
あらゆる仕事を進める際に、情報収集は欠かせません。例えば商品企画をする際には、競合他社情報や製品自体の情報だけでなく、トレンドなども調べる必要があります。サービスを宣伝するにも展示会に出展するにも、どのような方法、またはどのような場所が適切か情報収集しなければなりません。あらゆる仕事で決断を迫られる場面において、情報は欠かせない要素なのです。
しかし、実は情報収集は短時間で簡単にできるものではありません。ある程度信頼性の高い情報を集めるには時間がかかりますし、せっかく収集した情報がうまく使えない事もあります。
本記事では、情報収集のコツや継続して情報を得る方法をご紹介します。
情報収集とは
ビジネスにおける情報収集とは、単に情報に触れたり集めたりするだけではなく、目的をもって情報を集め、それを活用できるような状態としてまとめることを指します。
情報の種類
- 定量情報:生産数や販売数など数値で表せる情報
- 定性情報:数値では表せないニュースなどのテキスト情報
- 一次情報:自社の研究結果やアンケートの結果などオリジナルの情報
- 二次情報:インターネットや新聞など、他者が作成し世の中に出回っている情報
情報収集の方法
インターネット
現在一番情報量が多く、最新の情報が早くに収集できる情報源はインターネットです。情報量が多いだけではなく、スマートフォンやタブレットでいつでもどこでも情報収集できるのもポイントです。一方、間違った情報や主観で書かれているものも多いので注意が必要です。原文や出展元を確認してその情報の正確さを見極めましょう。また、情報検索の際には検索キーワードや条件を詳細に絞り込むことでより目的に沿った情報を収集できます。
テレビ
ニュースなどのテレビでは専門家が専門的な情報を提供してくれることがしばしばあります。また、速報やライブ中継の場合はその現状が映像と共に確認することができるため、情報として頭に残りやすいです。しかし、データとして保管するには難しいため、テレビで得た情報の信憑性を調べるうえでも再度インターネットなどで情報を再確認する必要があります。ひとつの情報を得るきっかけとして利用するとよいでしょう。
新聞
新聞には政治、経済、スポーツなど様々な情報が日々更新されて掲載されています。インターネットのニュースも新聞を情報源として作られているものが多いので、第一の情報源として有効活用できます。しかし新聞は各社によって表現方法や思想が違うため、ひとつの新聞の内容だけではなく、複数比較が必要となります。
書籍・文献
書籍や文献はより専門的な知識や情報を身につけるのに役立ちます。インターネットでは幅広いライターが情報を掲載していますが、書籍は専門家がデータや経験を元に情報を提供しているため、正確性の高い詳細な情報を得ることができます。しかし、本を制作するには日数がかかるため、データが古い可能性があります。また、主観的に書かれている本かどうかを注意して情報収集する必要です。
公的機関の発表データやレポート
公的機関からは公的統計以外にも官報や登記情報、論文などが発表されます。情報源としての信頼性は非常に高いため、データとしてそのまま活用することもできそうです。統計データなどを必要としている場合、まずは公的機関でそのデータが提供されているかを確認してもよいでしょう。
シンクタンク・コンサルティング企業・民間調査会社のレポート
シンクタンクには専門家が集まって調査や研究をしているため、そのレポートの信憑性は高いです。また、コンサルティング企業や民間調査会社も専門領域に特化した調査を行っており、アンケートやユーザー調査などの結果は机上のデータよりもリアリティの高いデータとして取り扱うことができます。これらのデータは各組織で公開されていたり、ものによって有料で販売されていたりします。
SNS
今一番リアルタイム性の高い情報源はSNSです。一般の人だけではなく、企業や政府も活用しているため、幅広い情報をリアルタイムに得ることができます。SNSは有益な情報が多くある一方、誤った情報も多いため注意が必要です。また、毎秒ごとにデータが流れているので、SNSから情報を収集するには専用のツールやサービスの活用をおすすめします。
情報収集能力の高い人がやっていること
情報源の使い分け
情報収集能力が高い人は情報源をひとつに絞らず、複数の情報源から情報を得ています。情報源を複数にすることで、情報が偏らず、その信憑性を確認することもできます。文字情報だけではなく、画像や動画を活用することで情報収集の手間が省けることもあるでしょう。
時間を決めて調べる
無数に情報が広がる昨今において、情報収集はやろうと思えば無限にやることができます。情報収集は朝に1時間だけ、など決めておくことで1日のスケジュールや他のタスクも管理することができます。
習慣化する
毎日決まった時間に情報収集を行ったり、スキマ時間に確認するWebサイトなどを決めて習慣化しておくことで、最新の情報をいち早く収集をすることができます。例えば、「〇〇の情報を収集しよう」と思ってから収集するとその情報が古かったりもします。情報収集を習慣化することで特定の情報が必要となったときにすぐ自分の引き出しから出すことができたり、どの情報源を確認したらその情報が出てくるかがわかるようになります。
ツールの活用
情報収集を全て手動で行おうとすると非常に時間がかかります。情報収集に便利なツールを活用することで、その時間は短縮され、必要な情報のみを収集することもできます。
発信する
情報収集能力が高い人は自分で発信することができます。例えばSNSで自ら発信することで、それに対する返信を得ることができます。そこからまた新しい気づきや情報を得ることもあるでしょう。また、発信することで新しいコミュニティと繋がるきっかけにもなり、そのコミュニティで新しい人脈や世界が広がることもあります。
情報収集に失敗する理由
情報収集がうまくできない人や失敗してしまう人には以下のような共通点が見られます。まずは原因を突き止め、これらが当てはまらないように改善していきましょう。
無駄な情報を集めすぎている
今や情報はあふれています。確かに、情報量は多い方が正確な判断をするうえでは有利です。しかし、世の中にある情報を片っ端から集めて全てを確認していると時間がかかるうえに、何が大切な情報なのかがわからなるというデメリットもあります。不要な情報を「何かに役に立つかも」と残しておかず、その時に必要な情報を明確にしましょう。
情報収集の目的が決まっていない
目的が曖昧のまま闇雲に情報を集めても、情報が統一されず結果的に何にも使えない情報が集まってしまいます。全ての仕事は「利益を上げること」を目的としており、情報収集はそのための「行動」を決めるための意思決定に役立てる必要があります。情報そのものが利益に繋がらなくとも、正しい意思決定ができるように目的を定めましょう。
情報の整理ができていない
収集した情報はたいていカテゴリーや用途がバラバラの状態であるため、必要な情報を抜き出すことが困難です。情報をカテゴリーごとに整理することでアウトプットする際に使いやすくなります。また、情報を整理することで自分の頭の中を整理することにも繋がり、その情報への認識も深めることができます。
情報収集5つのコツ

情報収集する前に明確な目的を定める
情報収集の主な目的は「知識のため」と「意思決定のため」です。情報収集する前に、「どんな」知識のためか、「何を」意思決定するためかを明確にする必要があります。特に意思決定の際に用いる情報は企業の利益に繋がる重要なものなので、特に詳細に目的を定めましょう。
情報の全体像を把握する
情報を集める際に、情報の詳細を端から端まで読み込むと時間がかかってしまいます。タイトルや見出し、必要なキーワードを含んでいる箇所だけを読み取り、全体像を把握してその情報が必要かどうかを見極めましょう。
なるべく新しい情報を集める
情報は日々更新されています。特にインターネット上にある情報はデータとして古い可能性があります。投稿された日付や、参照された情報源が最新のものであるかどうかを確認しましょう。数年経っている情報の場合、最新のものがないか再度確認する必要があります。
情報が事実か意見かで分ける
集めた情報が全てデータや研究に基づいた事実であるとは限りません。情報を発信している人の個人的な意見である場合、それを鵜呑みにしてしまうと正確な判断を出すことはできません。情報が意見であった場合、参考程度として認識しておくとよいでしょう。
多くの有益な情報を比較、分析する
ひとつの情報源だけでは、情報が偏りがちです。複数の情報源から必要なものを多く収集し、比較、分析することでその情報の信憑性を高め、より有益な情報として利用できます。この段階でも、不要な情報があると正確な比較、分析ができないので注意が必要です。
情報収集におススメのツール
Googleアラート
Googleアラートとは、キーワードを設定しておくと、そのキーワードに関する最新情報がGoogle上にあがってきた際にメールやRSSに通知してくれる機能です。Googleが提供している機能のため、Googleアカウントさえあれば誰でも無料で使うことができます。自動で必要な情報のみを収集できるため、毎日検索ワードを打ち込んで検索する必要がなくなります。
Inoreader
InoreaderとはRSSリーダーのひとつでWebサイトの新着情報をまとめてチェックすることができます。Googleアラートと連携することもできるため、必要な新着情報が上がった際にInoreaderで一覧して確認することができます。
Pocketは検索して気になった記事等を保存して後から確認することができるアプリです。ブラウザではなくアプリ上に保存することができ、オフラインでも読むことができます。音声読み上げ機能もあるので、移動中に情報収集することも可能です。
まとめ
情報収集はあくまで利益を上げるための業務を決定させるためのひとつの道具です。しかし同時に、継続して行う必要がある重要なフローのひとつです。競合企業の継続的な情報収集など業務の一環として情報収集が必要な時もあるでしょう。そのように決まったWebサイトをずっと監視する時には「スクレイピング」も有効的な情報収集手段です。「情報収集のコツ」にもあるように、目的を持って、多くの情報を収集し、比較分析するために一番効率的な手段を選びましょう。