
これまで、RPAについての基礎知識を紹介してきました。
RPAは話題となっている「働き方改革」の長時間労働の改善、労働力不足の解消に役立つツールのひとつといえるでしょう。ではすぐにRPAを導入しよう!と導入を検討される方も多いかと思います。しかし、RPAをよく理解せずに利用すると思わぬ失敗につながります。メリット・デメリットをしっかり理解し、事前に対策をしていきましょう。
RPAのメリット・デメリット

RPAを活用するにあたって、いくつかのメリットとデメリットがあります。両側面を知り、より効果的にRPAの導入を考えてみましょう。
メリット
- 早い
- ミスがない
- 休みなく稼働
- コスト削減 細かい
- プログラミングの必要なし
- さまざまなアプリケーションに対応
- 業務のブラックボックス化
- イレギュラーなことに非対応
- システム障害で突然停止の可能性あり
- 初期導入料金が高い
- 設定を間違えてもそのまま業務を遂行
RPAのメリットは、設定したロボットが人に代わって定型化した業務をすばやく正確に行ってくれるため、その作業を行っていた人がより高度な業務を取り組めたり、過度な残業を行う必要がなくなるということです。
しかし一方で、ロボットが行っている業務が可視化されないことによる業務のブラックボックス化、システム変更したあとも旧設定で業務を行いつづけるなど、人がしっかりと管理をしなければ結果余分に業務が増えてしまうなどのデメリットもあります。実際にRPAツールの導入を行ったが、業務効率化を図れなかった事例も存在します。
RPAツールの導入を成功させるために、失敗事例から学んでみましょう。
どこがダメだった?導入失敗例

定型業務を代替するRPAツールの取り扱い開始に合わせて、自社内ロボットの運用をはじめました。まずは、特に定型業務の多い部署でRPAの導入を進めました。 しかし、ロボットの作成基準を曖昧にしていたことから、会社組織の規律を乱すロボットが出現するリスクが浮かび上がりました。たとえば、出退勤を記録するロボットを悪用し、「出社していなくとも出退勤記録を残す」といったことが勘のいい社員なら数分で作れるとわかりました。 また、RPA研修を行いましたが、部署によって積極的に取り組む部署と全く手をつけない部署とでロボット化に差がうまれてしまいました。ロボット作成後の管理方法も曖昧だったため、担当者が部署移動するだけで混乱をきたす危険性もみえました。
A社は、RPAツールについて理解をしていながらも、社内での運用の目的、管理方法を明確にしていなかったためRPAを活用していくうえで危険性がうまれてしまいました。
B社
働き方改革がはじまったことから、弊社でもRPAツールを導入することを決めました。調べたところ、他社での成功事例と同様の内容で取り組んでみたい事例があり、大きく業務改善をしていたので、それを参考にしてRPAツールを導入しました。しかし、弊社での業務プロセスを可視化しないまま導入してしまったため、個別に対応すべき場合を見逃してしまいました。結果、後追いで修正業務が発生してしまいました。
B社は成功している他社の模倣をしてRPAの導入をすすめましたが、自社の業務の規模や業務プロセスを正確に確認しないままだったため、イレギュラーな対応ができませんでした。
C社
RPAツールを導入し、大幅な労働生産の向上を取り組むことにしました。一度に多くの部署での導入を行い、RPAをフル活用しようと考えました。しかし、その機能や運用を理解する人材は多くなく、一度に多くの業務をロボット化することが難しいことに気付きました。結果、初期費用ばかりがかかってしまい、無駄なコストになってしまいました。
C社は、導入してすぐに大きな利益を得ようと考えていたため、まだRPA運用に関して人材育成、システム面と業務面の双方からすりあわせがうまくできていませんでした。
RPAのデメリットを回避するために必要なことは、運用する側のRPAに対する理解と準備!
RPAツール導入前にチェック!
□ 現在の業務は整理できているか(どの業務をロボット化するか)
□ シミュレーションはしっかり行ったか
□ 対象業務はRPA導入に適したものか
□ 運用する人材体制に合った導入規模であるか
□ 導入するRPAツールは業務に合ったものか
□ RPA導入に対して導入目的が伝わっているか(社内コミュニケーションはとれているか)
□ 導入後の運用ルール・管理体制はどうなっているか(担当の移動等に左右されないか)
RPAのメリットを得るために
RPAは使用する人間がしっかりとその使い方を理解することではじめてそのメリットが得られます。デメリットを回避し、RPAを導入するメリットが得られるよう、事前準備を怠らないようにしましょう。
複雑であることから発生するデメリットも多いRPAツール。そんなデメリットを減らすべく、PidDataはWebに特化したRPAツールとして、シンプルな機能で構成されています。操作もポイント&クリックのみ。Webからのデータを継続的に取得したい方に向いているRPAツールです。それぞれのRPAのメリットを活かすことで、多くのRPAユーザーがよりよい業務をつくっていくでしょう。