
任意のWebページが更新されたかチェックできるツールに「Distill Web Monitor」があります。Google Chromeなど主要なブラウザはもちろん、デスクトップアプリとしても利用が可能です。事前に設定しておくと、ブラウザやデスクトップの通知機能と組み合わせて、Webサイトの更新を通知してもらえます。
今回はDistill Web Monitorとはどのようなアプリケーションであり、その特徴や使い方はどういったものであるかを解説していきます。
目次
Distill Web Monitorとは
Distill Web Monitorは、Webブラウザの拡張機能やデスクトップアプリとして提供される、Webサイトの更新チェックツールです。本来、Webサイトが更新されたかどうかは、人間がアクセスして変化を探さなければなりません。しかし、Distill Web Monitorに対象となるURLを登録しておくと、自動的に更新を検知して通知してもらえます。
基本的にはユーザアカウントを発行せず、無料で利用できるツールです。ただ、通知を受け取るなど利便性を高めるためには、アカウント発行が求められます。また、有料版も提供されており、こちらに切り替えることでより細かくWebサイトの更新をチェックすることが可能です。
Distill Web Monitorの機能
Distill Web Monitorの機能には、どのようなものがあるかを紹介します。
ウェブサイトの更新監視
Distill Web Monitorの主な機能は、Webサイトの更新監視です。事前にWebサイトのURLを登録しておくことで、そのサイトに変更があった場合に通知を受け取れます。また、サイトの一部分を指定することも可能であり、必要な変更だけを検知することも可能です。
例えば、クライアントのコーポレートサイトの中で「News」の部分だけを監視させられます。この部分に変更があると、何かしら重要なプレスリリースが公開されたと予想できるでしょう。そのため、担当者が変更内容を確認するという業務フローが構築できます。
通知機能
Webサイトの更新を検知して通知することが可能です。通知のためにはアカウント登録する必要があるものの、無料で登録できるため心配はありません。通知方法はメールやSNS、ブラウザやアプリなど多岐にわたることが特徴です。Slack、Discord、MS Teamsなど自身が使っているものと連携できるでしょう。例えば、企業が独自に運営するECサイトで商品の価格を監視するように設定しておきます。そして、その変更を検知してメールで通知するようにも設定するのです。これにより、商品の価格変動を速やかに検知し、購入するなど次のアクションへと繋げられます。
変更履歴管理
Webサイトで変更があった場合、その前後が保存されているため、履歴として確認できます。「変更された」という事実だけではなく「何からなにへと変更された」まで把握できることがメリットです。例えば、ECサイトで価格を監視している場合「前回はいくらだったか」と思い出せないことがあるかもしれません。このとき、Distill Web Monitorならば変更前の履歴が確認できるため、ツール上で以前の価格を正確に把握することができます。
デバイス間の同期
クラウド上へデータを保存することで、デバイス間の同期にも対応できます。パソコンで利用することが前提で作られていますが、スマホなどへの連携が可能であり、必要なときに情報を素早く確認できます。例えば、競合サイトのプレスリリースを迅速に検知したい場合に、パソコンの前に張り付くことは現実的ではないでしょう。そのため、パソコンとスマホアプリでデータを同期させ、どこからでも変更を素早く確認できるようにします。
入力やクリックの自動化
Webサイトへの入力やクリックの自動化にも対応しています。そのため、ログインが必要なサイトや検索エンジンの結果を監視することも可能です。例えば、ログインが必要な会員制のポータルサイトを監視する場合、IDやパスワードの入力とログインボタンのクリックを自動化できます。また、特定のキーワードで検索した結果のみを得たいならば、検索フォームへの入力と検索ボタンのクリックなども自動化できるのです。
Distill Web Monitorでできないこと
Distill Web Monitorは便利なツールであるものの、残念ながら実現できないこともあります。今回は、PigDataが提供するTOWAの機能と比較してどのような部分で困ってしまうことがあるかを紹介します。前提として、Distill Web Monitorは個人向けの製品であり、TOWAは法人や大規模な情報収集が必要な個人を想定したツールです。この点も踏まえて、違いを理解するようにしてみてください。
監視できるサイト数が少ない
Distill Web Monitorの監視できるサイト数は、無料プランの場合は最大で150URL、Flexiの場合は500URL以上登録できます。しかし、1つのWebサイトに対して、複数のページをチェックすることもあり、実際に登録できる「ウェブサイトの数」という観点では、相当に限られてしまいます。これに対して、TOWAであれば、最大で25,000URLの登録が可能です。このように登録できるURLの数には大きな違いがあり、TOWAならばチェックできるがDistill Web Monitorではチェックできないという事態が生じてしまうのです。
ログインできるデバイス数に制限がある
Distill Web Monitorはログインできるデバイス数が3台までと制限されています。Flexiの場合は4台以上でも登録できますが、それでも少ない場合があります。個人での利用を想定しているため、3つのデバイスからログインできれば問題なく活用できます。これに対して、TOWAはログインできるデバイス数に制限はありません。法人での利用を想定しているため、様々な担当者が自由にアクセスできるように考えられています。TOWAはそれぞれの担当者が、自分のタイミングで業務をこなせますが、Distill Web Monitorはタイミングが制約されるリスクがあります。
チームでの共有ができない
Distill Web Monitorは、個人向けのサービスであるため、他アカウントとのデータ共有ができません。すべて個人のアカウント内でデータを処理する必要があります。これに対して、TOWAは、活用範囲に合わせてユーザー数を増やすことが可能です。これらのユーザをチームとして扱えるため、データ共有や連携がスムーズに行えます。属人化を排除したり、効率よく他者と連携したりすることがDistill Web Monitorはできません。
Distill Web Monitorのインストール方法
実際にDistill Web Monitorをインストールする方法を紹介します。
対応ブラウザ
Distill Web MonitorはWebブラウザの拡張機能として利用する方法と、デスクトップアプリとして利用する方法があります。Webブラウザの拡張機能として利用する場合、以下のブラウザに対応しています。
- Chrome
- Firefox
- Edge
- Opera
インストール手順
Webブラウザの拡張機能として利用する場合、インストール手順は各ブラウザのストアを経由したものです。例えば、GoogleChromeの場合、以下の画面からインストールできます。

拡張機能であるため「Add to Chrome」をクリックするだけでインストールが完了します。各ストアのURLは公式サイトに掲載されているため、最新版を確認するようにしてください。
また、Webブラウザの拡張機能ではなく、デスクトップアプリとして利用することも可能です。この場合も公式サイトへアクセスし「Desktop Apps」から、利用しているパソコンのOSに適したインストーラーをダウンロードしてインストールしてください。
Distill Web Monitorの使い方
Distill Web Monitorは、ブラウザごとにWebブラウザ拡張版とデスクトップアプリ版があります。ただ、どれも基本的な使い方は大きく違わないため、今回はGoogleChromeのブラウザ拡張版を利用して紹介します。
ページ全体の監視
最初に、ページ全体の変更を監視したい場合を解説します。この場合、監視したいWebサイトへアクセスし、Distill Web Monitorの設定が必要です。今回は、弊社のトップページを指定してみます。Webサイトへアクセスしたのち、Distill Web Monitorの拡張機能をクリックします。

続いて、表示されたメニューから「ページのパーツを選択 > ページ全体を監視」をクリックします。

クリックすると、監視オプションの設定画面が表示されます。

監視間隔(スケジュール)などを指定できるため、要件に沿った設定を施しましょう。設定後は「保存」をクリックします。
ページ一部分の監視
ページ全体ではなく、ページの一部分だけを監視したいこともあるでしょう。この場合は、監視したいWebサイトへアクセスし、Distill Web Monitorで一部だけを監視する設定が必要です。今回は、弊社の導入事例を指定します。Webサイトへアクセスしたのち、Distill Web Monitorの拡張機能をクリックします。

続いて、表示されたメニューから「ページのパーツを選択」をクリックします。

監視したいエレメントの選択画面が表示されるため、導入事例部分を指定します。

「選択箇所を保存」をクリックすると、監視オプションの設定画面が表示されます。

監視間隔(スケジュール)などを指定できるため、要件に沿った設定を施しましょう。設定後は「保存」をクリックします。
変更のメール通知
変更内容はDistill Web Monitorのアカウントを作成することで受け取れるようになります。最初に、Distill Web Monitorの公式サイトからアカウントを作成しておきましょう。

メールアドレスなどを入力する方法とGoogleアカウントを利用する方法があります。メールアドレスを利用する場合は、入力することでアドレスを認証するメールが送られます。こちらをクリックすることで、アカウント作成は完了です。Googleアカウントを利用する場合は連携すれば簡単にアカウントを発行できます。
アカウントを作成したあとは、監視の詳細でメール通知を設定しましょう。赤枠部分をクリックします。

以下のように通知が追加されます。

設定できれば、実際にメールが届くのを待つだけです。実測値では、変更が生じてから数分程度でメールが届きます。
Distill Web Monitorの活用方法
最後にDistill Web Monitorの活用方法を例を挙げて紹介します。
商品の価格を監視する
商品の販売ページを監視して、価格の変動を把握する使い方があります。企業のECサイトなどを監視して、変化があれば速やかに通知することが可能です。監視する部分を指定できるようになっているため、違う部分が変更されても通知されることがありません。アマゾンなど大手のECサイトでは価格の変更などを検知するツールが提供されていることがあります。しかし、企業が提供するECサイトにはそのようなツールが存在しないため、Distill Web Monitorを活用して効率よく価格変動を把握することができます。
チケットの販売状況を監視する
各種チケットの販売状況を、人間が細かくチェックする作業は大きな負担です。また、タイミングが悪く、チケットの販売に気づけず、後悔するに違いありません。そこでDistill Web Monitorでチケットの販売サイトを監視し、ステータスが売り切れから販売中に更新されるなどを検知できるようにします。また、チケットがあまりに高額で購入できない場合は、値下げされるタイミングを通知できるようにするのも良いでしょう。メールやSMSなどで、これらの変更を検知できるようにすれば、頻繁にサイトをチェックせずとも、必要なチケットを購入しやすくなります。
競合サイトの情報を監視する
競合サイトの動向を検知する際にも、Distill Web Monitorが役立ちます。他社のリリース情報などを検知することによって、どのような商品が発売されるかを素早く確認できるのです。さらに、その内容を踏まえて新たな戦略を立てることも可能でしょう。また、競合サイトのWebサイトを監視するだけではなく、検索エンジンの結果を監視することも可能です。もし競合他社がSEOに力を入れて、新たな製品をランキング上位に持ってきたならば、それに対抗するなどのアクションが取れるようになります。
書類の更新を監視する
Web上で公開されるPDFなどの書類情報を監視することも可能です。例えば帝国データバンクでは、収集した様々な情報を定期的にアップデートして公開しています。このような情報の中から、自社に必要な情報だけをピックアップして、通知するなどの使い方が可能です。全ての法人について確認することは非常に大きな手間ですが、ピックアップされていれば、最小限の手間で済みます。
Distill Web Monitorの料金体系
Distill Web Monitorは基本無料で利用できますが、有料プランも用意されています。月払いの場合、以下のような選択肢があります。
プラン | Free | Starter | Professional | Flexi |
価格 | 無料 | $15/mon | $35/mon | $80+/mon |
クラウドを用いた監視間隔 | 6時間 | 10分 | 5分 | 2分 |
監視対象数 | 25 | 50 | 150 | 500以上 |
月あたりのチェック回数 | 1,000 | 30,000 | 100,000 | 200,000以上 |
デバイス数 | 2 | 3 | 3 | 4以上 |
送信アラート数 | 30回 | 2,000回 | 無制限 | 無制限 |
まとめ
Distill Web MonitorでWebサイトの更新チェックを自動化することが可能です。また、Webページ全体ではなく、一部だけを指定できることも魅力でしょう。ただ、海外製品であるため、サービスがいつ終わるのかやサポート体制が不安を感じやすいことも事実です。
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