
近頃キュレーションメディアが重要視されるようになってきました。このような背景もあり、キュレーションメディアの担当者に任命されている人も増えているでしょう。ただ、担当者になったものの、運営に苦労している人は多いハズです。
中でも、キュレーションメディアを運営するための情報収集やリライトに手間取っている人が多く見られます。今回は、キュレーションメディアで困りごとを抱える人へ向けて、その解決策を解説します。
目次
キュレーションメディアとは
キュレーションメディアとは、インターネット上にある膨大な情報の中から、特定のテーマやジャンルに沿ってコンテンツを選び、まとめて発信するメディアのことです。単なる情報の転載ではなく、編集者や運営者の視点で情報に価値を加えている点がポイントといえます。また、読者が効率よく情報を収集できるように、記事構成やデザインにもこだわっている点も特徴です。ニュース、ライフスタイル、ビジネスなど、さまざまな分野で活用されており、情報収集の手間を省く手段として注目されています。
キュレーションメディアの役割
膨大な情報の中から信頼性や有用性の高いものをピックアップし、ユーザーに提供する役割を担っています。現代は情報過多の時代であり、ユーザーが自分に必要な情報へ思うようにたどり着けません。さらに、真偽が不明な記事や、類似した内容の情報も多く存在します。
キュレーションメディアは、「情報の目利き」としての役割を担っています。専門性やテーマ性を持ちながら、信頼性のある情報をわかりやすく整理・編集して届けるのです。特に現在は、スマートフォンを通じて短時間で質の高い情報を得たいというニーズが高まっています。結果、キュレーションメディアがより台頭しやすい環境に変化してきました。
代表的なキュレーションメディア
キュレーションメディアは多数存在しますが、特によく知られている代表的なものを紹介します。
NewsPicks

NewsPicks は、経済やビジネスに特化したキュレーションメディアです。国内外のニュースを、編集部や有識者が選定・発信しており、高い注目を集めています。単なる記事掲載にとどまらず、専門家や経営者などがコメントを付ける機能もあり、多角的な知見を得られる点が特徴です。ビジネスパーソンを主な読者層とし、情報の質や信頼性を重視した構成が魅力です。
グノシー

グノシーは、幅広いジャンルのニュースを配信する総合型のキュレーションアプリです。ユーザーの興味や閲覧履歴をもとに、AIが自動でニュースを最適化し提供する仕組みを採用しています。エンタメ、スポーツ、政治、天気など、あらゆるジャンルを網羅し、短時間で情報をチェックしたい人に人気です。
Smart News

SmartNewsは、国内外のニュースをバランスよく配信するアプリです。提携するメディアから記事をキュレーションし、オフラインでも閲覧可能としています。政治、経済、ライフスタイルなど多様なカテゴリを扱い、関心に応じてニュースを自動で整理・表示する仕様です。
キュレーションメディアを運用するメリット
キュレーションメディアを運用するメリットを挙げると、以下のとおりです。
専門性と網羅性を両立し、信頼を構築できる
オリジナル記事をすべて内製するのはリソース面で難しい場合でも、キュレーションを活用すれば外部ソースの信頼性を活かしつつ、専門的な編集視点で網羅的な情報提供が可能になります。特に、特定業界の動向やテクノロジー分野など、日々アップデートされるテーマにおいて有効であり、情報のハブとしての立ち位置を確立しやすくなります。
コミュニティや業界内での情報流通を活性化できる
キュレーションは、信頼できる情報の選定と共有という形で、特定業界やコミュニティ内の情報流通を円滑にする役割も果たします。特にSNSとの連携を強めることで、業界関係者や読者同士の相互共有・議論のきっかけとなる場を提供でき、メディアとしての影響力を高めることが可能です。
キュレーションメディアを運用する際の注意点
キュレーションメディアを運用する際は、注意点もあるため考慮してください。
無断転載・著作権侵害に注意を払わなければいけない
キュレーションメディアは他社のコンテンツを扱うため、無断転載や著作権侵害なに十分な注意が必要です。記事や画像、動画などを無断で転載すると、法的責任を問われることになりかねません。そのため、必ず引用のルールやライセンスを確認し、それに基づいた利用が求められます。
また、記事によっては出典の明記や著作権者への事前相談が必要です。こうした条件の確認を運用ルールとしてあらかじめ定めておくようにしましょう。そして、手続きなどが必要となる際は、誰が責任を持って対応するか決めることまでしておくべきです。
裏付けのない情報公開によるトラブルリスク
キュレーションは、情報の要約や再編集を伴う活動です。そのため、元情報の正確性や信頼性を十分に評価しないと、誤った情報を拡散してしまう恐れがあります。特に医療や金融、災害などの分野では、不確かな情報が大きな混乱や社会的責任につながりかねません。
これを回避するためには、可能な限り専門家によるレビューを実施することが望ましいでしょう。情報の真偽や出典を評価し、正確である情報だけを公開するようにすべきです。
キュレーションメディア担当者の主な悩み
キュレーションメディアを運用していると、担当者は様々な悩みを抱えます。よくある悩みについても紹介します。
記事内容の鮮度を維持できない
キュレーションメディアでは、常に最新情報を提供することが求められます。しかし、掲載する情報の基準や対象が増えるにつれて、それを十分に担保することが難しくなります。すべての情報をリアルタイムでチェックし続けることは現実的にできません。その結果、内容に新鮮味がなくなることやメディア全体の信頼性が低下することなどの課題に繋がります。
既存記事の更新が遅れる
キュレーションメディアでは、外部コンテンツを参照して記事を作成する性質上、元記事の内容が変更・削除された場合や、新たにより有益な情報が出てきた場合に、既存記事を適切にリライト・更新する必要があります。しかし「元情報の変更を見落とす」「記事数が増えすぎて優先順位がつけられない」などの理由で、リライトが後手に回ることもあります。
こうしたリライトの遅れは、情報の鮮度や正確性に対する信頼を損なう原因となり得ます。また、更新の管理が不十分なまま運用を続けると、対応すべき記事が累積してしまい、後からの修正作業がかえって膨大になる恐れもあります。特に、多数の記事を扱うメディアでは、リライトの体制や運用ルールの整備が重要な課題です。
運用における悩みの解決方法
運用における悩みを解決する方法についても紹介します。
特定の情報を収集する
特定の情報を収集することで、悩みを解決しやすくなります。特に、自社メディアに必要な特定のジャンルやキーワードに絞った情報収集がおすすめです。もちろん、情報収集の対象は慎重に選定しなければなりませんが、的確な情報を素早く把握できれば、既存記事の更新などの対応に繋げやすくなります。
参考にした記事や情報源を定期的にチェックする
過去に引用や参考にした記事やサイトを一覧で管理し、定期的にチェックする習慣を確立しましょう。ソースが更新された際に、キュレーションメディア内の該当コンテンツも適切に更新する習慣をつけるのです。定期的に状況をチェックすることで、既存記事の更新遅れや見落としを防ぎやすくなります。
チェック方法はさまざまありますが、手軽に始めるならスプレッドシートを用いると良いでしょう。参照元や最終確認日、最終リリース日などを記録しておけば、一覧形式でコンテンツの更新状況を把握できます。コンテンツが多い場合でも、状況に応じて優先順位をつけやすくなり、運用の効率化にもつながります。
最新情報を見逃さないWebサイト監視法
最新情報を見逃さないためには、Webサイトを監視することが重要です。ここでは、運用者が最新情報を確実に把握するために活用できるツールを紹介します。
Googleアラート
Googleアラートは、特定のキーワードを登録しておくことで、関連するコンテンツの通知を受け取れるサービスです。Googleアカウントがあれば無料で利用できるため、まずは試してみると良いでしょう。ただし、Google検索と同様に、関連性の薄いコンテンツが混在することを避けられません。Googleアラートでは、必ずしも意図した情報が、的確に得られるとは限らないため、Googleアラートだけに情報収集を限定することは避けましょう。
TOWA
TOWAは、事前に設定したWebサイトの更新を定期的に監視し、変化があった際に通知してくれるWebサイト更新チェックツールです。大量のURLを設定可能であり、キュレーションメディアに関連するすべてのページを対象とできます。継続的にキュレーションメディアを運営すると、監視対象が増えてしまうでしょう。そのようなときに、TOWAの活用がおすすめです。
また、Webサイト全体の検知だけではなく、指定した範囲だけの差分チェックなど柔軟な設定にも対応しています。さらに、検知した際に、関係者にのみ通知できる仕組みもあるため、大人数での活用にも向いています。
CERVN
CERVNは、複数のWebページについて、日次や時間単位での更新チェックを自動化できる監視サービスです。事前に登録したURL情報に沿って継続的に監視し、変更を検知した際は通知できます。また、変更状況を画面に表示したり、WebページだけはなくPDFの差分を検知したりできることが特徴です。
まとめ
キュレーションメディアを運用する際、情報更新の遅れや誤解により、メディア全体の信頼性が損なわれかねません。ただ、メディアの規模や監視対象が増えるほど手が回らなくなるのが現実です。
この課題を解決するために、「TOWA」のようなWebサイト監視ツールの導入がおすすめです。TOWAならば、24時間体制で指定したWebサイトを自動で監視できます。さらに、内容に変更があった場合は関係者へ通知でき、変更などが必要でも素早く対応しやすくなります。