
企業が他社と取引をすすめる際に、その企業と取引をすることにリスクがないかをチェックする必要があります。そのひとつが、コンプライアンスチェックです。コンプライアンスチェックの定義はなんなのか、コンプライアンスチェックはどのようにすればよいのか、また、コンプライアンスチェックができるツールをご紹介します。
コンプライアンスチェックとは
コンプライアンスとは本来、法令遵守という意味を持っていますが、昨今は法令のみならず社会倫理・社内規則といったより広い範囲のルールを遵守する意味で使われることがほとんどです。そして、コンプライアンスチェックとは、取引先などがコンプライアンス違反していないか確認することを指します。
例えば、取引の際に反社会的勢力との関係がないことの確約を契約時の条件として記載しているケースが見受けられます。
特に大企業であれば取引先も多岐に渡り、コンプライアンスのリスクが高くなるため、徹底したコンプライアンスチェックが重要といえるでしょう。
コンプライアンスチェックの重要性
企業を守るという意味で、コンプライアンスチェックは大きな役割を果たします。コンプライアンスチェックの効果として、社会的信用力やブランド力が損なわれるリスクを予防できる点が挙げられます。例えば、新たに取引を開始する企業にコンプライアンスチェックを行うことで、取引しても問題ない相手かどうかを明確にすることができます。一方で、コンプライアンスチェックを行わなかった場合、仮に取引先が反社会的勢力とつながりがあれば、これは自社にとってもコンプライアンス違反になってしまうのです。
コンプライアンスチェックを徹底することは、企業が活動を続ける上で非常に重要な前提条件のひとつだといえるでしょう。
コンプライアンス違反によるリスク一覧
コンプライアンス違反によって社会的信用力やブランド力を損なってしまった場合、以下のようなリスクが想定されます。
- 取引先、顧客離れ
- 行政処分
- 金融機関からの支援停止
- 上場廃止
コンプライアンスチェックする方法
コンプライアンスチェックを行う方法について紹介します。
Webで検索する
Webの検索でコンプライアンスチェックができます。
例えば、取引先の企業名や代表者名のあとに「反社会的勢力」「不祥事」などのワードと合わせて検索し、事例が検索されないかをチェックします。
取引先が多い場合、非常に多くの時間と工数が発生します。また、Web情報の中には信憑性に欠ける内容も多く存在するため、情報の選別という意味でも担当者に負担が掛かります。効率的な手段とはいえませんが、手軽に始められ、担当者の人件費以外の料金が発生しない点はメリットと考えられるでしょう。
新聞・雑誌記事検索をする
新聞や雑誌記事のデータベースを活用し、Web検索と同じ要領で検索します。新聞や雑誌はWebと比べて信頼できる情報源であるため、Webのように情報の選別を行う工数は削減できますが、やはり多くの時間と工数が発生してしまいます。
業界団体などが提供するリストを活用する
業界ごとに反社チェックデータベースを提供している団体があります。
例えば、不動産業界や飲食業界には、取引を行う上で注意すべき顧客や、そもそも取引を禁止する顧客のデータベースを所有しているため、精度の高い情報にアクセスすることが可能になります。
調査会社に依頼する
法人・個人を問わず、反社会的勢力との関わりの有無について専門的に調査を行う会社が存在します。流れとしては、調査対象者の情報などを擦り合わせた後、約2、3週間程度の調査を行い、その後調査結果のレポートを受け取ります。
Web検索や新聞・雑誌記事検索を行った結果、疑うべき情報が見つかった場合など、判断に迷うケースで依頼するのがおすすめです。
チェックツールを活用する
チェックツールは、取引先やその社員が反社会的勢力と関わっていないかを自動でリサーチします。
Webや新聞・雑誌記事といった公知情報、業界団体などが持つ非公知情報を参考にコンプライアンスチェックが可能で、担当者の時間と工数面で負担が掛からない便利さが特徴です。
コンプライアンスチェックのためのおすすめツール
コンプライアンスチェックに活用できるおすすめツールを8つ紹介します。
RISK EYES
ソーシャルワイヤー社が提供しているRISK EYESは多くの上場企業・上場準備企業への導入実績があり、既存の業務システムと連携し検索方法を表示することができるため、業務効率化も期待できます。
データソースはWebの公知情報からブログ・掲示板への書き込み、政府・国際機関の制裁リストまで幅広く検索可能です。
価格は月額15,000円からもしくは1件300円で利用でき、初期費用などは発生しません。
minuku
セナード社が提供しているminukuは、企業のニーズに合わせた個別調査、Web情報を常時巡回する技術によってリアルタイムに情報収集が可能です。
データソースはWebの公知情報、提携している調査期間、社員が国会図書館で収集した情報など、広い情報源をカバーしています。
価格は月額17,600円もしくは1件1,650円となっています。
TOWA
インディゴデータ社が提供しているTOWAは、指定したWebサイトを全て監視することができる「Webサイト監視ツール」です。国内のみならず海外のWebサイトにも対応しています。自身で設定したキーワードが発見された際にアラート機能で通知するなど、リアルタイムで情報収集が可能です。
また、豊富なプランがあり、カスタマイズが可能なためニーズに沿った使い方が見つかるでしょう。
無料トライアルが可能であり、有料プランの価格は月額64,000円からです。
DQ反社チェック
ディークエストホールディングス社が提供しているDQ反社チェックは、反社会的勢力の調査サービスを開始してから20年という老舗で、簡易チェック・詳細チェックなどニーズに沿った調査方法が選択できます。世界100ヵ国以上の公知・非公知情報を情報源としています。
価格は1件300円となっており、月額・年額プランはありません。
リスモンかんたんコンプラナビ
リスクモンスター社が提供しているリスモンかんたんコンプラナビは、企業検索・企業概要の確認・コンプライアンス情報表示という3段階で、取引先企業の反社リスクをチェックすることができます。
国税庁が提供する法人番号情報をベースにした公知情報等から、500万社を超える独自のデータベースを保有しており、精度高く反社リスクを分析することが可能です。
価格は月額20,000円、初期費用30,000円となっています。
RoboRoboコンプライアンスチェック
オープンアソシエイツ社が提供しているRoboRoboコンプライアンスチェックは、AIを組み込んだツールで、キーワードとの関連性が高い情報をピックアップする機能を持っています。Web・新聞記事といった公知情報を主なデータソースとし、検索情報は注目すべき情報から順に表示されます。
価格は100件まで20,000円となっており、月額・年額プランはありません。
反社チェッカー
PRBASE PTE社が提供している反社チェッカーは、会員登録後すぐに利用可能なため、急にチェックが必要な時でも利用できます。Web・新聞記事・テレビなどの公知情報をデータソースとしており、初めての方にも使いやすいシンプルさが特徴です。
価格は月額10,000円となっています。
パワーサーチ
アラームボックス社が提供しているパワーサーチは、取引先の反社チェックに加え、与信情報などの信用情報を収集することができます。「OK」「HOLD」「NG」と一目でわかるタグがつけられ、新規取引の際の調査が簡易化されます。
データソースはWeb情報で、価格は月額3,000円から利用可能です。
まとめ
この記事ではコンプライアンスチェックについて解説しました。
企業が活動を続けていく上で、コンプライアンスの意識を高く持つことは必須です。例えば取引先に1社でもコンプライアンス違反している企業があれば、それは自社にとって大きな信用問題になります。コンプライアンスチェックを徹底して行い、日頃からリスクを予防するようにしましょう。
コンプライアンスチェックには様々な手法がありますが、人の手で行うにはあまりに負担が大きいため、ツールの活用をおすすめします。取引開始時だけではなく、継続的にチェックが必要だと考えられる場合は「Webサイト監視ツール」でチェック業務を自動化することで漏れなく効率的なコンプライアンスチェックが可能です。
TOWAは多くのURLを登録できるため、取引先が多い企業がコンプライアンスチェックをするのに最適です。継続的なコンプライアンスチェックをご検討の場合はご相談ください。