
出版不況と呼ばれる時代でも、ベストセラーになる本は多くあります。しかも、ベストセラーは新刊だけではありません。SNSで拡散された情報によって書籍を購入する人が増えたため、数十年も前に出版された書籍が再びヒットになる場合もあります。
この記事では、インターネットとSNSによる書籍の広告宣伝、反響の分析方法を解説します。出版業界の経営者の方や、マーケティング、DX化を担当している方はぜひ参考にしてください。
書籍の反響分析をすればベストセラーを生み出せる
出版業界がベストセラーを生み出すために大事なのは、出版後の反響分析です。反響の分析をするためにDX化は必須です。新しい書籍は、出版して市場に出すまで売上が伸びるかわかりません。
また、社会のトレンドは常に変化しています。消費者のニーズや変わりゆく社会のトレンドを知るためにも、既に販売している書籍の反響分析で予測をすることが必要です。
新規企画のための反響分析
書籍の反響分析は、新規企画を練るために必須の素材です。既に出版して販売している書籍に対する評価で反響分析することで、トレンドや購入者の属性を把握できます。
このトレンドや購入者層から、次回出版する書籍の方向性やターゲットを絞って企画立案できます。既に販売している書籍の反響分析をおこなって、ターゲットに書籍のテーマを合わせて新規企画の参考にしましょう。
重版のための反響分析
重版の判断のために書籍の反響分析が必要となります。初版を出版した後は、売上の変化によって重版をきめます。特に出版業界の収益化構造上、在庫の過不足は損失に直結します。売れ残りや売り損じのリスクを少なくするためにも、反響の分析は必要です。
反響はすぐに売り上げの数字として現れることが無い場合もあります。販売当初は売れなかった書籍がその後、書籍への反響によって急にヒットする可能性もあります。新刊を出版したら、購入者のレビューを参考にして売上には反映されていないトレンドも判断しましょう。
出版業界は商品の販売方法が変化している
インターネットの普及によって、出版業界では販売方法が変化しています。インターネットが普及する前は、新聞や雑誌での広告や書評欄などがメインでした。しかし、現在ではインターネット広告、SNS広告やインフルエンサー広告がメインに移行しています。インターネットを介した広告なら、消費者の動向データが蓄積されます。
ここからは、インターネットを利用した販売方法を解説します。
インターネットやSNSで広告宣伝
出版業界では、インターネットやSNSでの広告宣伝が主流になりつつあります。SNSは、TwitterやInstagram、FacebookやTikTokなど、それぞれ活用している人の属性が異なります。つまり、それぞれのSNSを利用することであらゆる属性の方々にアプローチできます。
さらに、備え付けのアナリティクスツールで効果測定も可能です。ホームページやブログなどもアナリティクスと紐づければ、細かい部分まで訪問者や購入者の属性や行動を確認できます。
インフルエンサーに依頼して広告宣伝
インフルエンサーに新刊の書籍を広告宣伝してもらうことも効果的です。SNSで情報発信しているインフルエンサーなら、発信者を信頼しているファンも多く購入意欲の高い層にアプローチできます。
実際に、インフルエンサーマーケティングを利用してビジネス書の販売を成功させている出版社もあります。インフルエンサーの中には、過去の書籍を紹介している方もいます。その結果、過去に出版した書籍が反響を呼び、急に売り上げが伸びることもあります。
DXが出版業界の追い風に
インターネットやSNSを駆使、つまりDX化を進めることで、書籍の売上を伸ばす方法を紹介してきました。一方、出版業界の不況の原因が、インターネットやSNSの発展による読書離れだとする意見もあります。しかしインターネットの発展により、書籍の販売は本屋だけではなく、インターネット通販で販売することも可能になりました。
また、書籍の広告宣伝は、インターネットやSNSでもされています。他にもDXの活用方法として電子(デジタル)書籍やオーディオブックでの出版がされています。このようにDX化させれば出版業界全体の売上が向上するでしょう。
書籍の反響データ収集は専門の会社に依頼できる
インターネットを通して書籍の販売や広告宣伝をすることで、書籍の反響に関するデータを収集できます。その収集したデータを分析することで重版決定や在庫管理ができ、効率的な販売が可能です。
ただし、データの収集をすること、分析が可能な状態のデータに加工するプロセスには、時間と手間がかかります。また、このプロセスには専門的な知識と経験を持った人材も必要です。Twitterなどのテキストデータを選別して収集・分析するには、数字分析よりも専門性が高いのが現実です。
もし内部でデータ収集が難しい場合はデータのスクレイピングサービスを専門に提供している会社を利用することも可能です。スクレイピング部分を専門の会社に委託すれば、データ分析による新しい企画の立案だけに集中できます。
まとめ
出版業界は、DX化によってインターネットやSNSでの広告宣伝と販売が可能になりました。また、インターネットを通して広告宣伝や販売をおこなうと、アナリティクスツールによってサイトの訪問者や購入者の属性や動向を確認できます。
他にもSNSなどで書籍に対する感想をテキストデータとして収集することも可能です。テキストデータとして収集した反響を分析すれば、社会のトレンドや人々の興味関心を把握できます。そのため、新しい企画立案にも役立ちます。
ただし、データのスクレイピングには、専門的な知識と経験が必要であり、手間や時間もかかります。データの分析や企画立案に集中するためにも、データのスクレイピングのプロセスは専門の会社に依頼しましょう。