
他社サービスを活用してデータ収集を行う場合、その納品方法はいくつかあります。
ツールなど柔軟性が低く、自分でそのツールからダウンロードするものの場合は選ぶことができない場合が多いですが、データ収集を委託するなど、個別対応のサービスの場合は自社の状況に合わせて選ぶことが可能です。特に、スクレイピングはWebサイトに存在するあらゆる形式のデータ収集が可能であり、その納品方法も多くあります。
本記事では、納品方法でも特にスクレイピングサービスにおいて、Webから得られるデータの種類から弊社PigDataスクレイピング代行サービスで可能な納品方法、また、状況別おススメ納品方法をご紹介します。
スクレイピングで収集できるWebデータの種類
データの種類 | 内容 |
テキストデータ | 文字コードだけで構成されており、Web上に文字として認識されているデータです。文字のように見えても、実際は画像の場合もあるので、その場合はテキストデータとして取得できません。 数字や文章であるため、分析しやすい傾向にあります。 |
画像データ | jpegやpngなどの静止画データです。 AIの教師データのように直接使われる場合や、市場調査の参考として使われる場合があります。 |
ファイルデータ | PDFやExcelなど、その中にさらにテキストや画像が入っている可能性のあるデータです。そもそも何かのアプリケーションを用いて作成されているため、確認するにも専用のアプリケーションが必要となります。 |
動画データ | mp4やmovなどのデータを指します。 画像データ同様の活用が多くみられます。 |
音源データ | mp3やwavなどのデータを指します。 画像データ同様の活用が多くみられます。 |
HTMLソースコード | Webサイトを構築しているプログラミングコードで、Webサイトの表面上見られない識別番号などがテキストとして存在しています。 識別番号をもとに、表面に見えているテキストや画像データの区分けをして分析することが可能となったりします。 |
PigDataスクレイピング代行でできる納品形式
ファイル
取得したデータを希望のデータ形式(CSV、Xlsx、Json、PDF、pngなど)zipファイルなどでまとめて格納し、納品します。
納品の手段としては主に、メールで送るか、指定されたサーバーに格納することができます。
他にも、取得したデータをGoogleスプレッドシートに直接納品することも可能です。Googleスプレッドシートに納品すると、社内共有が簡単に行え、開発の必要性がないため比較的迅速に対応できますが、表示方法はダッシュボード開発のように柔軟性はありません。
ダッシュボード
ダッシュボードを個別に開発し、そのダッシュボード上に収集したデータを確認することができます。表示形式はオリジナルで作成が可能であり、ダッシュボードで分析するアルゴリズムなどを組んだりすることもできます。
継続的にスクレイピングでデータ収集を行う場合や、チームでデータを共有する場合に有効的な納品形式です。
API
スクレイピングしたデータが既存システム等に直接連携できるようAPIとして提供が可能です。既存システムとAPIを連携させるための開発を行うことも可能です。
収集したデータをマスターデータとして更新する必要がある場合や、継続的にデータ活用するシステムを構築する場合に有効的です。
レポート
スクレイピングで収集したデータを分析した結果と、その根拠となるデータを一緒に納品します。データサイエンティストがいない、時間がない等、自社で分析することができない理由がある場合に活用されます。
納品方法はファイル形式と同様で、メールや指定されたサーバーに格納するかたちで納品します。
※一般的なスクレイピングツールでのデータ納品方法
一般的にツールとして提供されているスクレイピングサービスは、SaaS型であり、収集できるデータ形式も限られてきます。また、そのデータ納品方法の多くがCSVやExcelでのダウンロードとなり、応用がきかないものとなっています。
【状況別】おススメの納品方法例
チームで使える営業リストが必要
メール等でCSVやExcelデータを納品することがおススメ。
営業リストは企業名と電話番号以外にも業種・所在地・資本金などが含まれているため、CSVやExcelであればフィルタリングも簡易であり、優先順位もつけられます。この納品方法であれば、納品後すぐに営業リストとしての活用が可能です。
活用する営業担当者が多い場合は、CSVを社内サーバーやスプレッドシートに納品することで、リスト共有の手間を省くことができます。
顧客状況をデータで把握して営業の効率化が求められている
ダッシュボードでの納品がおススメ。
知りたい顧客情報をダッシュボード上に表示させ、どのような更新があったのか、以前はどのような状態だったのかを把握できます。
既存顧客のサイト情報に更新があったかどうかのみを知りたい場合には、Webサイト更新チェックツール「TOWA」での提供も可能です。
データサイエンティストが社内にいないが、収集したデータを分析したい
ダッシュボードでの納品がおススメ。
分析のためのデータを蓄積し、誰でも活用できるかたちでデータを残しておくことができるため、自社内で実際のデータを使いながら試行錯誤することが可能です。
また、既存の分析ツールにはない機能等をカスタマイズすることも可能なため、将来やりたい分析が明確になった際に、PigDataのダッシュボードならその都度カスタマイズを実現することができます。
1からポータルサイト開発を任された
CSV等のファイル形式を自社サーバーに納品するのがおススメ。
Webサイト開発担当者がアクセスできる自社サーバーに納品することで、重たいデータのやり取りを社内で行う手間も省けます。
ポータルサイトのデータ更新を随時しなければならない
APIでの納品がおススメ。
随時内容の更新が必要なポータルサイト等のデータの場合、更新担当者が毎回データの差分を拾って作業をするのは大変ですが、APIなら自動でWebサイトの決められた箇所に決められたデータのアップデートを行えるため、担当者の手間を省きつつ確実にデータ更新ができます。
収集したデータを分析ツールで活用する
一度きりの分析に使うのであればCSVをメールなどで納品、継続的な分析に活用するのであればAPIでの納品がおススメ。
CSVは多くの分析ツールで利用しやすく、一度きりの分析に活用するのであればひとつのCSVデータで十分ですが、継続的な分析を行う場合は分析ツールにデータを直接API連携させることで、いつでも最新のデータで分析を行うことができます。
データサイエンティストが社内にいないが、顧客にデータ分析したレポートを求められた
レポート形式での納品がおススメ。
スクレイピングで収集したデータは、基本的に分析等の加工をして活用することが義務付けられているため、そのままのデータをクライアントに渡すことはできません。分析が必要な場合はPigDataのデータサイエンティストが分析し、すぐに活用できる形式で渡すことが可能です。
営業管理システムなど、すでに利用しているサービスを維持しながらデータ連携をしたい
APIでの納品がおススメ。
すでにプロジェクトがすすんでおり、自社で活用しているシステムが確立している場合、システム内の自動化したい箇所のみを随時更新させる必要があります。その場合はAPIでスクレイピングしたデータを既存システムに取り組むことで課題を解消できます。
収集したデータの日時、週次のデータ変化をモニタリングするサービスを運用している場合
CSV等のファイル形式を特定サーバーに納品するのがおススメ。
APIでもデータ連携は可能ですが、APIは収集したデータの一部を必要な時のみ呼び出す仕組みのため、日時、週次とデータが変化するようなサービスと連携させる場合、データグループが複数となってしまい、APIによるアクセス回数が多くなることで、作業効率が下がる可能性があります。一方、サーバーに納品することで、複数グループのデータ全体を連携したい場合でも、サーバーから一挙にアクセスすることができます。
データ納品方法の選び方
目的を確認する
スクレイピングで活用したデータをどのような目的で活用するか、でデータ納品方法は変わります。分析で使うのか、マスターデータとして使うのか、社内周知用なのか、など目的が変わると適切な納品方法も変わっていきます。データを効率的に使える方法から納品方法を決定するとよいでしょう。
社内の状況を把握する
スクレイピングしたデータを活用する人、部署、がどのような状況にあるのかを把握します。今どのようなシステムを使っているのか、収集したデータを何人で活用するのか、誰がどのデータベースにアクセスできるのか、セキュリティ面などを洗い出すことで、最適な納品方法を決定できます。
予算を確認する
納品方法によってその費用は変わってきます。例えば、ダッシュボードを構築するとなると、初期費用が高くなる可能性があります。社内の目的や社内の状況に合わせることが第一優先ですが、予算に合わない場合はGoogleスプレッドシート上に納品するなど、予算内でできる最適な方法を検討していきます。
まとめ
スクレイピングはWeb上にある様々なデータを収集することが可能であり、そのデータの納品方法はサービスやツールによって異なります。納品方法を検討する際はスクレイピングするデータの活用の仕方、また社内の状況を把握したうえで最適な方法を選ぶとよいでしょう。
PigDataではお客様の状況をお伺いしたうえで、最適な納品方法をご提案します。独自のアルゴリズムによるレポート作成やダッシュボードの作成なども可能です。
スクレイピングでデータ活用をご検討の際はご相談ください。