
ビジネス競争の激しい現代社会において、良い製品を創り出していればそれだけで売れるという時代は終わりを迎え、自社のサービスや製品は常に競合会社と比較検討されるようになっています。
このような時代において、競合他社の状況をしっかりと分析することが必要になりますが、時間と手間がかかってしまうため、人力で行うには限界があります。
そこで今回は、競合分析のメリットや競合分析ツールを選ぶポイントから、おすすめのツールを有料・無料に分けてご紹介します。
目次
競合分析の目的
特許を取得して自社が業界の中で独占的に利益を確保しているという状態でない限り、今やほぼ全ての企業が競合との競争に晒されているといっても過言ではありません。
そういった中において、競合を分析せずに自社内のみに目を向けていては競争に置いてかれてしまい、企業が立ち行かなくなってしまいます。
そのため、競合企業を分析し優位性を保つ必要があります。
競合サイトを分析するメリット
競合分析のひとつとして、競合サイトの分析があります。競合サイトを分析することで、自社に足りない情報を得られたり、自社にしかない強みを知れるメリットがあります。
例えば、競合サイトを隈なくチェックし、新製品発売のリリースや商品一覧を分析し、自社の製品と比較することで、自社に足りていない情報を得ることができます。
また、競合サイトで扱っていない製品があれば、それは自社の強みにつながるためより強化をするといった施策を打つことができるでしょう。
競合サイトの見つけ方
競合サイトを見つけるためには、主要となる製品の種別名やサービス名をGoogle検索にかけることで人力で探すことができます。
Googleで検索し、上位に表示されている企業はそのサービスや製品における知名度が強く、Webサイトへの集客も強く行っていることが推測されます。
これらを人力では見つけにくい場合、以下で紹介する競合分析ツールを活用することで、見つかるケースもあります。
競合分析で得るべき情報
競合分析を行う際に、闇雲に競合を見ているだけでは意味がありません。
「ビジネスモデル・注力製品・webサイト」にまずは注力してチェックしましょう。
競合企業がどのようなビジネスモデルを展開していて、どういった主力製品があり、Webサイトはどういった構成になっているかをチェックすることで、自社との比較に活かすことができます。
競合分析ツールの選び方のポイント
競合分析ツールを選ぶための3つのポイントを紹介します。
信頼できるかどうか
競合分析ツールを利用する場合、得られる情報が正確かどうかも大切です。
分析した結果、得られた情報が誤っていた場合、その情報をもとに販売戦略を立てることはかえって逆効果になりかねません。
ツールの情報の取得方法や、利用実績の豊富さなどをチェックしましょう。
十分なデータが取得できるか
競合分析の結果として、取得できるデータの種類や量に制限があっては十分な競合分析を行うことができません。
無料ツールの場合、取得できるデータに制限がかかっている場合が多いため、より高度な競合分析を行う場合は有料のツールを使った方が良いでしょう。
データを連携できるか
CSV形式でデータを吐き出せないなど、他のツールとの連携ができないツールは気をつけましょう。
ツール単体で十分に競合分析ができる場合は良いですが、分析したデータをExcelに取り込んで使用するケースも多いため、CSVなどの形式でデータを吐き出して連携できるかどうかも確認しましょう。
【有料】おすすめの競合分析ツール
有料の競合分析ツールの中でおすすめのツールを5つご紹介します。
TOWA
TOWAは、競合のwebサイトのURLを登録して知りたい項目やキーワードを設定するだけで、対象のWebサイトに変化があった場合に検知して通知を送ってくれます。
複数Webサイトを同時に監視することが可能なため、人手ではかなり時間がかかってしまう作業を自動化することができます。
料金も5万円から利用できるため、安価に導入ができるでしょう。
eMark+
eMark+は、競合サイトのチャネルを確認できる、インターネット行動ログの分析ツールです。
ありとあらゆるWebサイトの行動ログを分析し、ユーザーの年齢や性別、エリアなどの属性情報も取得できるため、マーケティングに効果的でしょう。
月額10万円から利用可能です。
参考:https://www.valuesccg.com/service/dmd/emarkplus/
BuiltWith
BuiltWithは、競合のWebサイトがどのように構築されているかを分析できるツールです。
登録した競合サイトがどのようなサーバーを利用し、どのような技術を活用してWebサイトを構築しているかどうかをチェックできます。
Web集客に力を入れていそうな競合サイトの構築を分析し、自社サイトに活用しましょう。
月額39ドルから利用可能です。
Ahrefs
Ahrefsは、Googleのオーガニック検索データを大量に取得し、競合サイトのオーガニック経由での流入データを分析できるツールです。
競合サイトがどういったKWで何位に表示されて、どれくらいのトラフィックを獲得している、といった数値が確認できるため、自社サイトの集客に役立てることができます。
月額10ドルから利用可能です。
SimilarWeb
SimilarWebは、競合サイトへの訪問者数や流入経路を分析できるツールです。
競合サイトへ月間何人のユーザーが訪問し、それらのユーザーがどういった経路で集客されているのかがわかるため、自社の集客に活用することができるでしょう。
月額199ドルから利用可能です。
参考:https://www.similarweb.com/ja/
【無料】おすすめの競合分析ツール
無料の競合分析ツールの中でおすすめのツールを5つご紹介します。
SEOチェキ
SEOチェキは、競合サイトのURLを入力することでそのサイトへのリンクの数や更新日時、インデックス数を把握することができます。
キーワードの流入状況などはわかりませんが、簡易的に分析するには十分なツールでしょう。
Page Speed Insights
Page Speed Insightsは、WebサイトのURLを入力するだけで、そのサイトの表示速度を分析してくれるツールです。
競合サイトで表示速度が早いサイトがあれば、それを分析することで自社サイトの改善に活用ができます。
参考:https://pagespeed.web.dev/?hl=ja
GRC
GRCは、登録した競合サイトが特定のKWにおいて検索順位がどれくらいかというデータを、毎日チェックすることが可能です。
無料版では、チェックできるKWの数に制限がありますが、主要なKWを分析する分には十分でしょう。
パスカル
パスカルは、Ahrefsの無料版という形で競合サイトのオーガニック検索での流入状況を確認することができます。
無料では取得できるデータに限りがありますが、主要なキーワードの流入調査には十分でしょう。
Wayback Machine
Wayback Machineは、入力したWebサイトの過去の更新履歴を確認できるツールです。
競合サイトの現在の状況を分析できるツールは多く存在しますが、過去にわたってサイトの状況を確認できる数少ないツールといえるでしょう。
各ツールの主な機能や金額は次の表の通りです。
ツール名 | 主な機能 | 金額 |
TOWA | 競合サイトの監視、データのスクレイピング | 月額5万円〜 |
eMark+ | 競合サイトのチャネル、行動ログの確認 | 月額10万円〜 |
BuiltWith | 競合サイトの構築手段の分析 | 月額39ドル〜 |
Ahrefs | 競合サイトのオーガニックデータの分析 | 月額10ドル〜 |
SimilarWeb | 競合サイトの訪問数や流入経路の分析 | 月額199ドル〜 |
SEOチェキ | 競合サイトのリンク数やインデックス数の調査 | 無料 |
Page Speed Insights | 競合サイトの表示速度の分析 | 無料 |
GRC | 競合サイトの特定KWの順位取得 | 無料 |
パスカル | 競合サイトのオーガニックデータの分析 | 無料 |
Wayback Machine | 競合サイトの過去の更新履歴の確認 | 無料 |
競合分析ツールを利用するメリット
競合分析をする際、競合分析ツールを活用するメリットを2つご紹介します。
高度な分析が可能
人力で競合を分析する際、分析する人の能力によって分析結果が左右されてしまいます。
しかし、競合分析ツールを使用することで、より高度で正確な分析が可能になり、実際のビジネスにより活用しやすくなるメリットがあります。
短時間で分析が可能
競合サイトを分析しデータを取得するには、人力では大量の手間や時間がかかってしまいます。
しかし、競合分析ツールであれば競合サイトのURLやキーワードを設定しておくだけで、短時間で労力をかけずに分析することができるでしょう。
まとめ
変化の激しい現代社会において、ビジネスで生き残っていくためには競合企業の分析が欠かせません。
競合分析ツールを活用して、精度が高く高度な分析を労力をかけずに行いましょう。
株式会社インディゴデータのTOWAでは自動で複数のWeb競合Webサイトの監視が可能です。
また、競合企業のデータ収集が必要な場合は同社のスクレイピングサービスPigDataを活用することでデータの収集から分析までを自動で行ってくれます。
AIを活用した高度な分析も可能なため、より精度の高い競合分析を行いたい方はぜひ利用してみてください。