
新型コロナ関連の給付金や、IT導入補助金など、昨今の社会情勢を反映した補助金・助成金は数多く存在します。国や政府が実施するものから、地方自治体が受け付けているものまで、自社で申請可能な補助金情報を手作業で収集するには相当な手間がかかります。
そこで人的リソースの削減のために検討したいのが、「スクレイピング」の技術です。ここではスクレイピングの概要と、官公庁のサイトから補助金情報を自動取得することで得られるメリットを紹介します。クラウドソーシングサイトを使った外注以外の方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
スクレイピングとは?外注する企業が多い理由
まずスクレイピングとは、英語で「こする」「ひっかく」を意味する”Scraping”からきています。特にWeb上から任意のデータを収集してデータベース化することを「Webスクレイピング」と呼びます。身近なところでは、ニュースアプリの「グノシー」、求人検索エンジンの「Indeed」などもWebスクレイピングを利用したサービスの一例です。
スクレイピングの技術を活用することで、これまで担当者が手作業で集めていたデータを、自動で取得できるようになるのが大きなメリットです。ビジネスシーンでは、競合他社の求人情報をスクレイピングで収集することで、自社のリクルーティングに活用している事例などもあります。
ただしスクレイピングには一定のプログラミング知識が必要となるため、非エンジニアにとってはハードルの高い技術であることも確かです。Web上のデータを自動で収集するという特性上、法律や利用規約に違反する可能性もあるため、慎重に利用する必要があります。
そこで多くの企業では、クラウドソーシングサイトを利用してスクレイピングを代行してもらえるエンジニアを探し、スクレイピング自体をアウトソーシングしている例が多くなります。私たち「PigData」でも、スクレイピング代行のサービスをご愛用いただいているクライアントが多くいらっしゃいます。
官公庁サイトのスクレイピングで取得できる情報の活用事例
Webスクレイピングの活用方法の1つとして、Web上の特定のページのデータを継続的に収集し、変化を自動で検知するという事も可能です。
その一例として、官公庁の公式サイトのスクレイピングにより、国や地方自治体が出している情報を継続的に集めている事例があります。ここでは官公庁の公式サイトのスクレイピング活用例をいくつか紹介します。
PDFファイルを取得・分析
スクレイピング技術を利用することで、官公庁が公表しているPDFデータを効率的に収集することが可能です。官公庁が情報発信する際には、現在でもPDFファイルが頻繁に使われています。そのPDFファイルを自動で取得し、さらに内容を読み取ってテキスト化することで、活用しやすくすることも可能です。
なお、特定のキーワードが含まれるPDFファイルのみ取得するようスクレイピングシステムを構築することもできます。自社にとって必要なデータのみを自動収集することで、日々の業務の中から非効率的な作業を減らし、人的リソースを削減することにもつながります。
補助金・給付金情報を自動収集
官公庁が発表している補助金・給付金、また助成金・支援金・融資などの情報を集める際にも、スクレイピング技術は活用されています。自社に適した補助金の情報を官公庁の公式サイトから自動取得するシステムを構築し、どの補助金に申請するかの意思決定に役立てるものです。
国だけではなく地方自治体の情報も含めれば、補助金・給付金の情報は毎日のように更新されています。その中から手作業で自社に適した補助金を見つけるのは、相当な負担になるでしょう。そこでスクレイピング技術を使って、面倒な情報収集を自動化しているのです。
スクレイピングで官公庁の補助金情報を取得するメリット
補助金情報のスクレイピングによって業務を自動化することによって、以下のようなメリットが手に入ります。
- 素早い意思決定に役立つ
- 自社に最適な補助金を逃さずキャッチ
- 人的リソースの削減につながる
各メリットについて解説します。
素早い意思決定に役立つ
自社で補助金を申請したいと思った際には、まず官公庁が公表している膨大なデータの中から、自社で利用可能な補助金情報を探し、各補助金の条件や金額を精査し、どの補助金を申請するかの意思決定へと進みます。スクレイピングは各情報を素早く収集・精査することができるため、意思決定までのスピードを短縮し、必要な補助金を必要なタイミングで申請しやすくなります。
官公庁の補助金情報を頻繁にチェックしていて、データの検索作業を手間に感じている担当者こそ、スクレイピングを検討することをおすすめします。
自社に最適な補助金を逃さずキャッチ
補助金情報のスクレイピングを行うことで、自社に最適な補助金情報を見逃すことがなくなります。常にスクレイピングで補助金情報を監視することで、新規の補助金情報をキャッチし、早めに補助金申請の準備をすることができるため、余裕を持って書類を作成できるようになるメリットもあります。
自社で申請し、事業拡大に活用できたはずの補助金の情報を得るのが遅くなってしまい、申請期限を超過してしまうことで利用できなくなるのは大きな損失です。自社にマッチした補助金情報を見逃すことがないよう、スクレイピング技術を有効活用しましょう
人的リソースの削減につながる
スクレイピングの活用で、人の手で検索したり人の目で確認したりする必要がなくなるということは、それだけ人的リソースの削減にもつながります。つまり、これまで補助金情報を探すために使っていた単純作業の時間や労力を、より重要度の高いタスクに振り分けられるということです。
さらに言えば、スクレイピングを利用することで、手作業よりも大量なデータを、ミス・漏れなく収集できることも大きなメリットです。同じ情報を何度もチェックしたり、収集したデータのミスを修正する必要もなくなるため業務効率化に大きく貢献できます。
クラウドソーシング以外で「サイト監視システム」を利用する方法
自社の求めるデータのみを収集するスクレイピングシステムの構築は、クラウドソーシングサイトを利用して外注のエンジニアに依頼するケースが多く見られます。しかし、補助金情報を長く継続して取得していきたい場合や、経営状態に応じて検索するキーワードを変更したい場合には、その都度外注する手間が発生してしまいます。
そこでおすすめしたいのが、「サイト監視システム」の導入です。弊社のWebデータ収集サービス「PigData」でも、継続的なスクレイピング代行サービスやWebサイト監視サービス「TOWA」をご提供しています。
一般的なスクレイピングツールでは収集しきれないPDFデータや画像データを含めてスクレイピングを行うため、官公庁の補助金情報を収集・分析する際にも役立ちます。詳しくは弊社までお問い合わせ、または「資料ダウンロード」ページからスクレイピングの導入事例・活用事例がご覧いただけますので、併せてご参照ください。
まとめ
スクレイピング技術を活用することで、官公庁の公式サイトから自動的にデータを集めることが可能になります。補助金・給付金のような、膨大で日々更新される情報をスクレイピングでデータベース化することで、素早い意思決定や人的リソースの削減につながるメリットもあります。自社でスクレイピングを行うことが難しい場合はクラウドソーシングの利用もできますが、継続的なWebサイト情報収集にはWebサイト監視システムを提供しているツールやサービスの利用が有効的だと考えられます。補助金、助成金等のデータ収集には是非PigDataもご検討ください。