
スクレイピングにはさまざまな手法がありますが、開発言語であるJavaでもスクレイピングができます。
しかし、Javaでのスクレイピングについて難易度が高いイメージを抱えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、スクレイピングの概要からJavaでスクレイピングする方法、Javaのライブラリを用いた実施方法について解説します。
Googleのホームページから検索結果を取得するコードも紹介しているため、参考にしてみてください。
スクレイピングとは
スクレイピング(Web scraping)は、Webページからデータを自動で抽出するプログラミング技術を指します。
通常、ウェブサイトからテキストや画像、価格情報や商品名など、さまざまな種類の膨大なデータを取得するために使用されます。
Webサイトのデータをコピペなど手動でエクセルなどにまとめる形式では途方もない時間がかかりますが、スクレイピングを活用することで短時間での大量の情報収集が可能です。
Javaでスクレイピングする方法
Javaはシステム開発に向いたプログラミング言語ですが、スクレイピングを行うこともできます。
スクレイピングを行うには、ライブラリを用いるのが一般的です。
主要なJavaライブラリとしては、Jsoup、Selenium、HtmlUnitなどがあります。
それぞれの概要について紹介します。
Jsoup
JsoupはJavaのHTMLパーサーライブラリで、HTMLドキュメントからデータを抽出するのに役立ちます。
CSSセレクタを使用してHTML要素を選択し、テキストや属性値を取得できます。
Jsoupはシンプルで使いやすく、Webページのスクレイピングに適しています。
Selenium
Seleniumはブラウザ自動化ツールで、Javaを含むさまざまなプログラミング言語で使用できます。
Seleniumを使用することでブラウザを制御し、JavaScriptを実行しながらWebページ上のデータを取得できます。
これにより、動的なコンテンツやJavaScriptで生成される情報もスクレイピングできます。
HtmlUnit
HtmlUnitはJavaベースのヘッドレスブラウザで、ブラウザを起動せずにWebページを操作し、データを抽出できます。
JavaScriptのサポートもあり、Seleniumに比べて軽量で高速です。
HtmlUnitは単体テストやスクレイピングに使用され、特にWebアプリケーションのテスト自動化に適しています。
Seleniumでスクレイピングを実践する
今回は、上記で紹介した方法の中で「Selenium」を用いてスクレイピングを実践する方法を紹介します。
必要なものは以下の通りです。
- Google Chrome
- ChromeDriver
- Selenium
Google Chromeをダウンロード
まずは以下のサイトからGoogle Chromeをダウンロードします。
Google Chrome
既存のGoogle Chromeのバージョンを確認
Google Chromeを起動している状態でページ右上の3点マークを押し、「ヘルプ」→「Google Chromeについて」をクリックしましょう。
以下のような画面が表示されるので、バージョンを確認することができます。
ChromeDriverをダウンロード
以下のサイトからChromeDriverをダウンロードしましょう。
ChromeDriver
上記で確認したGoogle Chromeのバージョンと同様のChromeDriverをダウンロードします。
数字が1つでも異なるとうまく動作しないので注意しましょう。
ChromeDriverの実行
ChromeDriverを解凍し、「ChromeDriver was started successfully.」というメッセージが出力されるか確認してください。
正常に起動できている場合は上記メッセージが表示されます。
Seleniumをダウンロード
続いて、以下のサイトからSeleniumをダウンロードしましょう。
Selenium
ダウンロードが完了したら以下の順で環境を構築します。
- Eclipseを起動し新規プロジェクトを作成
- 作成したプロジェクトへ解凍し、Seleniumフォルダをドラッグ&ドロップ
- Seleniumをビルドパスに追加
- 新規クラスを作成
今回は、Googleのホームページから検索結果を取得するコードをご紹介します。
from selenium import webdriver
# ブラウザを起動
driver = webdriver.Chrome(executable_path=’/path/to/chromedriver’) # chromedriverのパスを指定してください
# Googleのホームページを開く
driver.get(“https://www.google.com/”)
# 検索ボックスにキーワードを入力
search_box = driver.find_element_by_name(“q”) # Googleの検索ボックスのname属性を指定
search_box.send_keys(“ウェブスクレイピング”)
# 検索ボタンをクリック
search_button = driver.find_element_by_name(“btnK”) # Googleの検索ボタンのname属性を指定
search_button.click()
# 検索結果を取得
search_results = driver.find_elements_by_css_selector(“.tF2Cxc”) # 検索結果の要素をCSSセレクタで指定
# 検索結果を表示
for result in search_results:
print(result.text)
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードは、Googleの検索ページにアクセスし、検索ボックスにキーワードを入力し、検索ボタンをクリックして検索結果を取得するコードの例です。
取得した検索結果はコンソールに表示されます。
コンソールに実際の検索結果が表示されればスクレイピングの完了です。
JavaとPythonどっちがおススメ?
JavaとPythonはどちらも優れたプログラミング言語ですが、選択は用途に依存します。
Javaは高性能のアプリケーションや大規模なプロジェクトに適しており、堅牢さとスケーラビリティに優れています。
一方でPythonはシンプルで読みやすく、データ分析や機械学習などの領域で広く使用されています。
いずれの選択がおすすめかはスクレイピングしたい目的や対象によって異なるでしょう。
例えば、簡単なタスクであれば、Pythonがより使いやすい可能性があり、大規模なプロジェクトや高速な処理が必要な場合は、Javaを使うとよいです。
Javaでスクレイピングをするメリット・デメリット
Javaを使用してスクレイピングを行うメリットは、高いパフォーマンス、クロスプラットフォーム対応、堅牢性です。また、Javaは多くのライブラリとフレームワークを提供しているため、セキュリティが強化されているというメリットもあります。しかし、Javaでスクレイピングを実行する際は環境作りが少々大変です。
VPSのレンタルや、Javaを稼働させる環境整備を自分でできるかどうかが重要となります。
Pythonでスクレイピングをするメリットデメリット
Pythonでスクレイピングするメリットとしてはシンプルで読みやすく、多くのスクレイピング用ライブラリ(例:Beautiful Soup、Scrapy)が利用可能という点です。
また、Pythonは迅速なプロトタイピングに適しており、コードの書きやすさが特徴です。
しかし、高度なデータの収集を要求する場合や、大規模なスクレイピングでは速度が制約されることがあります。
スクレイピングは技術だけ知っていてもできない
スクレイピングは、IT関連の高度な知識があればそれだけで実行できる、というものではありません。
全てのwebサイトがスクレイピング可能ではなく、規約によってスクレイピングが禁じられているケースもあります。
これを知らずにスクレイピングを実装すると、その行為を罪に問われる可能性があります。
そのため、スクレイピングやデータに関する法律面の知識を持っている上で法に触れないように考慮する必要もあります。
まとめ
スクレイピングは短時間で手動では難しい膨大なデータを収集できる便利な機能です。
そんな便利なスクレイピングを実装するにはJavaなどのプログラミング言語の理解が必要不可欠です。また、技術以外にも法律面での知識も必要になります。スクレイピングを自社で内製するのは非常にハードルが高く人件費や工数がかかってしまい、却ってコストがかかってしまうということになりかねません。
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