
日本には数多くの補助金が存在し、これらを活用したい企業や経営者は多く見受けられます。ただ、種類が多いことから情報収集に手間取り、結局活用できていないことも多いのではないでしょうか。補助金を効率よく活用するためには、効率よく最新の情報をキャッチし、素早く申請することが重要です。今回は、補助金を活用するメリットから、素早い申請に向けた情報のキャッチアップについて解説します。
補助金情報を収集する際の課題
補助金の情報を収集する際は、いくつかの課題があります。
自分で探さなければいけない
いくつもある補助金の中から自分たちに適したものを探し出さなければなりません。それぞれの公募要項を確認し、受給できる可能性を評価する必要があります。補助金によってはいくつものコースがあったり、複数の要件が設定されているため、入念に確認しなければなりません。また、公的機関に相談しても、どの補助金に申請するべきかのアドバイスはあまりもらえず、基本的には自分で探すことになってしまいます。
同じ補助金でも年によって申請方法・対象が変わることがある
補助金の詳細は頻繁に変更されており、同じ補助金でも申し込むタイミングによって、申請方法や補助条件、申請できる条件などに変更が生じます。これらの情報も細かく確認して、申請できるか判断しなければなりません。また、予算の見直しにより申請の要件が変更される場合があります。前回は申請できなかったが、今回は申請できるということが頻繁に生じることに注意が必要です。
他にも、補助金は一度だけ受給できるものと、複数の要件を満たせば複数回受給できるものがあります。これらも条件が変化することがあるため、その都度確認する手間が発生します。
補助金の種類が多い
そもそも補助金には多くの種類があるため、それを把握しなければなりません。一般的に知られていないだけで、実際には非常に多くの補助金が存在します。まずはどのような補助金が存在するのかを知ることが課題となるでしょう。また、補助金の情報を収集しても、頻繁に種類が増減するため注意しなければなりません。例えば、予算の見直しによって補助金が新設されたり、統合されたりします。これらの細かなキャッチアップも課題となりがちです。
補助金の種類
補助金には様々なものが存在しますが、ここでは代表的なものを6つ紹介します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業などが業務効率化や生産性向上を目的に、ITツールを導入する際の費用を支援する補助金です。2025年度補正予算案で、条件が大きく緩和され、補助上限額が150万円に引き上げられるなど、魅力的なものとなりました。今までは補助の対象外であったITツールが、今回は対象になったり、補助率が拡充されたりするなど、支援内容が定期的に強化されています。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新市場への進出や業種転換など、大胆な事業再構築に取り組む企業を支援する補助金です。2025年度も公募が予定されているものの、第13回で終了し、以降は新設される補助金に引き継がれることが示唆されています。新たな補助金については、詳細が公表されていませんが、補正予算案の内容を確認すると、今までよりも補助上限額が増加し、申請の要件も緩和される見込みです。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業などが革新的な製品やサービスの開発と生産を目指し、設備投資を支援する補助金です。開発ではなく、設備投資に関連する補助金である点に注意しなければなりません。2025年度は補助金の条件緩和と上限額見直しが予定され、今まで以上に大きな支援をしてくれる見込みです。また、従業員区分の見直しや賃上げ要件の緩和など、より申請しやすい補助金となることが示されています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、商工会や商工会議所と連携した取り組みに関する費用を支援するものです。2025年度は補助金の仕組みがシンプルに再構築される予定であり、今まで以上に幅広い小規模事業者が申請できるようになります。特に、今までは複雑な要件が設けられていましたが、2025年度からは、経営計画の立案が重要視される見込みです。より現実的な計画を立て、それを遂行することに対して補助金が支給されます。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業の事業承継とM&Aの費用を支援する補助金です。設備投資や専門家へ依頼する際の顧問料など、幅広い支出を補助してもらえます。2025年度からは、内容がさらに強化されることに伴い、「事業承継M&A補助金」に名称が変更される予定です。
中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は、2025年に新設される補助金です。中小企業の中でも、売上高100億円を目指す企業に向けて、大胆な設備投資や新事業への進出などを支援します。今までは比較的小規模な事業者に対する補助金が中心でしたが、2025年度は、売上高100億円というキーワードを掲げ、様々な補助金が予定されています。こちらの場合、工場やビルなどの大規模な不動産を取得したり、高額になりやすい機器や設備を導入する費用を幅広く補助してくれます。
補助金を活用するメリット
補助金を活用するメリットは大きく3つあります。
返済が不要である
銀行からの融資とは異なり、受給が決まると補助金は返済の必要がありません。返済する場合はキャッシュフローなどを意識しなければなりませんが、補助金ではその点を考慮する必要がありません。ただ、返済が不要であることはメリットですが、基本的に補助金は一度自己資金で支出した後に申請します。最初は自己負担が生じるため、その部分のキャッシュフローは考慮しておかなければなりません。
採択された事実がプラスに働く
メリットの一つとして、銀行などから融資を受ける際に、補助金に採択された事実がプラスに働くことが挙げられます。多くの補助金は書類審査などが厳しく、申請すれば受給できるというものではありません。税金や社会保険を遅延なく納めていることはもちろん、適切な事業計画を立てていることなどが求められます。このような審査に通過し、補助金を受給できているということは、客観的にビジネスの正当性が認められるということなのです。クライアントなどにアピールするものではありませんが、いざというときに大きな後ろ盾となってくれるでしょう。
事業を見直すキッカケにできる
補助金を申請する際は、基本的に事業計画書を提出しなければなりません。この内容が審査では重視されるため、十分な時間をかけて作成する必要があります。その際、事業計画書の作成を通じて自社の事業を見直すきっかけにできるでしょう。特に事業が安定してくると、現状を見直したり、将来の計画を立て直したりすることを失念しがちです。しかし、事業環境は日々変化していることが大半であり、意識的に見直さなければなりません。
補助金を効率的にチェックする方法
補助金は種類が多く、効率的に最新情報をチェックしなければなりません。おすすめの方法を3つ紹介します。
ツールを活用する
情報収集のツールを活用して、補助金の最新情報を得るようにしましょう。例えば、Webサイト更新チェックツール「TOWA」を活用することで、補助金の情報を自動で取得することが可能です。TOWAでは、事前にチェックしたいWebサイトのURLと検知したいキーワードを登録できます。補助金の情報は国が公開する情報や地方自治体が公開する資料などから得られるため、これらの情報が公開されるURLを事前に指定しておきます。ただ、自社には関係しない補助金も数多くあるため、これらを除外する設定も行います。これにより、指定したURLで自社に関連する情報が公開された場合のみ、速やかに検知できるという流れです。
専門家のサポートを受ける
専門家のサポートを受けることで、補助金の情報を提供してもらうことが可能です。例えば、顧問税理士が補助金などの情報を収集し、提供してくれる場合があります。また、行政書士と提携しているならば、そのような専門家から提供してもらうことも可能でしょう。ただ、現在の契約内で専門家が対応してくれるとは限りません。新たに契約を結ぶ場合、当然ながら顧問料が発生します。また、情報提供までにタイムラグが生じることもあり、常に最新情報を得たい場合には最適な手段とは言えないかもしれません。
補助金のポータルサイトをチェックする
補助金はポータルサイトにまとめて掲載されていることがあります。例えば、ポータルサイトを継続的にチェックし、自社の要望に適したものがあれば申請することも可能です。ただし、ポータルサイトにすべての補助金情報が掲載されているとは限りません。また、ポータルサイトを活用した場合でも、定期的に担当者が確認し続ける手間が生じます。そのため、ポータルサイトをチェックする際は、Webサイト更新チェックツールやWebスクレイピングサービスなどを利用することで、大量のデータを簡単に収集し、スムーズに内容を確認できます。
ツールを活用するメリット
解説した通り、補助金を効率的にチェックするためには、ツールの活用がおすすめです。
情報を素早くキャッチできる
TOWAなどのWebサイト更新チェックツールを活用することで、最新の公募情報や締切の変更などを迅速に把握できます。特に、自治体や省庁の公式サイトは更新頻度が高く、頻繁に確認することは大きな負担ですが、自動的に検知し素早く通知してくれるため、情報のリアルタイム性を高められます。短時間での監視・検知と通知を実現でき、素早く行動に移しやすいことは大きなメリットです。
変更があったサイトのみ通知してくれる
補助金情報は複数のサイトに分散しているため、手作業での確認には時間がかかります。そこでツールを活用することで、登録したサイトに変更があった場合のみ通知を受け取れるようにすることが可能です。不要なサイトを何度も訪問する必要がなくなり、効率的な情報収集が可能となるのです。また、TOWAの場合は、変更の内容などを踏まえて、通知先を制御できます。関係のある部署にだけ通知するようにすることで、不要な通知で業務が阻害されることもありません。
変更箇所が一目でわかる
ツールを活用すれば、更新された箇所のみを強調表示してくれるため、どこが変わったのか一目で確認できます。補助金情報の変更は細かい部分に及ぶことが多いため、人間が見落としやすいような部分も可視化しやすいことはメリットです。
まとめ
補助金は自分で見つけて申請する必要があるため、情報収集が課題となりがちです。また、同じ補助金でも年度や回次によって申請方法や対象が変わることが多く、最新情報の収集や迅速な対応が求められます。しかし、いつ情報が出るか分からない補助金について、常にチェックを続けることは非常に大変です。そのため、ツールを利用して、自動的にチェックすることをおすすめします。TOWAならば、事前に登録したURLに変更があった際、関係者に素早く通知が可能です。検知するキーワードを設定できるため、所定の文言が含まれる補助金だけを通知するなどの使い方にも対応しています。