ChatGPTは、自然な言語でユーザーとの対話が可能なWeb上のAIチャットサービスです。2022年の11月にリリースされたばかりですが、登録者数は2023年2月の段階で1億人を突破しています。人の検索行動自体を変化させる可能性があるため、ビジネスでの活用が期待されています。今回はChatGPTのビジネスに活用する方法を探ります。ChatGPTのビジネス活用に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、大自然言語モデルを基盤にしたサービスで、自然な会話のような対話ができます。使用方法はシンプルで、テキストボックスに質問事項を入力するだけです。質問事項の入力が終わると、ChatGPTが数十秒で回答してくれます。ChatGPTの回答に納得がいかない場合、何度でも質問を繰り返すことができます。質問の度にChatGPTの回答は変化します。
ChatGPTの活用方法
ChatGPTの活用方法ChatGPTは、すでに多くの場面で活用されています。特に、仕事の効率化や翻訳、文章作成の面ではサービスの有用性が実証されています。ここからは、ChatGPTの活用方法として、すでに実践されているものを紹介します。
新規事業の企画書作成
ChatGPTでは、新規事業の企画書作成に活用されています。新規事業の企画書作成をゼロから始めるよりも、ChatGPTで土台を作れば企画書作成にかかる時間を短縮できます。ChatGPTへの一度の質問だけでは、精度の高い企画書は作成できません。しかし、細かい部分まで質問内容を工夫していけば、質の高い企画書も効率的に作成できます。
プログラミングコードの生成
プログラミングコードの生成も、ChatGPTの活用方法の一つです。プログラミングをゼロから始めるのは骨の折れる作業です。ChatGPTに対して、目的とするWebサービスを構築するプログラミングコードの作成方法を質問すると、ChatGPTがコードを提示してくれるので、人間はコードをコピーペーストするだけです。コードにエラーが生じた場合でも、エラー内容をChatGPTに質問することで精度の高いコードを新たに回答してくれます。
文章の生成や修正
文章の作成は、ChatGPTで活用可能なサービスです。伝えたい内容の要点だけをテキスト化してChatGPTに質問するだけで、要点に対する詳しい説明文を作成してくれます。また、人間が書いた文章をそのままコピーして、文法や言葉遣いが間違っている部分を修正させることも可能です。公式文書やビジネス用メールなど、文章の修正はあらゆる場面で活用できます。
Excelの計算式を導入
業務管理でExcelを使用する方は、ChatGPTで計算式の導入をするのに活用できます。Excelを使用する際、計算式を使いこなすと効率的で精度の高い業務管理の仕組みを作れます。しかし、Excelは機能が多く、使用者の意図に沿った計算式を導入するのが難しいというデメリットもあります。ChatGPTにExcelでおこないたい作業の計算式の導入方法を質問すれば、最適な回答をしてくれます。
外国語を翻訳する
ChatGPTは、多様な外国語にも対応しています。もちろん英語と日本語には対応していますので、英語の日本語訳、日本語の英語訳も両方可能です。海外との交渉をおこなう際の文書やメールの作成も、ChatGPTが正確な言葉に直してくれます。そのため、難解な英語で書かれた契約書なども日本語で解読できます。外国語に堪能ではなくても、テキストベースで外国の会社ともコミュニケーションが取れます。
ビジネスで活用されるChatGPT
ChatGPTは、すでにビジネスでも活用され始めています。現段階で活用されている方法を参考にすることで、将来の違った活用方法のヒントになります。すでにビジネスで活用されている事例を紹介します。
英語学習に役立てる-Speakeasy Labs
アメリカの会社Speakeasy Labsは、ChatGPTを用いて英語学習に役立てています。ChatGPTを用いた英語学習アプリ「スピーク」は、日本語版も用意されてすでに利用可能です。人とのコミュニケーションが苦手な方でも気軽に質問ができる利点があります。質問に対する回答も正確なので、従来の英会話スクールに通う必要は無くなります。学習する方のレベルに合わせて、スピーキングのスキルを向上させることができます。
チャットボットを連携させる-チャットプラス株式会社
チャットボットを作成しているチャットボットプラス株式会社は、従来のチャットボットにChatGPTの技術を活用して、返信対応の精度を向上させています。従来のチャットボットは、定型の質問と回答をもって消費者に対応しています。そのため、消費者からのイレギュラーな質問に対して臨機応変な回答をすることができませんでした。ChatGPTを活用することで、これまで解消することができなかった消費者の疑問に対しても対応できるようにしています。このように、オウンドメディアにチャットボットを搭載する際にも、ChatGPTを活用することで、事前に質問と回答のデータを読み込ませる手間が少なくなります。
検索エンジンとの連携-Microsoft
Microsoftは、検索エンジンの「Bing」とChatGPTを連携させています。従来の検索エンジンでは、検索窓にキーワードを複数入力して検索結果から記事を選ぶ必要がありました。ChatGPTと連携した「Bing」のチャットを活用すると、自然言語で質問に対して自然言語による回答を得られます。「Bing」の場合、チャットによる解答だけではなく、従来の検索機能もあります。チャットの回答だけではなく、検索した記事も参考にすることができます。
ChatGPTのみで本を出版-ホリエモン出版
ChatGPTのみで執筆した本を出版する試みもおこなわれています。実業家として有名な堀江貴文さんは、ネット販売する本をすべてChatGPTに書かせています。すでにネット上に本人の本の内容や、語った言葉はデータとして蓄積されています。そのため、本人がどのような主張をするのか質問すれば、ChatGPTが回答することができます。今後は、ChatGPTやAIが執筆した本が多く出版される未来も想像できます。
ChatGPTをビジネスで活用する際の注意点
活用の幅が広いChatGPTですが、ビジネスで使用する際には注意すべき点もあります。ここからは、ChatGPTを活用する際に注意すべき点を紹介します。
ChatGPTの回答が正しい訳ではない
ビジネスでChatGPTを使用する場合に気をつけなければいけないのは、すべての回答が正しい訳ではないということです。ChatGPTによる回答をすべて信用してビジネスで使用してしまうと、重要なデータのズレや認識の違いが生じてしまいます。ChatGPTを使用する際には、きちんと人間が文章内容の確認と吟味をおこなわなければいけません。
ネット上にある嘘や疑似情報が提示される
ChatGPTは、インターネット上にあるデータを基にテキストを生成します。そのため、ネット上に溢れている嘘や疑似情報も、学習して回答することもあります。これらの情報に対してChatGPTは、正誤の判断をすることができません。嘘や疑似情報に惑わされないように気を付けなければいけません。もし嘘や疑似情報をChatGPTが回答した場合は、理由を添えて「good」「bad」を押してから文章によるフィードバックをしてください。ChatGPTがそのフィードバックによって学習し、さらに回答の精度を向上させていきます。
日本語は英語よりもデータが少ない
ChatGPTに日本語で質問する場合、英語で質問する場合に比べて精度が劣ります。ChatGPTは、英語のテキストデータを基に学習しています。英語のテキストデータの方が日本語のデータよりも量が多いため、ChatGPTは英語で活用するのに適したサービスと言えます。正確な情報を得たい場合は、英語で質問する方法があります。英語での質問にはChatGPTが英語で回答しますので、回答をそのままコピーペーストしてChatGPTに日本語訳してもらえます。
文章内容は学習モデルのデータに依存する
ChatGPTの学習モデルは、2021年9月までのデータを使用しています。AIは学習モデルのデータに依存します。そのため、学習したデータが多少古い場合、最新の情報を得ることが難しい状況です。この問題は、ChatGPTを運営しているOpenAI社が今後アップデートを重ねていくことで、改善されていきます。ChatGPTのメインページを定期的に確認し、最新のアップデート情報を確認しながら、どこまで最新の情報が提示されるか把握したうえで使用してください。
ピーク時間には使用が制限される
ChatGPTは、登録者数が増加してピークの時間帯は使用が制限されることがあります。特に9時から17時までの時間帯は、多くの会社がChatGPTを使用しています。そのため、ビジネスで使用したい場合は、有料プランの「ChatGPT PLUS」に切り替えることも検討すべきです。
まとめ
ChatGPTは、今後のビジネスに大きく影響していくことが予想されています。業務の効率化から、新規事業の企画までChatGPTを活用することができます。ChatGPTのようにAIを活用していくことで自社のビジネスを大きく成長させるでしょう。現在では、初心者の方でも自社の目的に適したAIを作成することも可能です。新たに自社の目的に適した質の高いAIを作るためには、適切な学習データが必要です。しかし、データの収集や精査には時間と手間がかかってしまいます。PigDataでは、スクレイピングを用いて目的に合わせたデータを揃えられます。質の高いデータを短期間で入手したい方は、ぜひPigDataにご相談ください。
