
毎年、住みたい街ランキングが様々な不動産関係企業から独自に発表されています。そのランキングは年々変わっているとはいえ、上位の人気は不動のように感じます。このランキングは企業の独自アンケートによるものですが、アンケートを行うには時間や労力がかかります。
そこで、アンケートではなく毎日何万件と発信されているSNSのデータを効率よく収集・分析して住みたい街ランキングを知ることはできないのかを検証するため、ツイッターでつぶやかれている首都圏の「住みたい」街を分析してみました。
こちら記事には、Twitterデータの取得に関する内容が含まれていますが、Twitterデータを商用利用する際には、NTTデータのサービス(※)を利用する必要があります。
※NTTデータのサービス:「Twitterデータ提供サービス(インテグレーション)」
住みたい街が変わってきている?
リクルート住まいカンパニー、Suumoが2020年1月6日(月)~ 2020年1月16日(木)に関東圏に住む20歳~49歳7000人を対象に調査したところ、関東版Suumo住みたい街(駅)ランキング2020は
1位:横浜
2位:恵比寿
3位:吉祥寺
4位:大宮
5位:目黒
となっています。
しかし2020年4月、新型コロナウイルスの影響で多くの企業が在宅ワークを実施し始めたため、「住みたい街」が都心から郊外へと変化しているという話も聞きます。
果たしてそれは本当なのでしょうか?人々の本音が出るという「ツイッター」で「住みたい街」のデータを集めてみました。
ツイッターで判明!住みたい街ランキング
【調査内容】
- 2020年9月1日~8日までのツイート
- 「住みたい」をキーワードにツイッターデータを収集
- 取得データ数20403ツイート
今回、ツイッターで「住みたい」をキーワードにしたところ、多くの街(駅)が投稿されていました。投稿された街(駅)はツイートした人達が住みたいと思っている場所であると想定したところ、上位30位は以下のとおりです。

Suumoが調査したのと同様に、横浜、吉祥寺は上位に来ていますが、恵比寿は発表されているランキングよりも低いようです。
住みたい街がある都道府県
30位以内の街(駅)がどの都道府県に所在しているのか円グラフにしてみました。
やはり便利な東京都が多いようですね。

住みたい街の家賃相場は?
「住みたい」という願望は現実的なものなのでしょうか?
住みたい街の家賃相場を確認してみました。

全国のワンルーム・1K・1DKの平均家賃が約5万円であるのに対し、住みたい街は家賃相場が比較的高いようです。住みたい街5位の渋谷は14万円を超え、全国平均の約3倍です。一方上位に入っているものの比較的家賃が安いのは浦安や舞浜、山手など東京都以外の場所です。人気の街の中でも狙い目なのは交通の便が良く、家賃が安い郊外ということでしょうか。
住みたい街の世帯数
実際、人気の街に住んでいる人は多いのでしょうか?マップ上に世帯数ごとに色分けしてみました。
2000世帯未満 青
2000世帯以上4000世帯未満 紫
4000世帯以上6000世帯未満 オレンジ
6000世帯以上8000世帯未満 赤
8000世帯以上 茶

赤、茶、と世帯数の多い駅は東京を中心に多いようです。「住みたい街」は東京都内が多いのですが、その中でも特に多くの人が住んでいるのは山手線の少し外側であることがマップにすることでわかりました。
ツイッター分析でわかったこと
今回ツイッターから集めたデータを分析した「住みたい街」をみてみると、結果として2020年1月のSuumoの調査とあまり変わらないデータがツイッター分析からわかりました。このことから、ツイッター分析はアンケートのように人手をかけることなく、アンケートの代わりとなると言えます。また、「コロナ禍で住みたい街が変化している」という噂もありましたが、社会が大きく変わっても人気の街は変わらず人気であることも「本音」がわかるツイッターのつぶやきから判明しています。他にも様々なデータと掛け合わせることで、「住みたい街」の特徴を知ることもできました。
ツイッター分析は手間をかけずに多くの情報を得ることができます。人手不足、データ活用が重視されてきている現代において、ツイッター分析は今後利用価値の高いものになるでしょう。