
前回の記事で、ビッグデータの定義やその効果を数値的に調査しました。
これによって、ビッグデータが多種多様な業種によっていくつかの効果があることがわかりました。しかし、その活用方法は具体的にはどのようなことなのでしょう。実際に活用した企業を参考に、どうビッグデータを取り扱っていくのか考えてみたいと思います。
ビッグデータの活用事例

ビッグデータはすでに多くの企業が活用し、その成果をだしています。いくつかの成功事例を参照してみましょう。
ソフトバンク

引用:ソフトバンク (https://www.softbank.jp/mobile/)
目的・・・より効率よく電波を送信する鉄塔をつくる場所の設定を行う
活用したビッグデータ・・・国内携帯のスマートフォンユーザーが実際にネットにアクセスした通信ログ
追加分析データ・・・時間、地図情報、ビルなどの建物の位置情報、その場所の店舗情報、ユーザーのクレーム情報
結果・・・少ない設備投資で、スマートフォンのパケット接続率の全国、週間平均で1位!
その他にもTwitterのつぶやきを解析し顧客満足度を測る、Yahoo! Japanでの検索結果や購買記録、アクセスログを解析・利用して広告のキャンペーンをピンポイントで行うなど目的をもって様々なビッグデータを活用している。
Honda

引用:本田技研工業株式会社(www.honda.co.jp)
目的・・・渋滞をなくす、災害回避、カーライフを豊かに
活用したビッグデータ・・・フローティングカーデータ(走行している自動車から得るデータ)
追加分析データ・・・気象データ
結果・・・リアルタイム渋滞情報の提供により、CO2を約16%削減。急ブレーキ多発地点をマップに落とし込み、街路樹の剪定や路面表示により7割もの急ブレーキ回数の減少に成功。気象データとあわせることで、減災対策も行っている。
楽天

目的・・・売上の向上
活用したビッグデータ・・・楽天プロダクトランキングからの購買データ
追加分析データ・・・ランキング更新頻度、ジャンル別データ、誤分類商品の検知
結果・・・更新頻度の短縮とジャンルの細分化を行うことで全体の売上が上がることを発見。また、ビッグデータで誤分類商品を検知し、正しい商品ジャンルに自動でつけなおすだけで顧客のストレスは減り、売上平均を十数パーセント伸ばすことができた。
資生堂

引用:資生堂「ワタシプラス」(http://www.shiseido.co.jp/wp/index.html)
目的・・・広告のクリック率、商品の購買率の向上
活用したビッグデータ・・・自社サイト内での会員データ、閲覧データ、購買データ、店頭のPOSデータ
追加分析データ・・・資生堂以外のサイトでの顧客の行動データ
結果・・・顧客のデータを統合し、顧客の行動を「見える化」することで、顧客の年齢や性別データ以外にも顧客が今何を考えているか、ということを理解することができた。そこから「どういったユーザーに、どのような情報的今日を行うか」というマーケティングへと繋げる。
データに基づいて配信した広告は、単純な性・年代などによるターゲティング広告と比較してクリック率(CTR)が5倍、成約率(CVR)は3倍高くなった。
Point1種類だけではなく、いくつかのビッグデータを組み合わせて分析することも成功の秘訣!
今後どうなる?ビッグデータの将来
ビッグデータは急に登場したデータではありません。昔からあったものが、IoTの発展に伴って昨今よりその量をさらに増し、注目されるようになりました。
主に小売業界での活用が目立つビッグデータですが、今後は医療や公的機関など様々な業界で活用されることが考えられています。
前記事で述べたように、ビッグデータにはその量の多さだけではなく、様々な種類があります。普段利用しているWebサイトにも活用できるビッグデータは潜んでいます。いくつかのデータを併用して分析していくことで、ビッグデータ活用の成果を上げられることでしょう。ぜひ適切なツールを用いて、ビッグデータの活用を検討してみましょう。