
最近猛威をふるっている新型コロナウイルスは、さまざまな業界の働き方に影響を与えています。その一つが営業であり、対面の営業からオンライン営業へと移り変わっているのです。しかし、オンライン営業になってから今までのように営業が上手くいかないと悩んでいる企業の方も多いでしょう。オンライン営業だからこそ、データに基づいた営業が非常に重要です。
そこで今回は、オンライン営業で重要になるビッグデータについて、必要な理由と活用方法をご紹介します。
目次
営業におけるビッグデータとは?
営業におけるビッグデータとは、顧客へアプローチするときに役立つデータのことです。ビッグデータには顧客の属性情報、行動履歴などのさまざまなデータが含まれています。ビッグデータは、PDFで書かれたものやエクセル形式のファイルも対象です。また、対象のデータはビッグデータ用のデータベースに格納することで活用できる状態になります。
ビッグデータを活用することで、どのタイミングで顧客へアプローチするのか、顧客が求めているニーズを理解できるようになるのです。
営業にビッグデータの活用が必要な2つの理由

中小企業では、以下にある2つの理由からビッグデータの活用が必要とされています。
- 組織全体の情報共有
- アプローチ精度の向上
それぞれの理由を解説しましょう。
理由①:組織全体の情報共有
1つ目の理由は、組織全体で精度の高い情報が共有できるからです。ビッグデータを組織全体で共通のプラットフォームから閲覧ができるようにすれば、情報共有をスムーズに行えます。
例えば、20代男性に対してどういうアプローチをすべきか考えるとしましょう。アプローチをするためにはビッグデータを収集し、分析した結果ではその属性にどのようなニーズがあるのか等が分かります。
分析結果を組織全体で共有しておけば、20代男性に対して効果的なアプローチを組織全体でおこなえる状態になるのです。
組織全体で情報共有がされることで連絡ミスによって生じる非効率な作業も防げるため、担当者の負担も軽減されます。
理由②:アプローチ精度の向上
2つ目の理由は、顧客へのアプローチ精度が向上するからです。ビッグデータを活用することで、見込み顧客の情報を明らかにしたり、アプローチすべきタイミングが明確化されたり、効果的なセールストークに役立ちます。
例えば、複数の顧客に対してWebによる宣伝、広告や電子メール送信を行ったとしましょう。アプローチされた顧客は、全く興味がなければ一切アクセスすることもありません。
しかし、少しでも興味を持っていれば対象のリンク先にアクセスし、しばらくはWebサイト上に滞在するでしょう。
成約まで至らなくても、何らかのアクションを起こした顧客が見込み顧客となります。顧客へアプローチするときには、少しでも興味を持っている見込み顧客へのアプローチが効果的です。顧客データをできるだけ多く集めて分析することで、何に関心があるのかや深層心理を知ることができ、アプローチの精度は各段と上がります。
営業活動に必要なデータドリブンとは
営業活動では、データドリブンの考え方が重要です。データドリブンとは、ビッグデータをもとに分析した結果を企業の経営戦略や意思決定に役立てる考え方です。
営業は企業の売上に関わる重要な部署になるため、データドリブンの考え方を取り入れることで企業全体の利益向上につながります。
最近では、オンライン営業が当たり前の時代となってきたため、今まで以上にデータドリブンが求められています。
直接会うことでの対面営業は、熱意を見せたり、何度も足しげく顧客のもとに通うことで信頼関係が構築されやすいというメリットがあります。契約内容と同時に営業担当者の人柄で成約率をカバーできていた部分もあったでしょう。
しかし、オンライン営業に移り変わってからは人柄以上に顧客が求めているサービスであるのかが重要です。オンライン営業で苦戦している企業は、データドリブンの考え方を導入した営業を行っていきましょう。
営業のビッグデータを活用するデータドリブン実践方法

データドリブンを実践するには、以下の取り組みが必要です。
- サービスの活用
- インフラの構築
- 意識改革
サービスの活用
ツールにはさまざまありますが、データドリブンにおいて重要になるのはビッグデータを収集・分析・可視化できるツールです。
営業でよく使われているツールとしては、
- MA(マーケティング・オートメーション):マーケティング活動の自動化・効率化
- SFA(セールス・フォース・オートメーション):営業活動の自動化・効率化
- CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント):顧客管理の自動化・効率化
などが挙げられます。
導入するときにはツールごとの役割を理解し、自社の運用に合うものを選定しましょう。
インフラの構築
インフラの構築では、ビッグデータで可視化した情報を時間や場所に問わず閲覧できる状態にしておくのが大切です。
最近はリモートワークの普及により、出社せずに作業をする機会が増えましたが、社内情報を社外で閲覧できない状況では業務に支障が出てしまいます。
そのため、社外からでもアクセスできるように社内情報をクラウド化する必要があるのです。その際、特定のデバイスでのアクセスだけを許可するといったセキュリティ対策も合わせて実施しましょう。
意識改革
データドリブンを実践できる環境が整ってからは、企業全体で活用していく意識を持たなければなりません。
社内環境の変化を意識付けするためには、企業内でデータドリブンの活用に関する指針を明らかにしたり、定期的な啓蒙活動をおこなったり、社内の導入事例などを紹介するのが効果的です。
担当者だけではなく、経営層を含めた企業全体の意識改革を進めることで、データドリブンの考え方が浸透しやすくなるでしょう。
営業ビッグデータを活用するときの注意点

営業のビッグデータを活用するときには、以下の注意点があります。
- コストがかかる
- 人材育成が必要
- 業務プロセスの改善が必要なことも
コストがかかる
営業でビッグデータを活用するためには、ツールやインフラ構築などが必要で、導入にあたってコストがかかります。
コストは金銭的なコストだけではなく、導入に必要な人員的コストもかかってくるでしょう。一度に全てを導入するのではなく、少しずつ導入を進めていき、費用対効果を見極めるのが重要です。
人材育成が必要
ビッグデータを扱うにあたり、データに関する専門的スキルを持った人材が必要です。ビッグデータを活用するには、膨大なデータを蓄積するデータベースの構築やデータを取り込むための仕組み作りが求められます。
専門的なスキルが必要となるため、社内で人材育成を進めていくか、予算に余裕がある場合は外注するのも一つの手段です。
ただし、外注する場合でも内製化するための準備や環境を整え、完全内製化に移管するようにしましょう。
業務プロセスの改善が必要なことも
ビッグデータを活用するにあたり、現在おこなっている業務プロセスの改善が必要になるケースもあります。特に、データを蓄積する部分やデータを参照する部分のプロセスは大きく変わるでしょう。
例えば、いつもなら何もせずに取引を進めていたところ、取引データをCSVで出力してデータベースに取り込むなどの作業が必要になるケースです。
業務プロセスの改善は作業者に大きな負担となる場合もあるため、段階的に進めていく必要があります。
営業のビッグデータ活用は顧客へのアプローチを最大化できる

今回は、オンライン営業で重要になるビッグデータについて、必要な理由と活用方法を解説しました。
営業におけるビッグデータの活用は社内全体の情報共有につながり、担当者の負担を軽減したり顧客へアプローチするタイミングを明確化できます。
企業内の営業に上手くビッグデータを活用できていない場合は、この記事を参考にビッグデータの活用を検討していきましょう。