
エンジニアは、専門的な領域のスペシャリストと言っても過言ではありません。そのため、業界内ではエンジニア独自の専門用語が飛び交います。知らないエンジニア用語があると、会議についていけないだけではなく、お互いのコミュニケーションに齟齬が生じることもあります。今回は、エンジニア初心者の人やエンジニアと共に仕事をする担当者の方向けに、知っておくべきエンジニア用語を50個紹介します。
エンジニアが知っておくべき用語【基本】
エンジニアとして働いていく上で、必ず知っておかなければならない用語があります。まずは、エンジニアが知っておくべき基本的な用語を紹介します。
HTML
HTMLはマークアップ用の言語であり、コンピューターに人間が書いたテキスト(文章)がどのような役割を担っているのか覚えさせます。HTMLによって、人間の文章をタグ付けすると見出しやタイトル、文字の装飾をすることができます。
CSS
CSSは、Webサイトのサイズやレイアウトを設定するために使用するプログラミング言語です。Webサイトの背景や画像の位置、動画の挿入部も指示ができます。Webサイトのレイアウトによって、ユーザーの閲覧時間が変わります。CSSは、Webサイトの運営時に必要なプログラミング言語です。
Java
Javaは多くのエンジニアが用いているプログラミング言語です。Javaは、あらゆるプログラムに用いられています。アプリケーションの開発はもちろんのこと、家電などにもプログラムを組み込むことができます。Javaは、汎用性が高いのが特徴です。
UI
UIとは、ユーザーインターフェースの略語で、ユーザーがWebサイト上で操作するボタンや画像のことです。Webサイトを訪れたユーザーは、ページの中で他のリンクを踏んだり、各種手続きのためにフォームに書き込みをしたりします。UIが高く使い勝手の良いサイトは、ユーザーからの人気も向上します。
UX
UXとは、ユーザーエクスペリエンスの略語で、ユーザーがWebサイトを利用したことによる体験のことです。ユーザーがWebサイトを利用した感情そのものもUXと呼ばれるため、幅広い意味合いを持ちます。ECサイトでの商品購入にポジティブな感情を持ったり、逆にネガティブな感情を持つユーザーがいます。それらのUXを踏まえて、Webサイトをより良いものに向上させていきます。
フロントエンド
フロントエンドとは、ユーザーが閲覧した時に見える領域のことを指します。例えば、ブログ記事の内容や、アプリケーションの操作などです。一般的には、フロントエンドは、フロントエンド専門のエンジニアが担います。
バックエンド
バックエンドはフロントエンドとは異なる領域で、ユーザーからは直接見ることができない部分を指します。サーバーの管理やデータの処理が具体的なエンジニアの業務内容です。また、最近ではセキュリティへの配慮も、バックエンドを担うエンジニアの重要な仕事になっています。
ブラウザ
ブラウザとは、Webサイトを検索するために使用するソフトのことを指します。具体的には、Yahoo!やGoogleのことです。検索窓にキーワードを挿入することで、ユーザーが求めている情報に到達できます。ブラウザによって、ブックマーク機能や拡張機能など搭載されているツールは異なります。
ECサイト
ECサイトとは、インターネットを使用して商品やサービスを販売するサイトのことです。Amazonや楽天市場のように大規模なECサイトもありますし、自社の商品やサービスを販売するために自社メディアを利用することもあります。
PV
PVは、Webサイトのページがユーザーによって閲覧された回数のことです。PV数が多ければ多いほどWebサイトの人気があると考えられます。PV数は、Webサイトの分析をする上で基本的な指標です。
IoT
IoTとは、モノのインターネットを意味する言葉です。身の回りにあるモノにインターネットを繋げると、人間の生活は格段に便利になります。例えば、家の中の電化製品をIoT化すると、家に到着する前にエアコンの電源を入れて室温の調整をすることができますし、冷蔵庫の消費電力も確認できるようになります。
ハードウェア
ハードウェアとは、コンピューター本体やマウス、キーボードなどの周辺機器のことです。一般的には、形があるものをハードウェアと呼ぶため、コンピューターに内蔵されているCPUやグラフィックボードなどの部品もハードウェアの一種です。
ソフトウェア
ソフトウェアとは、コンピューターやスマートフォンに搭載されているプログラムのことを指します。一般的に、ハードウェアとは異なり物理的な実体を持っていません。アプリケーションやツールもソフトウェアです。GoogleやYahoo!などの検索エンジンなどのソフトウェアがハードウェアと連携することで、パソコンやスマホが便利に情報を収集する道具になります。
OS
OSとは、オペレーションシステムの略語で、ユーザーとハードウェアを繋げる役割を担っています。コンピューターは、コンピューター本体のようなハードウェアだけでは動きません。ユーザーの要望に沿って、処理するプログラムが必要です。主にメモリやファイルの管理、マルチタスクのプロセス管理も担っています。
アプリケーション
アプリケーションは、ソフトウェアのひとつで、コンピューターにインストールされたユーザーが使用するツール(プログラム)のことです。ユーザーは、パソコンやスマホで色々なサービスを使用する際には、アプリケーションを利用しています。ユーザーは用途に応じて、インストールしたいアプリケーションを選択できます。
AWS
AWSは、アマゾン・ウェブ・サービスの略語です。世界で最も多くの利用者がいるクラウドサービスであり、ストレージやデータベースなどのインフラストラクチャーだけではなく、AIや機械学習などの最新技術も提供しています。
AI
AIとは人工知能のことであり、人間と同じように言葉や画像を認識して分析・推論をおこないます。厳密な定義がされていない現状ですが、既に実用はされています。ChatGPTは、人間と会話することができますし、スマホに搭載されている顔認証はAIの技術によって持ち主を認識します。
ディープラーニング
ディープラーニングとは、コンピューターが自動で大量のデータを分析・解析して特徴を見出す技術のことです。ディープラーニングの技術は、囲碁や将棋などの知的なゲームでも人間を上回る知能で勝利することが可能になりました。
RPA
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略語です。これまで人間がパソコンでおこなっていた作業を自動化してくれるツールです。RPAを導入すると、事務的な作業が効率化し人手不足の解消に繋がります。
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、データ管理や記録をおこなうデータベースの一つです。一般的なデータベースとは異なり、ブロックチェーンはネットワーク上の端末同士を直接つないで暗号によるセキュリティを分散的におこないます。実際には、暗号通貨の管理に応用されています。
エンジニアが知っておくべき用語【開発】
開発に携わるエンジニアの方も多くいます。ここからは、開発に関わる用語を紹介します。
FTP
FTPとは、ファイルを送るための通信プロトコルです。FTPは、ユーザーとサーバーをつなぎ、ファイルのダウンロードやアップロードをおこなう際に使用されます。FTPサーバーを介して、データの共有も可能です。
ルーラ
ルーラとは、日本語で「定規」を意味する用語です。ページに映し出される文字や画像の位置を調整するために用いられます。また、デザインソフトでは、テキストやデザインの位置調整にも活用できます。
ゲートウェイ
ゲートウェイとは、ネットワークとネットワークを中継する仕組みのことを指します。プロトコルの異なるネットワークの場合は、手順が異なるためコンピューターが正常に作動しません。ゲートウェイを設置することで、異なるプロトコルでも正常に作動するようになります。
SSL/TLS
SSLとTLSは、インターネット上でデータを暗号化して送信と受信をする仕組みのことです。ECサイトの登場から、クレジットカード情報など、機密となる個人情報のやりとりもインターネットでおこなわれるようになりました。そのため、こういった情報を暗号化してセキュリティを高めることは重要です。
VPN
VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(仮想専用通信網)のことです。VPN接続は、共有の回線をさまざまな技術を用いて専用の通信網のように使用することです。共有回線を使用する際でも、セキュリティを高めることが可能です。
SaaS
SaaSは、Software as a Servceの略語で、サービスとしてのソフトウェアを意味するクラウドサービスのことです。SaaSは、インターネット経由で使用することができるサービスです。例えば、AdobeのソフトはSaaSです。Adobeは、インターネットを通じて月額使用料を支払うことで使用できます。
オープンソース
オープンソースとは、無料で提供されているプログラミングのソースコードやデータです。自由に使用することができて、再配布も可能です。オープンソースを利用すれば、構築に時間のかかっていたプログラムも効率化します。
ソースコード
ソースコードとは、プログラムを作成する際にどのような動作をさせるのか指示を書いたテキストファイルを指します。このソースコードをきちんと入力すれば、コンピューターが正常に動作しますし、間違ったソースコードを入力すると正常に動きません。エラーのないようにソースコードを入力しなければいけません。
フレームワーク
フレームワークとは、効率よく新しいプログラムを作るために再利用可能な既存のプログラム用のコンポーネントを集めたものです。フレームワークを用いれば、新しいアプリケーションを作る際もゼロから作る必要はありません。
運用と保守
システムエンジニアには、大きく分けて4つに分けられます。その中の「運用」と「保守」は、システム開発が終了した後におこなわれます。「運用」は、既に使用しているシステムに不具合やエラーが起きないように日々点検する作業です。「保守」は、システムに何らかの問題が生じた際にエラーの原因を突き止め修正することです。また、エラーやバグが起きないように日々セキュリティ面もチェックし、予防と修繕をおこないます。
エンジニアが知っておくべき用語【Web】
ここからは、エンジニアが知っておくべき用語のWeb編を紹介します。
サイトマップ
サイトマップは、サイト全体の仕組みをわかりやすく地図のようにしているページのことです。Webサイトは、常に更新され続けていくため構造が複雑になりがちです。サイトマップがあれば、ユーザーも目的とするページに簡単に辿り着けます。
リクエスト
リクエストは、ブラウザからWebサーバーへの要求のことを意味します。ユーザーがページを閲覧するために、ブラウザを利用してページを指定します。ブラウザは、ユーザーから受けた指定をWebサーバーに要求してからその返信を待ちます。
レスポンス
レスポンスは、Webサーバーからブラウザに対して送られる返信のことを指します。ウェブサーバーは、ブラウザからのリクエストを受けてサイトのページに返信します。Webサーバーからのレスポンスがあるため、ユーザーは目当てのページを閲覧することができます。
アクセシビリティ
アクセシビリティとは、ユーザーがサイトに接続しやすくて情報を収集しやすいかどうかを表す用語です。アクセシビリティが高いという言い方は、ユーザーはサイトに辿り着きやすくて、目的としていた情報を得やすくなります。アクセシビリティの高さは、サイトの信用や人気に直接的に影響します。
セッション
セッションとは、通信の開始から終了までのことを意味します。より具体的には、ユーザーがサーバーにアクセスしてWebの閲覧を始めてから、ログアウトするまでのことです。Webサイトの運営において、セッション数を確認することは大事です。
マークアップ
マークアップは、コンピューターが人間と同じようにタイトルや装飾などを識別するためにタグ付けすることです。コンピューターは、人間と同じようにテキスト情報を認識する訳ではありません。タイトルや装飾、段落や箇条書きの際の点などをコンピューターに覚えさせることで、SEOの対策にも繋がります。
ファーストビュー
ファーストビューは、ユーザーがサイトを訪れた際に一番最初に目にするページのことです。インターネット検索からのサイト流入は、一番最初の印象によってその後しっかりと閲覧するかどうかが判断されます。そのため、ユーザーの興味や関心をひけるデザインにすると、最後まで閲覧される可能性が高まります。
クッキー
クッキー(Cookie)は、ユーザーがWebサイトに訪れた時に使用されるデータの集合体です。クッキーは、ユーザーが閲覧したサイトの情報をブラウザに保存します。
プロトコル
プロトコルは、手順という意味を表すエンジニア用語です。主に、通信の手順を指します。コンピュータ―同士が通信するためには、手順や企画が一致していなければいけません。プロトコルが一致していないと、通信ができません。
レスポンシブデザイン
レスポンシブルデザインは、さまざまなデバイスや端末からでもきちんと閲覧することができるデザインのことです。現在では、動画やブログ、SNSを閲覧する際にパソコンだけではなくスマホやタブレットも活用されます。そのため、さまざまな端末にも対応可能なレスポンシブルデザインが必要です。
エンジニアが知っておくべき用語【上級】
エンジニアの中でも上級なスキルを持っている方々は、使用する用語もレベルが上がります。ここからは、エンジニアが知っておくべき用語の上級編です。
Git
Gitとは、作成途中のソースコードやデザインの更新履歴を保存しながら管理するシステムのことです。ソースコードやデザインの作成は、複数人で作業をおこなう場合があります。Gitには更新者と更新日時なども保存します。そのため、複数人でも共通のデータを更新していくことができます。
CMS
CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システムの略語です。CMSは、Webページを作成する際にフォーマットを用いてコンテンツを自動生成してくれます。CMSを導入していないと、Webページを作るのに時間がかかります。また、コンピューターに慣れていない方には、Webページの運用やマネジメントが困難になってしまいます。
ディレクトリ
ディレクトリは、コンピューターの中にファイルを入れておくためのフォルダーのようなものです。階層構造を保ちながら、ファイルを保存しておけるので整理が簡単です。Webサイトにもディレクトリがあり、複数のコンテンツを階層に分けて管理することができます。
VR
VRとは、バーチャル・リアリティ(仮想現実)のことです。コンピューターの性能が向上することによって、ネット空間上に仮想の現実を作りだし、人間が現実世界で生活するかのうな体験を得られる空間のことです。
API
APIは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略語です。主にソフトウェアやプログラムの間に入り、両方を繋げる役割を担っています。例えば、ECサイトで買い物をする際には、決済システムにアクセスすることで取引が成立します。この場合は、決済システムのAPIが、ユーザーとECサイトとを繋げています。
WebGL
WebGLとは、Webサイトに3Dグラフィックスを描写することができるようにする技術です。プラグインを利用することなく使用できて、スマートフォンでも3Dアニメやモデリングをすることも可能です。WebGLを使用すると、プレゼンテーションの際のグラフや表を見やすい3Dにできますし、未来の都市モデルなどを3Dで表現できます。
ダッシュボード
ダッシュボードは、データや情報をまとめてグラフやマップなどで視覚的に表示してくれるインターフェースのことです。エンジニアは、ダッシュボードを確認しながらシステムの状態を管理して、修正や更新をおこないます。現在は、エンジニア以外の方もダッシュボードを確認するため、視覚的に理解しやすいデザインになっています。
p5.js
p5.jsとは、JavaScriptライブラリから無料で自由に使用することができるオープンソースです。ビジュアルアートを作成できます。グラフや表だけではなく、絵画を描くことも可能です。Webデザインが重要とされる昨今では、知っておくべきオープンソースです。
プラグイン
エンジニア用語としてのプラグインとは、新しい機能をWordpressやWebサイトに追加する拡張機能のことです。機能を追加したり拡張することで、ツールの使用範囲や使いやすさが向上します。GoogleChromeは、パスワードを一括で管理する拡張機能や外国語の動画閲覧中に同時翻訳してくれる拡張機能もあります。
レンダリング
レンダリングは、データやプログラミングから画像や動画を作成することです。通常、ユーザーがブログ画像を見る場合や動画コンテンツを視聴する場合、リンクをクリックしてコンテンツを呼び出します。ユーザーが画像や動画を視聴する直前に、コンピューターがデータを読み解いてレンダリングします。レンダリングが終了した後に、ユーザーが画像や動画を閲覧することができるようになります。
まとめ
エンジニアの仕事は専門用語が多く、未経験からエンジニアになる場合や、エンジニアではない人がエンジニアとコミュニケーションを取る場合に苦労することがあります。未経験からエンジニアになるには、技術や用語を知っていればよいというわけではありません。エンジニアになるのは簡単ではありませんが、諦める必要はありません。弊社インディゴデータには、未経験からエンジニアとして活躍している人もいます。そんな、未経験からエンジニアとして活躍しているPigDataの佐々木さんのインタビュー記事はこちらです。