
「ものづくり補助金」は、政府主導によって中小企業や小規模事業への支援をおこなう補助金です。資金調達の一つの方法であり、上手く活用できれば大きく事業を拡大することができます。ただし、「ものづくり補助金」を受け取るためには、事業計画書などの各種申請書を提出し、採択を得なければいけません。今、「ものづくり補助金」で資金調達をしようと考えている方の中には、採択されるのか不安を感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、弊社が実際に「ものづくり補助金」を申請して採択を受けるまでをインタビュー形式で紹介します。
※「ものづくり補助金」に関する細かい情報は、こちらの記事を参考にしてください

本日インタビューさせていただく近江さんです。よろしくお願いいたします!
まずは、近江さんのプロフィールをお聞かせください。

皆さん、はじめまして。私は、現在インディゴデータに所属しています。インディゴデータはビッグデータの活用を推進するサービス、PigDataを提供している会社です。現在、私は、顧客提案や社内の開発業務などを行っております。今回は「ものづくり補助金」に関するインタビューということで弊社の経験が皆様の参考になればと思っています。よろしくお願いいたします!
目次
ものづくり補助金の申請日と申請目的などの概要

それでは早速、「ものづくり補助金」について詳しく聞かせてください。近江さんが申請したのはいつごろですか?また、採択されたのはいつごろですか?

私が申請したのは、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の8次募集「一般型」でした。2021年11月1日に申請して、採択は2022年1月12日でした。つまり、申請から採択までに約2ヶ月かかっています。実は、採択後も事務的な作業が必要で、交付申請をおこなわなければいけません。採択後交付申請をおこなって、同じ年の2月21日に補助金が交付されました。
ものづくり補助金申請の背景は?

近江さんは「ものづくり補助金」を申請して無事に採択されたということですね。それでは、「ものづくり補助金」を申請しようと考えたきっかけや動機などの背景を教えていただけますか?

自分自身で新規事業のアイデアがあって、はじめてみたいと思ったのが動機です。もちろん、会社から資金を出してもらうことも考えましたが、自分が考えた新規事業なので難しいと思いました。そのため、自分で資金調達をおこなうことを決断しました。資金調達の方法は色々とありますが、政府主導の補助金であり安心感のある「ものづくり補助金」を選択しました。

確かに政府主導の補助金だと安心感がありますね。近江さんが「ものづくり補助金」を申請したきっかけが良くわかりました!

良かったです…!
また、これは弊社の事業に関わることなのですが、現在、弊社ではサブスクリプションサービスが無いため定期的な収益を得られていないという問題があります。SaaSを構築することで、サブスクリプションサービスを提供し、定期的な収益の確保を目指すことも念頭に置いています。
近江さんが申請したものづくり補助金の枠

近江さんが申請したのは、ものづくり補助金の第8次募集で、「一般型」だったということでした。ものづくり補助金は会社の規模や従業員数によって補助金の額が異なると聞いています。近江さんの会社の規模や従業員数ではどのような枠でしたか?

その通りです。私は「ものづくり補助金8次募集」の「一般型」を申請しました。8次募集では「一般型」と「グローバル型」の2種類がありましたが、私は「一般型」を申請しました。募集時によって補助金額や条件は変化するので、きちんと確認してから申請することがポイントです。8次募集では、従業員数などは関係なく「一般型」であれば、100万円~1,000万円の補助額でした。

なるほど…。
実際に「ものづくり補助金」を検討する際には、補助金額や条件のこまめなチェックも重要なのですね。

そうですね。
ちなみに、私が作成した事業計画書の必要経費見積もりが約1,600万円だったのですが、約1,000万円の補助金を交付してもらいました。残りの約600万円は会社のインディゴデータから予算を得ることができました。

約1000万円…!!新規事業の立ち上げの際にはとても助かりそうですね。
少しディープな面もお答えいただきありがとうございます!
(参照:ものづくり補助金8次募集の「一般枠」)
ものづくり補助金の書類作成時に気をつけた部分は?

今現在、「ものづくり補助金」の申請をしようと考えている方の中には、採択されるかどうか心配な方もいらっしゃると思います。ものづくり補助金の書類作成時に気を付けていた点はありますか?

読者をITの知識が無い人と設定して書類を作成するように心がけていました。専門用語を抑えて、グラフや図を使用することで感覚的な理解が得られるように工夫することも大事です。言葉だけだとなかなか理解できない部分も、視覚的に訴えることで説明しやすくなります。
申請時に参考になる資料やサイトは?

近江さんが申請時に参考にした資料やサイトはありますか?

事業計画書やその他の手続き上必要な書類を作成する際に、最も大事な資料は「ものづくり補助金」の公式サイトにある「公募要領」です。この「公募要領」は第一次情報ですので、他のサイトやSNSでの解説を見る前に何度も読みかえすべきです。pdfファイルで30ページ弱ありますが、きちんと読み込んでおかないと審査を通らない場合もあります。

pdfファイルで30ページ弱…。
重要なことはわかりましたが、初めて申請する際には読み込めるか少し不安ではありますね。

そうですよね。資料を製作しているプロセスで分からないことがあれば、直接担当者に聞くことも可能です。「公募要領」に連絡先も記載されているので、担当者に直接聞いてみるといいかもしれませんね。
申請時の事業計画書のボリュームは?

申請時の事業計画書についてより詳しく質問させてください。事業計画書の資料のボリュームなどを具体的に教えていただけますか?

事業計画書はA4サイズで10枚がベストだと思います。私は、このボリュームを目標として作成しました。A4サイズで10枚だと、読む人にとって長すぎず短すぎず丁度よいと思います。「ものづくり補助金」を申請する人は多く、読むほうもかなり多くの事業計画書を読まなければいけません。あまり多すぎると読むのが大変ですし、短すぎても内容を吟味できない可能性があります。
ものづくり補助金でおこなうビジネスの内容

採択されるまでに様々な難関もある中、どのようなサービスであれば「ものづくり補助金」に採択されやすくなるのでしょうか?

私も「ものづくり補助金」の担当者ではないので、実際のところはわかりませんが、私は申請時に、事業内容の革新性や独自性があることを強調しました。そして、事業に将来の成長性があり、競合他社やこれまでのサービスとの違いを強調することもポイントです。

なるほど…!近江さんが「ものづくり補助金」を利用しておこなう事業の内容も今までのサービスとは異なる面もあるということですね。
今回の補助金によって進めている事業はどのような内容でしょうか?

私が進めている事業は、簡単に言えばシステムへのサイバー攻撃を撃退するセキュリティーサービスの構築です。リモートワークの広がりや、DX化の推進によってあらゆるシステムがネットワークに接続しています。このことは、サイバー攻撃を受ける可能性も上がってしまうデメリットも含んでいます。システムのセキュリティーシステムを構築することは、個人でも企業でも課題です。

セキュリティシステムの構築が重大なのはわかりましたが、なんだか少し難しそうですね…。

そうですね。セキュリティーシステムの管理をおこなう人材を用意するとなると、人件費が高額になってきます。しかも、サイバー攻撃の方法は日々更新されているため、人間がすべてを把握することは不可能です。

ふむふむ…。

そこで、私が考えているのが、セキュリティーシステムを自動化して、人間による業務を軽減させるサービスです。さらに、脅威データの収集・分析・可視化をおこない、レポートによるアラート機能を搭載させます。セキュリティー、自動化、データ収集と分析を掛け合わせて、これまでに無い革新的で有益なサービスを提供します。

近江さんの申請した事業内容も、革新性や独自性が溢れていることがわかりました!ありがとうございます。
ものづくり補助金を採択された近江さんから、これから申請を考えている方へのメッセージ

近江さん、本日はありがとうございました。最後に、これからものづくり補助金の申請を考えている方へメッセージをお願いします。

資金調達の方法はさまざまにありますが、「ものづくり補助金」は一つの方法としておすすめです。政府が主導しているため安心感が持てますし、きちんとした事業計画書を作成すれば採択率は高いです。採択された場合は、補助金採択企業や事業としてPRすることもできます。
もし採択されなかった場合でも、「ものづくり補助金」は更新されています。私が採択されたのは8次応募ですが、2022年6月現在ではすでに11次募集です。何度でも申請は可能なので、事業計画書をブラッシュアップしながら何度でも申請するといいでしょう。事業計画書をブラッシュアップする過程で、事業内容の弱点や欠点が見つかり、解決策を見出せることもあります!
まとめ
「ものづくり補助金」は、政府主導で中小企業や小規模事業を支援する制度です。新規の事業を企画して既に開始している方は、「ものづくり補助金」の申請を検討するといいでしょう。採択されて資金を調達できれば、事業の進行に活用できます。また、事業計画書を準備する段階で、自身の事業に関する説明を客観化してより深く理解することも可能です。
新規事業を企画することは企業の利益をあげるチャンスです。企画や申請は少々大変でも、この機会にDXを取り入れたりすることで、未来の社内環境の改善や新たな顧客獲得にも繋がるでしょう。
DXの導入する小さなスタートとして「PigData」を活用しデータ収集・分析することも「ものづくり補助金」の対象となります。新しい事業を進行しようとしている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
