日本では土地を有効活用することが重要になっています。特に都心部では土地が狭いため、効率よく有効活用することが大切です。今回は、土地の活用方法や活用できる土地の選び方を紹介し、土地活用のポイントや土地を探し出す方法についても解説します。

土地の活用方法10選！

土地を活用する方法は複数あります。具体的にどのような活用方法があるのか、代表的な10種類をピックアップして紹介します。

借地（土地の貸し出し）

借地として土地を貸し出す選択肢があります。自分自身で何かしらの建物を建てるのではなく、土地を貸し出すことで利益を得る方法です。

土地を有効活用できますが、借り手がつく土地は限られています。新しく土地を購入して有効活用するよりも、所有している土地を活用するケースが多いでしょう。いわゆる「地主」に該当する人が、土地を活用する方法になりがちです。

戸建賃貸

戸建住宅を建てておいて、それを貸し出す方法です。土地を確保して新規に住宅を建てる方法や、自分たちが住んでいた住宅を土地ごと活用する方法があります。

基本的には一軒家であるため、ひとつの土地で大量の収入が見込めるわけではありません。ただ、入居すると長く住んでもらえるケースが多く、安定した収入が期待できます。

アパート経営

賃貸アパートを建てることで土地を有効活用できます。初期費用はかさんでしまいますが、土地の広さに対して多くの住居を確保できることが特徴です。立地によっては短期間での回収が可能となり、将来的な資産形成に役立ちます。

ただ、アパートは人の出入りが多いため、空室が増えると金銭的な負担が増えかねません。また、建築したら終わりではなく、定期的なメンテナンス費用や光熱費、固定資産税などが発生します。王道の活用方法ではありますが、入居者をどのように確保するかが重要です。

レンタルスペース

一時的に貸し出すためのレンタルスペースを確保する方法です。オフィスのようなものを建てる必要はありますが、一度準備してしまえば、後は概ね貸し出すだけで収入を得られます。

レンタルスペースには種類があり、どのような設備とするかで需要が異なります。例えば、ビジネス向けかプライベート向けかで需要は変化するのです。また、それぞれにおいて設備と料金のバランスでも需要が変化します。土地の場所などを踏まえて、戦略を練らなければなりません。

駐車場

駐車場は、月極駐車場やコインパーキングによる土地の有効活用方法です。どちらも安価で始められ、管理にあまり手間がかからず、運営しやすくなっています。設備の設置などは簡単ではありますが、駐車場に向いている土地とそうではない土地があります。住宅地やオフィス街、商業施設の近くなどが理想的です。また、駐車場は初期投資が少ない代わりに、大きな収益が見込めるものではありません。ローリスクローリターンな活用方法だと認識しましょう。

自動販売機

狭い土地であれば、自動販売機を設置する方法があります。近年は飲料だけではなく、各種食品の自動販売機が増えている状況です。そのため、ラインナップで他社と差別化することもできるでしょう。また、一般的に自動販売機は自分で商品を管理しません。販売機を設置している業者が中身を管理するため、土地の所有者は土地と電力を提供するだけです。大金を稼げる方法ではありませんが、大きな負担なく土地を活用できます。

土地信託

土地信託は、信託会社などに土地を提供して、利益から配当を得るものです。自分自身で土地を運用するのではなく、プロが建物などを建てて活用します。土地に適した方法で活用してくれるため、初心者でも安心の方法です。

初期費用が発生しないことから、リスクはほとんどありません。ただ、信託会社が土地の活用に失敗すると、配当を得られないリスクがあります。必ず収益が得られると保証されたものではないため、その点は注意しなければなりません。成功のためには、信託会社の選択が非常に重要です。

老人ホーム

保有する土地に老人ホームを建てて、それを貸し出す方法です。老人ホームを運営している会社へ提供することで、賃料を得られます。近年は少子高齢化が進んでいるため、老人ホームを建てておくと借り手がつく可能性が高いのです。また、老人ホームのような建物の賃貸借契約は、長期間での契約が義務化されています。そのため、一度借り手がつけば、中長期的に安定した収入が得られるのです。

ただ、老人ホームを建てられるだけの土地を確保したり必要に応じて修繕したりしなければなりません。また、施設の運営会社が倒産すると収入もなくなります。どのような状況に陥らないためにも、借り手を評価することも重要です。

コンビニ

コンビニは多くの場所で需要があるため、一定の広さの土地があれば建てられます。フランチャイズ契約しやすい業界でもあり、土地の有効活用法としても代表的なものです。空き地にコンビニが建つケースを目にしたことがある人も多いでしょう。

他の業種と比較すると、コンビニはネームバリューがあり、事業を展開しやすいことが魅力的です。また、フランチャイズ契約ならば、本部からのサポートを受けられます。コンビニ経営に詳しくなくとも、土地を有効活用できることが魅力なのです。

太陽光発電

近年はやや飽和していますが、太陽光発電のパネルを設置する選択肢があります。発電するだけであれば、近くに商業施設や人家がなくとも問題ないため、田舎でも土地を有効活用できる方法として人気です。

ただ、以前と比較すると、発電した電力の買取価格が下がってしまいました。そのため、太陽光発電パネルの設置費用を鑑みると、利益率は低くなっています。土地に余裕があるならばよいですが、他の活用法を選択できるならば、そちらも検討すると良いでしょう。

土地の活用の選び方

土地を有効活用する方法は、上記で紹介したとおりいくつもあります。これらの中から。どのように選択すれば良いのか理解を深めていきましょう。

建築の容易さ

建物を建築する場合、どの程度の難易度で建てられるかが重要です。例えば、マンションと駐車場では、準備や建築のハードルが大きく異なります。

一般的に、建築難易度が高いものほど、多くの費用が必要となりリスクが伴うものです。状況によっては、資金不足から思い通りにならないかもしれません。建築が容易であるかどうかは「そもそも土地を活用できるかどうか」に関わります。実現できる可能性が高い、土地の活用方法を選択するようにしましょう。

投資の少なさ

少ない投資で始められるかどうかも重要です。土地を調達する費用から建物など設備まで、トータルで評価しなければなりません。

基本的に、初期投資が増えれば増えるほど、リスクが高まります。回収できなかった場合のダメージが大きくなるため、本当にその活用方法で良いのか吟味が必要です。逆に少ない投資ならば、最悪の場合、撤退することになっても割り切りやすいでしょう。

収益性

収益性の高さも重要視すべきです。できることであれば、収益性の高い方法での活用をおすすめします。例えば、自動販売機の設置はローリスクですが、収益性は高くありません。逆に、マンションの建築はハイリスクですが、成功した時の収益性は非常に高いものです。

どの程度の収益を目指すかによって、初期費用や背負わなければならないリスクが変化します。土地を確保する際の判断ポイントにもなるため、最初に考えておきましょう。

土地活用を成功させるコツ

どのような土地でも有効活用できるわけではなく、活用するためにはコツがあります。必ず以下を意識しなければなりません。

適した土地を選択する

活用方法に応じて、地域に適した土地を選択することが重要です。土地の状況と活用方法がマッチしていないと、活用に失敗したり利益が少なくなったりする原因となりかねません。例えば、アパート経営したいと考えるならば、ある程度栄えている土地が必要です。人里離れた場所にアパートを建てても、入居者を探し出すことは難しいでしょう。需要と供給を踏まえなければなりません。

なお、適した地域をみつけだし、そこに合う条件のよい土地を見つけるためには、常に最新の情報を収集することが大切です。情報収集の手段としては「スクレイピング」と呼ばれるものがあります。これは、Web上で公開されている大量の情報を、システムを使って自動的に収集する方法です。人間ではなく、システムに任せることで効率よく土地を見つけられます。詳しくは以下の記事もご参照ください。

土地の広さを考慮する

土地の広さも考慮して、活用方法を最終的に決定すべきです。狭すぎたり広すぎたりすると、思うように活動できない可能性があります。例えば、広大な土地に大きなアパートを建てても、満室にはならないかもしれません。初期投資が大きな負担となってしまい、結果的に赤字を生み出す可能性があります。

また、狭い土地に老人ホームを建てても世の中の需要に応えられないでしょう。広さを考慮して、活用の方法を決めることが大切です。

専門家にも相談する

土地を有効活用するために、専門家の意見を取り入れるべきです。自分なりの有効活用方法を見出しているかもしれませんが、専門家がどのような意見を持つかも重要だと考えましょう。

専門家としては、不動産業者や建築会社、各種フランチャイズの窓口などが挙げられます。例えば、コンビニを建てたいのであれば、フランチャイズ窓口に相談すれば適しているかのアドバイスを貰えるでしょう。

利益を求めすぎない

利益を求めすぎないことも土地を有効活用する上では大切です。ある程度の利益は必要ですが、固執しすぎると失敗の原因になりかねません。利益を出すためには、売上を上げるか経費を下げるかが必要です。ただ、土地の活用においては、どちらにも限界があります。売上を上げるには無理な建物を用意する必要があり、経費を下げるには必要なものでも削るしかなくなるのです。しかし、このような土地活用は利用者からの反感を買うなど、悪い結果を招きかねません。高い利益を追い求めるのではなく、安定して適度な利益を得ることを意識しましょう。

土地活用で失敗しないための注意点

土地活用で失敗しないためには以下の注意点を意識しなければなりません。

市街化調整区域かどうか

市街化調整区域は、都市計画法に定められた区域区分のうち「市街化を抑制する」と定められた区域です。そのため、この区域にある土地は基本として住宅や商業施設などの建物を建てられません。結果、有効活用が難しくなってしまうのです。

ただ、絶対に建物を建てられないわけではなく、許可が下りれば建物を建てられます。また、駐車場など建物を建てない土地の活用方法ならば、簡単に問題をクリア可能です。

用途地域はどうなっているか

都市計画法には、用途地域と呼ばれるものが定められています。土地をどのような用途に利用して良いかが定められていて、種類ごとに建設できる建物が決まっています。住宅地・商業地・工業地など13区分が存在するため、それを踏まえることが求められます。

用途地域の定めによっては、予定している土地の活用方法を実現できないかもしれません。法律に係る部分であるため、有効活用するためにも、事前の確認が重要です。

想定している建物は許可されているか

用途をクリアしていても、想定している建物の建設が許可されるとは限りません。例えば、賃貸用に10階建ての建物を建てたくとも、高さの制限から8階建ての建物しか建設できないことがあります。これは一例ですが、土地や物件に関連する法律や権利は多く、これらによって建物の建設が許可されないかもしれません。土地によって制約は大きく異なるため、専門家に相談しつつ、活用方法を決めることが大切です。

土地活用事例

土地を活用する事例は非常に多くあります。どのような例が考えられるか紹介します。

元社宅付き土地の購入とリフォーム

元社宅付きの土地を発見し、これをリフォームして有効活用した事例があります。社宅としての利用が終了したタイミングで、低価格で販売されていたものを取得したことで、取得に必要な費用を抑えられました。

また、取得の費用を抑えられたことで、リフォームに力を入れられたことが特徴です。本来、予定されていたリフォームよりも充実した内容となり、魅力的な物件を持つ土地に変化しました。結果、相場よりも少し高い賃貸物件として貸し出すことに成功した事例です。

人気住宅地での賃貸物件の提供

首都圏の人気住宅地において、住宅が取り壊され土地だけが売りに出されていました。元住人の引っ越しに伴い売却される予定のもので、短期間で売却するために相場よりもやや安価に設定されていたことが特徴です。

こちらは安価で土地を取得できたことにより、自分自身で住宅を建てる余裕がありました。そのまま、土地を貸し出す活用方法もありますが、金銭的余裕から一戸建てを建築し、それを貸し出しています。土地だけよりも、住宅が付いているほうが借り主が見つかりやすいため、より理想的な形で土地を活用できました。また、住宅という付加価値により、土地だけよりも高額で貸し出すことに成功しています。

まとめ

土地の有効活用について解説しました。日本は国土面積が狭いということもあり、どのような土地でも幅広い用途が考えられます。紹介しただけでも10種類の方法があるため、これらを中心に考えてみましょう。

土地を有効活用するには、活用したい用途に合った「お得な土地」を見つけることがポイントとなってきます。弊社のスクレイピング代行を利用すれば、周囲の土地・物件のデータを収集し、分析することで「お得な土地や物件」をいち早く見つけることが可能です。自分自身で闇雲に探すのではなく、代行サービスを活用して、効率よく土地を探してみましょう。