
前回の記事でマーケティングに必要な企画とデータについてお話しました。
マーケティングに必要なデータのひとつに「セカンダリーデータ」があります。そのなかでもビッグデータはIoTの進化とともにどんどん増えていっています。そもそもビッグデータとはなんなのか?定義からその利用効果まで調べてみます。
ビッグデータとは
ビッグデータには「コレ!」といった定義がありません。 ビッグデータの活用を推奨している総務省では「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と広義に解釈されています。また、現在はアメリカの調査会社ガートナー社がもう少し掘り下げて提唱した「3つのV」を多くの人が定義として取り入れているようです。
Volume:データ量
その名のとおり、膨大な容量のデータであること。特に○○以上、といった定義はないが、数テラバイトから数ペタバイト程度といわれることが多い。
Velocity:データ速度
ビッグデータは日々蓄積されていくデータであり、高い更新頻度をもちあわせている。リアルタイムに対応していくこともビッグデータのたいせつな要素。
Variety:データの多様性
文字に限らず画像、音声などあらゆる種類のデータが、SNSやセンサなど様々な場所から発生する多様性があること。さまざまなデータを分析していくことで、新しい洞察獲得の可能性がひろがる。
さらに富士通株式会社では大量のデータから新たな価値を見出すことが最も重要として「Value(価値)」を、IBMはデータの矛盾、曖昧さによる不確実性、近似値を積み重ねた不正確さなどを排除して、本当に信頼できるデータによる意思決定が重要として「Veracity(正確さ)」を、4つめのVとして追加しています。
Pointビッグデータは量だけではなくリアルタイム性や多様性をもち、利用価値のある蓄積され続けるデータ!
どんな種類があるの?
上記で述べたように、ビッグデータには「Variety:データの多様性」があります。 データの多様性とは、そのデータ自体の種類の数だけではなく、データを構成する出所が多様であることでもあります。

どんな場面で使われている?その効果は
多くの容量とさまざまな種類のあるビッグデータ。これらはどのような場所で、どのように活用されているのでしょう。
2015年総務省がどのような領域においてビッグデータの活用を行っているのかを調査しています。その結果、「経営全般」「企画、開発、マーケティング」でのビッグデータ活用の割合が全体の傾向として高くなっています。
データの活用領域

(出典)総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)
また同様に、ビッグデータを活用することによって、どのくらい効果があったのかを総務省が2015年に調査しています。 その結果によると、「経営全般」では全体のおよそ3割、「企画、開発、マーケティング」ではおよそ2割、そのほかおよそ1割の効果を得ているという結果となりました。 また、産業別にみると、各業種ごとにどのような業務でビッグデータを活用することが向いているのかもわかります。
データを活用することによって効果のあった割合

(出典)総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)
Point産業ごとでビッグデータ活用効果のでる領域はさまざま。しかし「経営」「企画、開発、マーケティング」には一貫して効果あり!
ビッグデータを活用することで
ビッグデータは多様化する顧客のニーズに対応し、競争の激しい現在のビジネス環境を生き残るために役立つ手段のひとつです。 顧客のニーズを知る、ということは多くの顧客に関する情報が必要となってきます。
例えば、名前や年齢、職業や住所だけではなく、ビッグデータを活用することで顧客が検索サービスを使う時間帯や位置情報、購買履歴などより多くの情報を得ることができます。情報を分析し、顧客の「ほしい」という想いを発見することはマーケティングの基本です。 各々の産業、業種に必要なビッグデータを収集、分析しマーケティングに役立てていきたいですね。
ビッグデータをどうやって収集、分析したらいいの・・・?と考えるかもしれません。まずは必要なデータをWebから収集したい、と思ったときにスクレイピング(クローリング)ツールを利用するとより迅速に、正確に取り組むことができます。これからマーケティングをはじめる方、ビッグデータの収集をしたい方、たくさんある収集ツールから用途にあったものを検討してみてください。