
インターネットの普及により、各メーカーが製造する商品が消費者の手に渡ると、その利便性や満足度がインターネット上で評価されるようになりました。さらに、消費者はインターネットで実際に購入した人のレビューを確認し、商品を購入します。そのため、メーカー側が自社商品のレビューを確認して分析することは、必ずおこなわなければならない工程です。
この記事では、BtoCメーカーに絞って、レビューデータの収集から効果測定、さらに、商品の改善や新規商品の検討材料として、データ分析の方法を紹介します。
製品販売メーカーは自社商品のレビューを注視すべき
消費者は、インターネットやSNSのレビューを参考にしてから商品の購入に至ります。商品によっては、不具合が見つかり炎上してしまうこともあり、場合によっては回収をしなければいけません。不具合はなくとも、商品に対して消費者の満足度が低い場合には、改善をしていくことも必要です。BtoCで製品販売をおこなっているメーカーは、消費者からのレビューを確認することが重要だといえるでしょう。
消費者の動向はデータ収集で分析できる
消費者のニーズや動向は、データ収集をすることで分析ができます。インターネット上に投稿されている感想や評判などのデータは、メーカーにとっては大事な資料です。
データを収集・分析することで、消費者のニーズや動向を把握し今後の商品開発にも活用できます。
商品レビューを調査する3つのステップ
ネット上にある商品レビューを調査するには、きちんとしたステップを踏んで分析していく必要があります。商品レビュー調査の3つのステップは以下の通りです。
ステップ1
商品レビューのテキストを収集するステップ2
レビューをジャンル分けして消費者のニーズを把握ステップ3
商品の改善をして販売後に再度効果測定それぞれのステップを詳しく解説します。
商品レビューのテキストを収集する
最初のステップは、商品レビューのテキストを収集することです。商品に対する消費者の感想は、SNSや口コミサイト、ECサイトなどに投稿されます。収集すべきテキストは、自社が開発した商品と共に、競合他社の同種の商品へのレビューの2種類です。SNSにあるレビューは流れやすく、ECサイトにも大量のレビューが書き込まれているため、正確な商品レビューデータを取得するのは、時間と手間がかかってしまいます。
レビューをジャンル分けして消費者のニーズを把握
ステップ1で収集したテキストデータは、そのままでは分析することができません。
商品レビューデータは意見があり過ぎて分析が難しいため、ジャンル分けをおこなって分析のしやすい形態に変換します。ジャンル分けは、データ分析の目的に合わせて設定すべきですが、たとえば「ポジティブとネガティブ」「消費者のニーズや不満な点」などを洗い出すことを念頭に置きましょう。さらに、「商品の価格」「機能」「デザイン」などの商品の改善すべき点についてのレビューは、それぞれ分けて分析します。
商品の改善をして販売後に再度効果測定
データの分析が終了して消費者のニーズや動向が確認できれば、自社商品の改善や新規商品の開発に着手できます。自社商品を改善した後もデータ分析は継続しておこないます。そうすることで、改善前の商品とのレビューの変化を比較して、改善の効果が出ているか確認できます。
商品の販売後の効果測定は、常に繰り返しおこなうべきです。データ分析と改善の繰り返しが、消費者のニーズをくみ取りヒット商品を生み出す方法だからです。
商品の改善・開発に必要なデータ
先にお話ししたとおり、データ収集はデータ分析において最初のステップですが、難易度が高いのも事実です。自社商品の分析に必要なレビューデータは多様なところにあります。
データを収集する際には、収集する場所をあらかじめ決めておけば、レビューデータ収集後の工程も楽になります。特に以下のデータが役立つと考えられます。
- 自社サイトの訪問者行動データ
- SNSや口コミサイトから商品を購入した消費者のレビュー
- ECサイトに寄せられたレビュー
自社サイト訪問者行動データ
消費者に商品を販売するメーカーの多くは自社サイトで情報発信や商品販売をしています。自社サイトにアナリティクスツールを導入することで訪問者の属性データを収集できます。また、どのような検索ワードで自社のサイトに辿り着いて、どのような経路で購入にまで至ったかも把握可能です。自社サイトや販売用のECサイトは、広告宣伝や販売だけではなくデータの収集としても活用できます。
SNSや口コミサイトから商品を購入した消費者のレビュー
消費者は商品の感想をSNSや口コミサイトで発信しています。特にSNSは、個人的に使用されていることが多いため、忖度なしの声を聞くことができます。自社製品についてだけではなく、競合他社が販売している同種の商品の感想も参考にして商品の改善を計画することもできます。また、SNSは自社から公式に情報発信することが可能なので、直接意見を募集することもできます。SNSの種類によっては、データを販売しているところもあるので、自社でSNSデータ収集が難しい場合にはそのような業者を利用するのもひとつの手です。
ECサイトに寄せられたレビュー
Amazonや楽天市場などの大手ECサイトには、購入者からのレビューが多く寄せられています。こういったレビューもテキストデータとして収集して分析できます。ただし、ECサイトに寄せられるレビューの量は多く、中にはサクラレビューもあるためデータ収集も注意しながらおこなわなければいけません。
スクレイピングでデータ収集
SNSや口コミサイトのレビューデータ収集は、人手で行うには難しいため、スクレイピングで一括収集する方法も一つの手です。これらのWebサイトからのスクレイピングは取捨選択の難易度が高く、専門的な知識が必要です。自社でスクレイピングの知識がない場合、スクレイピングをおこなうツールもありますが、うまく収集できなかったり、場合によっては法律に触れる危険もあります。
また、スクレイピングを専門としている企業もあります。専門の会社に委託すれば、リスクを犯すことなく分析に適したデータを受け取れます。データ収集に時間をかける必要も無いので、新規の商品開発や既存商品の改善に集中することができます。
新着レビューはツールでいち早くチェック
口コミサイトのレビューは毎日ではなく、時々追加されることが多いものです。その時々のために毎日複数の口コミサイトをチェックするのは大変でしょう。そんな時はWebサイト監視ツールで変化があったときのみお知らせしてもらうのもひとつの手でしょう。Webサイト監視ツール「TOWA」は特定のWebサイトを登録するだけで、24時間365日監視してくれるため、そのWebサイトに変化があった際に通知してくれます。また、Webサイト内の特定箇所やキーワードも設定することができ、例えばネガティブなキーワードを設定しておけばネガティブな口コミがあった際に素早く対応することが可能です。
インターネット普及後の行動モデルとして、消費者は商品を購入する前にSNSや口コミサイトで評判を確認するため、その評価は売上にも影響します。そこで商品開発をおこなうメーカーは、購入者の感想やレビューを参考にしてより消費者に近い視点で改善と新商品の開発をすることができます。レビューデータは、SNSや自社サイト、ECサイトから収集できます。 ただし、テキストデータの収集は、専門的な知識が必要であり難易度が高いです。データ収集に手間や時間がかかってしまうと、商品開発や改善の実務に集中できなくなります。データの収集はスクレイピングを専門にしている会社に委託して、商品開発や改善に集中しましょう。
まとめ