書や資料作成も可能です。ChatGPTでは、質問や指示を工夫すれば、きちんと整理された形式で文章が作成されます。企画書の内容も出力されるので、会社でのプレゼン資料作成も効率化します。ChatGPTによる回答内容を精査して、自分自身で修正していくことでさらに資料の精度は向上します。ChatGPTは同じ質問内容でも、こちらが納得できない回答であった場合、異なる回答を提示します。ChatGPTが始めに作った企画書に納得がいかない場合や間違った記述がある場合、テキストとして「これとは違う企画書の作成をお願いします」と入力すれば新たに企画書を作成し直します。そのため、自身が望む企画書内容や回答結果が出るまで、何度でも繰り返して質問をおこなえます。ChatGPTを使用して企画書の基盤を作れば、人間が手直しをするだけなので効率的な資料の作成ができます。
個人的な悩み相談も可能
ChatGPTは、個人的な悩み相談もすることができるのも特筆すべきです。ChatGPTはAIによるサービスですが、回答内容は人間が使う自然な言葉でおこなってくれます。誰にも話せないような個人的な悩み相談ができ、ChatGPTはカウンセラーとの相談に似た形でおこなえます。暇な時間でも話し相手になってくれる点が、ChatGPTのメリットです。
ChatGPTの仕組み
これまでのチャットサービスとは異なり、自然言語で回答してくれる対話可能なChatGPT。AIを搭載したチャットサービスですが、どのような仕組みで動いているのでしょうか。ここからは、ChatGPTの仕組みを解説します。

大規模自然言語モデルを使用
ChatGPTは、大規模自然言語モデル(GPT-3.5)で人間が対話しているようなテキストデータを学習しています。ただし、大規模な言語モデルでは、嘘やデマ、有害な出力を生成する可能性が高い問題があります。InstructGPTは、ユーザーの指示に従って出力がおこなえるようにしています。InstructGPTは、人間が文章の正誤をフィードバックすることによる強化学習をおこなっています。この強化学習によって、文章生成の微調整もできます。人間の趣味や嗜好に合った回答が得られるのはこれらの仕組みがあるからです。
大規模言語モデルとは
大規模言語モデルとは、単語や文章の生成確率をモデル化しています。一つ目の単語やフレーズ、文章が入力された後に続く単語やフレーズを確率を基に予測します。ChatGPTで使用されている大規模言語モデルは、この基本的な機能に自然言語モデルも学ばせています。
アラインメント問題の解決
ChatGPTでは、人間からのフィードバックも得られるためアラインメント問題も解決できています。アラインメント問題とは、膨大な量のテキストを学習するとAIが過激な言葉や差別表現などを学び出力してしまう問題です。ネット上には、これらの単語や文が溢れているため、社会的な倫理に反した回答や言葉遣いを覚えてしまう場合があります。こういった問題を避けるため、人間によって不適切な言葉を取り除くフィルターをかけたり、頻繁にアップデートをおこなうなどをおこなって対処しています。
ChatGPTで利用している学習データ
ChatGPTで利用している学習データは、2021年9月までのテキストデータが基本になっています。したがって、2021年10月以降のデータを学んでいないため、最新の情報には弱い部分があります。ただし、ChatGPTは、今後も新たな学習データを取り入れて精度を向上させていきます。以下は、現時点でChatGPTが利用している学習データです。
- Common Crawl
- WebTextデータセット
- 図書コーパス(インターネットベース)
- Wikipedia(英語版)
- その他、Webクロールデータ
Common Crawl
Common Crawlは、ChatGPTが利用している学習データの一つです。合計で12年間おこなったWebクロールによって収集されたデータが入っています。ペタバイトのデータが入っていて、Webページデータやテキストを抽出することができます。
WebTextデータセット
WebTextデータセットは、品質の向上を重視して収集されたデータセットです。スクレイピングをおこなうことで、ユーザーの興味関心が高く、教育に適しているテキストデータが収集されています。4,500万のリンクのテキストがセットされています。
図書コーパス(インターネットベース)
インターネット上に公開されている図書コーパスも、ChatGPTが利用している学習データです。図書データを学習することによって、ネット上のテキスト情報よりも真実味の高い出力ができるようになります。
Wikipedia(英語版)
ChatGPTはWikipediaも学習データとして利用しています。ただし、ChatGPTを作成したOpenAIが英語を基本とする会社なので、英語版を学習データとしています。ChatGPTは多言語に対応していますが、英語が最も相性の良い言語なのは参考にしている学習データが英語だからです。
その他、Webクロールデータ
ChatGPTは、上記の学習データ以外にもWebクロールデータも利用しています。
まとめ
対話型で自然な言語を出力するChatGPTは、社会やビジネスを変えていくゲームチェンジャーになります。今後は、ChatGPTを取り入れたWebサービスの作成はビジネスを改革させるうえで重要事項になるかもしれません。ChatGPTのように精度の高いAIを作成するためには、質の良いデータが必要です。データの収集や取捨選択、アノテーションには手間も時間もかかってしまいます。AIを作成するデータ収集のために、スクレイピングで質の良いデータ収集をしている会社に外注し、AI作成を効率化することも可能です。AI作成のための学習データは、スクレイピングを専門におこなっているPigDataにおまかせください。