
2022年の5月12日から「ものづくり補助金11次公募」が開始されました。「ものづくり補助金」は、日本政府が中小企業のDX化を補助金として支援してくれる制度です。「ものづくり補助金」を有効活用すれば、新規事業のための資金調達ができて事業の進捗を早めることも可能です。
この記事では、新しい事業や生産プロセスの改善に活かせる「ものづくり補助金」の申請方法と注意点を徹底解説します。また、どのような事業が実際にものづくり補助金を採択されたのかも併せてご紹介します。新たな企画や事業のための資金調達を考えている方や、政府の補助金を利用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
ものづくり補助金とは?
そもそも「ものづくり補助金」は、日本政府が資金力の足りない中小企業や小規模事業者向けにおこなう補助金支援のことです。正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、通称「ものづくり補助金」です。革新的なサービス開発や試作品の開発、生産プロセスの改善のための設備投資などに適用されます。
日本政府には、日本国内企業のDX化と中小企業の活発化、従業員の給料のベースアップをする意図があります。「ものづくり補助金」は、この日本政府の意図を具体化したものだと言えます。
ものづくり補助金の対象企業
「ものづくり補助金」が支援する対象としているのは、中小企業や小規模事業者です。
注意しておかなければいけないのは、申請する時点で既に事業を開始していることも条件であることです。また、企業規模が「ものづくり補助金」の定める条件を満たしている必要もあります。さらに、日本政府の従業員賃上げの意図もあり、事業の収益によって賃金の引き上げ計画を従業員に表明していることも支援対象となるための条件です。
ものづくり補助金11次の申請枠
2022年に開始された「ものづくり補助金11次公募」では、従来の「通常枠」「グローバル展開型」に加えて、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」が新設されました。
「ものづくり補助金」という呼び名から、支援の対象が製造業などに限定されてしまうイメージを持っている方もいますが、それは間違いです。「ものづくり補助金」が適用されるのは、製造業だけではなく、サービス業や情報処理サービス業、小売業なども含んでいます。新設された「デジタル枠」もあるため、DX・IT関係の事業も採択されやすくなりました。「ものづくり補助金」は、3ヶ月から4ヶ月に1回のペースで更新されます。定期的に補助金情報を公式ホームページで確認することも大事です。
ものづくり補助金の補助金額
「ものづくり補助金」では、どの程度の金額を支援してもらえるのでしょうか。「ものづくり補助金」の補助金額は、申請枠と会社の規模によっても異なりますが、最大3,000万円もの補助を得られることもあります。「ものづくり補助金」の金額を表にまとめましたので、こちらを参考にしてください。



(参考:ものづくり補助金事務局)
「ものづくり補助金」を申請する前には、事業の計画と照らし合わせて補助金額を確認すべきです。補助率も確認して、補助金で賄える金額を活用しましょう。
ものづくり補助金申請から採択までの流れ
「ものづくり補助金」を得るためには、申請をしなければいけません。申請から採択までのおおまかな流れは以下の通りです。
- 事業計画書の作成
- ものづくり補助金の申請
- 審査と結果通知
事業計画が採択された後も、事務的な手続きをする必要があります。採択後の流れは以下の通りです。
- 採択後の説明会出席
- 補助金交付申請と交付の決定
- 中間監査
- 補助事業実績報告
- 確定検査
- 補助金の請求
- 補助金の交付
ものづくり補助金の採択を受けるためのポイント
「ものづくり補助金」を申請すると、担当者による審査に入ります。なるべく審査に通るようにするためのポイントは以下の2点です。申請時に提出する事業計画書にプラスアルファとして反映させてください。
- 加点要素への言及(成長性加点、政策加点、災害等加点、賃上げ加点)
- 革新性や独自性
「ものづくり補助金」には加点要素が用意されています。上記に挙げた加点要素に言及することは、審査に通り採択される確率を上げるためにも重要です。事業内容を説明するとともに、競合他社との差別化もはかりましょう。もし事業計画書を製作している際に分からないことがあれば、補助金を専門にしている方や既に採択を受けている経験者に相談してみるのもひとつの手です。
ものづくり補助金×DXやITにおける採択例
「ものづくり補助金」では、どのような事業がこれまでに採択を受けたのでしょうか。ここからは、具体的な事例を紹介します。実際に採択を受けて事業を進行している事例を研究して、自身の事業と比較してください。
今回はDX化やITにおける採択例を3つ取り上げています。もちろん、それ以外にも採択例は沢山ありますので、「ものづくり補助金」のホームページなどを参考にしてください。
クラウド型生産管理システム【ASPACクラウド.com】
ASPACクラウドは、(株)アスコット・(株)アイエルエス・(株)イースクラム・コンピュータサイエンス(株)の四社合同で開発されたシステムです。
ものづくり補助金を活用して、生産管理のシステムを統合し、スムーズな管理ができる仕組みを提供するサービスを提供しました。工場などで生産管理をするにしても、その過程は複雑です。販売管理から生産管理、そして購買管理まで、すべてのプロセスを可視化と分析をして生産量を決定しなければいけません。ASPACクラウドは、販売・精算・購買のプロセスをすべて一つのシステムに統一して管理します。データも自動でバックアップ。クラウド型のシステムなので、サーバーの管理者を設置する必要はありません。蓄積されたデータによって、過不足ない生産管理も可能です。
(参考:ASPACクラウド.com)
介護人材マッチング・シェアリングプラットフォームの構築・運用【さくらCSホールディングス株式会社】
さくらCSホールディングスは、ものづくり補助金を活用し、高齢化社会への対応な介護用のアプリを開発。
介護保険施設や事業所に保管する介護記録を、すべてアプリ内で完結させます。この介護アプリによって、記録を入力する時間を大幅にカットして、入力されたデータも統一された状態で保管されます。多言語機能も搭載されているため、海外からの実習生でも操作は簡単。蓄積されたデータによって、個人の介護方法も把握できますし、将来の介護業界の方向性も革新的に変更可能です。
(参考:さくらCSホールディングス株式会社)
データ収集と分析・セキュリティを自動化させるシステム開発【インディゴデータ】
インディゴデータはものづくり補助金を活用して、データ収集と分析、セキュリティを自動化させるシステム開発を目指しています。
DX化が進行して企業や個人のあらゆるシステムが、ネットワークに接続しています。ネットワークに接続していることは、外部からのサイバー攻撃を受けるリスクにさらされることでもあります。サイバー攻撃からシステムやデータを守るためのセキュリティーシステムを開発。さらに、セキュリティーシステムの自動化によって、専門の管理者を準備する必要がありません。データを自動で収集するため、システムに対して脅威となるメールやアクセスを自動検知します。
ものづくり補助金のまとめ
「ものづくり補助金」は、中小企業や小規模事業者を支援するために政府が補助金を支援する制度です。既に事業を開始している会社の方は、資金調達の方法の一つとして活用できます。「ものづくり補助金」を得るためには、作成した書類を提出し、採択されなければいけません。審査を通過するためにも、事業内容の革新性や独自性、従業員の給料を向上させる将来のビジョンを事業計画書に組み込んでいく必要があります。また、採択を受けるために、実際に「ものづくり補助金」を活用して、事業を進行させている方の生の声を聞くことも参考になります。
弊社インディゴデータでも「ものづくり補助金」を申請しました。そして、見事採択されて、現在は順調に事業計画が進行中です。そんな、経験者のインタビュー記事も掲載しています。これから「ものづくり補助金」を申請する方に対して、有益なアドバイスをすることができます。また、インディゴデータはデータスクレイピングサービス「PigData」を提供しています。事業計画の中でデータの収集や分析が必要な場合は、PigDataにご相談ください。