
競合調査とは、自社と競合する企業の商品・サービスの価格を調査・分析することです。変化の激しい市場で生き残るためには、自社の立ち位置だけでなく、競合他社を知ることも重要です。しかし、従来の算出方法では、手間もコストもかかり市場の変化に対応できない、という方も少なくないでしょう。
そこで今回は、競合調査の中でも金額算出に最適な価格調査について、メリット・デメリット、競合調査で金額算出をする流れについて解説します。
競合調査をする理由
競合調査は、主に新規事業の立ち上げ・事業方針検討といった際に用いられます。自社の競合先を正しく見極めることで、適切な価格で商品・サービスを顧客へ届けることができます。とくに重要な意義としては、以下の2つを意識するとよいでしょう。
- 競合他社との差別化
- 顧客ニーズの動向を調査
これらを調査・分析することで自社にとって適切な価格を導き出すことが目的です。それぞれ詳しく解説します。
競合他社との差別化
競合価格調査で大切なことは競合他社との差別化です。差別化をするためには、他社の商品・サービスの強み弱みを把握する必要があります。
その際、価格だけをデータとして収集するのではなく、様々な観点から分析しなければいけません。たとえば、自社と他社の立ち位置はどう違うのか、ターゲット層は同一なのかなど、比較する要素はさまざまです。
収集した情報を多角的な視点で分析することで、商品がなぜその価格設定なのかを推測できます。設定した価格には必ず意味があり、価格変更を行う際にもデータに基づいた決定が可能です。
顧客ニーズの動向を調査
競合調査をすることで意識していきたいことは、顧客ニーズの動向調査です。競合調査は市場調査と違い、数ある商品・サービスの中からどのように自社を選んでもらえるかを目的としています。自社商品や競合の商品に対する顧客の満足度(良い・悪い含める)や口コミを調査することで、顧客のニーズを把握することができます。また、そこから顧客が求めている適正価格もわかります。つまり、競合調査をすることで、自社商品やサービスをより顧客のニーズに沿って向上させることが可能です。
競合調査をするメリット・デメリット
競合調査をするとどのようなメリット・デメリットが得られるのでしょうか。競合価格調査は何もメリットだけではなく、調査を実施するうえでのデメリットもあります。
競合調査のメリット
競合調査を行うことで得られるメリットは次の4つが代表的です。
- 新しい競合企業を発見できる可能性がある
- 自社と競合企業における価格差と弱点を比較できる
- 集めた情報により効率的な差別化を迅速に実行できる
- 顧客の購買行動に変化を起こせる
とくに、競合調査によって、これまで意識していなかった新しい競合企業を発見できるのは嬉しいポイントです。事前に新規参入の競合企業を知ることで、自社と比べて何が違うのかという点で比較しやすくなります。競合調査をすることで、より違いを鮮明に分析できるでしょう。
また、競合調査に用いるデータをもとに顧客により深いアプローチを検討することもできます。データの活用は今後ますます重要とされるため、競合調査の際にデータを収集することは企業としてのメリットが非常に大きいといえるでしょう。
競合調査のデメリット
競合調査は、一般的に次のようなデメリットが考えられます。
- 価格調査を行う手間と費用がかかる
- 定期的に行わなければいけない
実行までにある程度の時間を要するため、基本的にコストと手間が非常にかかるのがネックといえます。
また、市場価格は常に推移しています。競合調査は一度の実行で満足するのではなく、定期的に実施する必要があります。
競合調査で金額算出をする流れ
実際に競合調査を行うにあたって、綿密に計画を練ったうえで競合の価格を調査しましょう。その際、一般的には以下の流れで行われます。
- 調査企画を練る
- 調査対象を設定する
- 仮説を立てて調査・データ収集を実施
- 調査結果から金額を設定をする
それぞれ詳しく解説します。
1.調査企画を練る
競合調査だけでなく、調査全般において実行の企画段階で目的を明確に設定します。目的のない調査では、得られる成果はありません。競合調査の場合、ビジネスモデルの改善、商品・サービスの見直しや改善といったケースが考えられます。競合調査で何を主軸に改善したいのかを明確にすることで、ブランドの維持・向上にもつながります。
2.調査対象を設定する
調査の目的を明確にしたら、次は調査対象を決めましょう。競合他社を設定することで、より具体的に商品の価格を分析できます。
この際、次の点に注意してください。
- 同じ顧客・市場である
- 同じ商品・サービスを取り扱っている
価格調査となると、つい同じ商品・サービスのみに意識を向けてしまいますが、同じ顧客・市場を共有しているかというのも重要なポイントです。顧客や市場が同じでも、同じ商品・サービスを取り扱っているわけではないため、注意を払って分析しましょう。
3.仮説を立てて調査を実施
目的と対象が決まったらすぐに調査を実施したいところですが、その前に仮説を立てましょう。仮説とは「自社の特徴と弱点を基準に変更価格を決める」ことです。事前に仮説を立てることで現在の価格設定にした自社の情報が得られます。
仮説を立てたら、後は調査をするだけです。調査はさまざまな媒体で情報を収集するため、手間やコストはかかるため、焦ってはいけません。Webの情報ならばWebスクレイピングを実施すればすぐに膨大なデータを収集できるためおすすめです。
4.調査結果から金額を設定する
調査が終わり次第、結果を分析します。競合他社の価格を活用して、自社の特徴・弱点から金額を算出します。
この際、先ほど立てた仮説が重要です。仮説と照らし合わせることで、自分たちの考えが正しかったのか間違っていたのかの答え合わせができ、市場とズレがある場合は修正も可能です。もしも価格が大幅に違った場合は、戦略の方向性から見直しましょう。
競合調査で活かせるフレームワーク
競合価格調査は基本的にWebで行われるのが一般的です。これは、数値入力の利便性によるもので、Webでの調査が優れているというわけではありません。
その場合、主に用いられるのは以下になります。
PSM分析:商品の適正価格帯の把握
CVM分析:価格変更によるシェア獲得シミュレーション
コンジョイント分析:商品のスペックと価格のシミュレーション
Webスクレイピング:一括で競合の価格調査を行う
効率的なデータ収集と分析での調査
競合調査は効率的に行う必要があります。従来、競合調査は時間とコストがかかるものでしたが、Webスクレイピングを使ってデータ収集をすることで効率的に行う方法があります。データ収集においてはマンパワーで行っているところも多く、競合のECサイトなどの価格データを取得するサイトが複数になり、取得するデータ量が増えると膨大な時間が必要です。
分析用のプラットフォームを持っていたとしても、サイトごとにデータ形式が異なるとデータ整形だけでも手間と時間がかかります。Webスクレイピングを使えば、マンパワーに依存していた競合他社の情報収集の自動化が可能であり、データ形式を統一することで効率的なデータ収集・活用をすることができます。
競合サイトを自動で監視できるツールもあります。
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今回は、金額算出に最適な競合調査について、メリット・デメリット、競合価格調査で金額算出をする流れについて解説しました。競合調査は、自社の商品・サービスの価格を他社と比較するための調査です。調査結果を使えば様々な改善が期待できますが、コスト・手間の両方がかかります。 「PigData」ならビッグデータを起点とした事業改善・業務創造はもちろん、Webスクレイピングを用いたデータ収集など競合調査も得意としています。競合調査に対するご相談も受け付けているので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ