
会社の目的は、利益を拡大していくことです。利益を上げるためには、消費者の母数を増やしていくことが一つのセオリーです。
販路拡大は、消費者の母数を増やすための必須事項といえるでしょう。それでは、そもそも販路拡大とはどのような意味であり、どのような具体的な方法があるのでしょうか。
この記事では、販路拡大の意味を解説した上で、新しい販路を開拓する方法を紹介します。販路の拡大には、ビッグデータの活用がキーポイントです。売上が伸び悩んでいる会社の方は、こちらの記事をぜひ参考にしてください。
目次
そもそも販路拡大とはどのような意味?
「販路拡大」とは、簡単に言えば販売経路を拡大させて売上を向上させていくことです。
販売経路は一つではなく、多種多様に存在します。一つの販売経路では、消費者の母数が限定されてしまうため、売上の拡大に限界があります。消費者を増やして売上を向上させるためにも、販売経路を増やしていくことが、販路拡大の一般的な意味です。
販路の拡大方法には大きく分けて2つの種類があります。
「人が直接営業する販路拡大方法」と「オンラインでの販路拡大」です。
人が直接営業する販路拡大方法
まずは、人が営業する販路拡大方法を紹介します。主な方法は以下の4通りです。
- 展示会や学会などのイベントへの参加
- 雑誌などの紙媒体での広告宣伝
- テレアポや飛び込みによる営業
- 知人やクライアントからの紹介
それぞれの販路拡大方法を詳しく紹介します。
展示会や学会などのイベントへの参加
展示会や学会などのイベントへの参加は、販路拡大の一つの方法です。
展示会や学会に参加している人々は、新しい商品やサービス、そして新規企画に有益な研究開発を求めて集まってきます。そのため、参加者の印象に残れば、販路の拡大が容易です。ただし、展示会や学会に商品を展示しているのは競合他社も同様です。
常に競合他社と比較されているため、注目を得ることができないこともあります。
雑誌などの紙媒体での広告宣伝
すでに販売されている雑誌に広告を載せるのも、販路と認知の拡大になります。
特に、専門雑誌の場合は、購読者が限定されています。ターゲットが絞り込めるので、自社の商品やサービスと親和性の高い雑誌を選択すれば、宣伝効果が高いターゲットにアプローチできます。この方法は、一度得た消費者を顧客化することにも繋がります。
ただし、広告費が高い部分と集客経路の特定が難しいデメリットもあります。
テレアポや飛び込みによる営業
テレアポや飛び込み営業も販路を拡大する方法です。
電話では声も聞けますし、飛び込みは直接対面しておこなう営業なので、相手に安心感を与えられます。商品の紹介を実践的におこなえるので、特徴や利便性を説明しやすいのもメリットです。
テレアポや飛び込み営業は、人によって不信感を持つ場合があり、1つの商品を販売するためのコストが高いのがデメリットです。
知人やクライアントからの紹介
販路拡大には、知人やクライアントから紹介してもらう方法もあります。
会社の従業員の知人や、既に商品やサービスを使用してくれたクライアントにお客様を紹介してもらう方法は、信頼のおける関係をすぐに構築できて販売できる可能性も高いです。
販路の拡大が既存の人脈に依存するため、売上の向上につながりますが、販路の拡大をすすめていくのに時間がかかります。
オンライン時代の販路拡大方法とは

オンラインでも販路を拡大させることができます。
インターネットやSNSの普及により、商品やサービスの購入がネットを通じておこなうことが多くなりました。店頭や代理店での販売以外にも、インターネットを通じて販売する方法を模索する必要があります。中小企業や小規模事業者でもオンライン販売によって、大規模な競合他社とも互角に渡り合えます。
インターネットを通じて販売するにしても、販路は大きく分けて3通りです。
- 自社ESサイトの運営
- SNSでの情報発信
- ダイレクトメールによる顧客戦略
それぞれにも特徴があるので、詳しく解説します。
自社ECサイトでの運営
ECサイトには、自社サイトからの販売とモールからの販売の2通りあります。
自社メディアであれば、サイト運営にかかるサーバーや管理費だけで支出を抑えながら販売が可能です。しかし、消費者に認識させるためには時間と手間がかかります。
モール型のECサイトなら、すでに消費者が多く集まっているため宣伝をする手間が省けます。ただし、出品するためには手数料をとられるため支出は自社サイトよりも高いです。
SNSでの情報発信
SNSで商品やサービスを発信して販路を拡大させる方法もあります。
消費者の多くは、テキストや画像ベースのTwitterやInstagram、動画をベースとしたTikTokやYouTubeなどからも商品を購入しています。SNSは種類によって使用している年齢層が絞れますし、情報の拡散力もあります。
親和性の高い情報を発信しているインフルエンサーと共にマーケティングをすれば、さらに認知の拡大と販売が可能です。
ダイレクトメールによる顧客戦略
顧客へのダイレクトメールやメールマガジンも販路です。
既に会員になっている顧客は、自社商品を再購入する可能性の高い方々です。過去に購入した商品やサービスよりも、さらに改善されたプロダクトを欲しています。新しく開発された商品やサービス、キャンぺーンの情報をダイレクトメールで配信することで販路拡大に繋げられます。
既に人気商品を販売していて、顧客を掴んでいる会社には特に有効な販路拡大の手段です。
オンラインでの販路拡大が売り上げアップに繋がる⁉
販路拡大方法としてインターネットを選ぶことで、消費者となるターゲットのビッグデータを収集することが可能になります。
自社の商品・サービスサイトへの訪問者の数やアクセスした時間などさまざまなデータが蓄積されます。それらのビッグデータを活用することでさらに売り上げを伸ばすことも可能になってくるでしょう。
オンラインでの販路拡大によるビッグデータ活用術
ビッグデータを収集しても、販路拡大への具体的な方法が分からない方もいます。
ここからは、オンラインでの販路拡大によるビッグデータ活用で、利益を伸ばした事例を紹介します。
ビッグデータを分析すれば、新しい商品やサービスの開発にも役立ちます。自社の事業と照らし合わせて参考にしてください。
小売業
小売業界では、ECサイトによる商品販売が進んでいます。オンラインでの販売によって、ビッグデータが蓄積されます。
ビッグデータを収集して分析すれば、消費者のニーズや商品の評判を把握できます。さらに、トレンドの動向も見出すことが可能です。販売している商品には人気の浮き沈みがありますが、その変動をビッグデータから読み取れます。
商品の販売量をビッグデータによって比較すれば、最適な入荷量を調整することができます。在庫の過不足が最小限になるので、支出を抑えながら利益を伸ばせます。
教育業
教育業でもビッグデータを活用すれば、最適な教育を提供できます。教育業界ではコロナウイルスの影響もあり、授業のオンライン化が拡大しています。民間経営の学習塾や予備校もオンライン化されて、人気の授業は全国から生徒を集められます。
オンライン化することで、人気の授業の傾向や料金を支払って入塾・入学する学生のニーズも把握します。
ビッグデータを収集すれば、学生が欲している塾や予備校の形態を最適化可能です。ビッグデータによって社会的なニーズの変化に合わせた経営をしていけば、売り上げを伸ばせます。
旅行や観光業
旅行や観光業でもビッグデータは活用できます。
SNSで発信されている投稿を分析すれば、旅行先で人気の観光地やトレンドになっている名所をデータとして取得できます。
また、SNSやWebサイトからの予約や決済すべてを終わらせると、より細かいデータも収集可能です。観光地はトレンドによって、集客力が左右されます。たとえば、パワースポットが流行することもありますし、インスタ映えするスポットが人気になることもあります。
旅行プランは、定番の名所に加えて流行になっているスポットもスケジュールに組み込めば、客層の幅を広げることが可能です。
飲食業
飲食業はビッグデータの使用方法が模索されている業界です。
SNSやWebサイトでクーポン券の発行やキャンペーン情報を拡散させて、ネットの情報から来客した人のデータを集められます。
店舗での発注もデジタル化すると、人気の商品も把握できるので在庫管理も効率化します。個人のメールアドレスがあれば、個別のダイレクトメールを配信することで、再来店のチャンスにも活用できます。
ネットでの広告によって集めたビッグデータは、人気商品の把握ができますし、頻繁に利用する人の属性も確認可能です。飲食業でもビッグデータを集客に活用しましょう。
エンタメ業
エンタメ業界では、独自のクレジットカード発行やネット予約とネット決済によってビッグデータを収集しています。
また、ストリーミングサービスを担う会社は、視聴した会員の属性を分析することで個人に最適化したコンテンツを提供できるようにしています。ビッグデータを収集して分析した消費者動向によって、シネコンやアミューズメント施設と協力した新しいコンテンツも作成できます。
ビッグデータは、消費者が求めているエンターテイメント体験を予測することや、サービスを提供するためにも活用されています。
まとめ
会社の利益を向上させていくためにも、オンラインによる販路拡大は経営上必須の施策です。
販路拡大とは、消費者が商品やサービスを購入する導線を複数以上用意し、購入してくれそうな消費者の母数を増やすことです。オンラインでの販路拡大方法では、広告や集客だけではなくビッグデータも同時に蓄積できます。ビッグデータを活用すれば、購入意欲のあるターゲット像を把握可能です。また、消費者のニーズ動向も分析できますので、時代に合わせた商品開発にも活かせます。すでに、さまざまな業界でビッグデータを活用して売り上げをアップさせています。
ただし、ビッグデータを収集して活用するまでには手間と時間がかかります。
分析可能な状態に加工された状態で、ビッグデータを手に入れたい場合は、スクレイピング専門の会社に依頼する方法もあります。ビッグデータの活用で、販路拡大と売上の向上を目指しましょう。