
Webサイトの運営に携わった経験のある方なら、「クローラー」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。クローラーとは、検索エンジンを巡回し膨大な数のWebサイトの情報を収集する仕組みだ、という認識が強いですが実はその他の側面もあるのです。
本記事では、そもそもクローラーとは何か、その重要性や2種類のクローラーについて、クローリングのメリットについて解説します。
クローラーとは?なぜ重要なのか
クローラーとは、「這い回る」を意味する「crawl」という英単語が由来となってできたbotであり、検索エンジン(※1)を巡回し膨大な数のWebサイトの情報を収集することで、Webサイトの検索順位を決める役割を担います。
代表的なクローラーといえばGoogleを巡回している「Googlebot」ですが、検索エンジンごとに違う名称のクローラーが存在します。
クローラーがWebサイトを定期的に巡回することで、検索エンジン上に正しく専門的な情報が掲載されたページが上位に表示されます。検索ユーザーにとって検索エンジンが使いやすいものとなるためにはクローラーの存在が欠かせません。
もしもクローラーが存在しなければ、検索エンジン上に情報が不確かな怪しいサイトが溢れてしまい、検索エンジンとしての使い勝手や信用性が失われてしまうでしょう。
また、検索エンジン上で特定のWebサイトを上位に表示させ、流入を増やすために行う施策のことを「SEO対策」と呼び、多くのWeb担当者が自社のサイトの流入を増やすために、SEO対策を行っています。
検索エンジンとクローラーは密接に関わっているため、クローラーを正しく理解するためには、検索エンジンがどういう仕組みなのかも覚えておく必要があるでしょう。
クローラーの種類
クローラーと聞くと、前述したような検索エンジンのシステムに組み込まれたクローラーがイメージされがちですが、実は2種類のクローラーが存在します。それは「検索エンジン用クローラー」と「Webクローラーツール」の2種類です。
検索エンジン用クローラー
「検索エンジン用クローラー」は、検索エンジンのシステムに組み込まれたクローラーであり、Googlebotなどがその代表例です。
Web上に公開されているサイトのリンクを辿って巡回を行うことで、サイト内のテキストや画像のデータを蓄積し、検索エンジンの順位を決めるマスターデータとしての役割を担っています。
Webクローラーツール
「Webクローラーツール」は検索エンジン用のクローラーとは異なり、Webサイト上のあらゆるデータや情報を抽出して抜き出す仕組みです。
またWebクローラーツールを活用し、Webページ上の特定のHTMLやPHPなどの情報を収集・保存する技術のことを「クローリング」と呼びます。
クローラーにうまくサイトを判断してもらうための工夫
Webサイト内にいかに正確で専門性の高い情報が掲載されていたとしても、クローラーにその情報が正しく認識されなくては検索エンジンで上位に表示されることはありません。
そこで、クローラーにサイトをうまく判断してもらうためにできる4つの工夫を紹介します。
XMLサイトマップを作成し検索エンジンに登録する
まずはWebサイト内に含まれる全てのページのURLを記載した「XMLサイトマップ」を作成し、検索エンジンに登録しましょう。
XMLサイトマップにURLを記載することで、クローラーが漏れなくサイト内の情報をクロールできます。新規でページを公開した際も、忘れずにXMLサイトマップにURLを追記していきましょう。
サイトの構造は3階層までにする
Webサイトの構造は、どれだけ深くても3階層までにしましょう。
サイトの構造が4階層以上で構成されている場合、クローラーが最下層まで正しくクロールできないケースがあります。全てのページを漏れなくクロールしてもらうためにも、トップページから少ない導線で辿り着けるようなサイト設計が大切です。
ページ同士を内部リンクでつなげる
クローラーはWebページ内に含まれるリンクを辿ってページ同士を巡回するため、内部リンクでつながっていないページはクロールできません。そのため、Webサイトのページ同士を抜け漏れなく内部リンクでつなげるようにしてください。
サーチコンソールでクロールをリクエストする
Webサイト内で新規でページを公開した場合、何もしなければクローラーはすぐには巡回してくれません。クローラーになるべく早く巡回してもらうためには、「Googleサーチコンソール」を利用して公開したページのクロールをリクエストすることで、優先的に巡回してくれます。
クローリングのメリット

SEO対策を行う上で、クローラーの巡回を促進する工夫は大切ですが、Webクローラーツールを活用しクローリングを行うことで、SEO対策以外の面でもメリットが存在します。
大量のデータを一気に取得できる
Webページに含まれる電話番号や住所などといった情報を人力で収集しようとすると、とてつもない手間と労力が発生するため、収集できるデータの量には限りがあります。
そういった場合にクローリングを活用することで、一度設定してしまえば人の手がかからずに大量のデータを短時間で取得できるのです。
業務を効率化できる
クローリングを活用することで、情報収集業務の効率を大幅に改善できます。
APIやAIと連携してクローリングを行うことで、ポータルサイトに含まれる最新のマスターデータを自動で更新するといったことも可能になるのです。人力で情報収集を行う場合と比較すると、業務効率の差は歴然となるでしょう。
まとめ
Webサイトの運営を行う上で、クローラーの働きを理解することは必要不可欠です。また、Webクローラーツールを活用してクローリングを行うことも、情報収集業務には欠かせません。
しかし、クローリングは著作権などの法的問題に加え、ツールのみでは求めている情報を取得できない可能性があります。自社での実施が難しい場合は、専門の企業に代行することも可能です。
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