
BIツールを導入するにあたり「TableauとPower BIの違いを知りたい」と考える方も多いでしょう。
データ活用の重要性が高まっており、近年は多くのBIツールが提供されています。なかでも、TableauとPower BIは多くの企業に利用されているツールで、競争力の向上やデータドリブン経営の実現に有効です。
本記事では、TableauとPower BIにおける基本項目やデータ前処理・可視化の違いについて解説します。TableauとPower BIの違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
TableauとPower BIの比較表

TableauとPower BIの違いを一表にまとめたものは以下の通りです。
Tableau | Power BI | |
---|---|---|
提供元 | Salesforce | Microsoft |
公式サイト | https://www.tableau.com/ja-jp | https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-bi |
概要 | 12年連続でBIツールのリーダー製品として選出された実績があり、カスタマイズ性や拡張性が高い | Microsoft office製品やAzureとのスムーズな連携ができ、コストパフォーマンスが高い |
料金 | 1,800円~ | 2,098円~ |
主な機能 |
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メリット |
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デメリット |
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ライセンス | 主に3種類 | 主に2種類 |
データの前処理 | Tableau Prepを活用 | Power Queryを活用 |
可視性と操作性 | 直感的な操作で多彩なビジュアル化が可能 | 多少操作が複雑だが理解しやすいビジュアル化が可能 |
データの共有と配信 | Tableau ServerもしくはTableau Onlineを活用 | Power BI Serviceを活用 |
ここからは、上記の各項目について詳しく解説します。
TableauとPower BIの基本項目における違い

まず、TableauとPower BIにおける以下の基本項目について解説します。
- Tableauの概要
- Power BIの概要
- 料金
- 主要機能
- メリット
- デメリット
Tableauの概要
Tableau(タブロー)は、Salesforce社が提供しているBIツールです。もともと、Tableau社が開発・提供していましたが2019年6月にSalesforce社が買収しました。12年連続でBIツールのリーダー製品として選出された実績があります。専門知識やスキルがなくても、マウスの操作だけでレポートを迅速に作成できます。
また、カスタマイズ性や拡張性が高い点もTableauの特徴です。ExcelやGoogle Sheets、クラウドストレージなど多くのデータソースとも統合可能で、目的に応じた最適なデータ分析ができます。
Power BIの概要
Power BIは、Microsoft社が提供しているBIツールです。Microsoft office製品やAzureとのスムーズな連携ができ、インターフェースも似ているため多くの人がスムーズに操作可能です。
比較的価格が安く、高いコストパフォーマンスを誇ります。また、高度なデータ分析機能が実装されているため、複雑なデータにも対応できます。
料金
TableauとPower BIの料金プランは以下の通りです。
続いて、データの可視化と分析を行います。データ可視化・分析手法にはさまざまな種類があるため、目的に応じて最適な方法の選択が重要です。データ可視化・分析手法の一例は以下の通りです。
Tableau |
Power BI |
||
---|---|---|---|
Tableau |
無料アカウント | ||
Tableau Viewer |
1,800円 5,040円 9,000円 |
無料 | |
Enterprise |
有料アカウント | ||
Enterprise Viewer |
4,200円 8,400円 13,800円 |
Power BI Pro Power BI Premium Per User Power BI Embedded |
2,098円 3,598円 要問合せ |
Tableau+ |
|||
要問合せ |
なお、上記は年払いした場合の1ユーザー一月あたりの料金です。また、上記ライセンスの詳細は後ほど詳しく解説します。
参照:Tableau の価格|Salesforce
参照:Power BI の価格|Microsoft
主要機能
TableauとPower BIの主な機能は以下の通りです。
- データの抽出や加工、分析
- データのビジュアル化
- ダッシュボードの作成
- ダッシュボードの自動更新
- 他者へのデータ共有
操作やビジュアル化方法などに違いはありますが、主な機能は変わりません。
メリット
Tableauにおける最大のメリットは、直感的に操作できることです。高度な知識やスキルがなくても、ドラッグ&ドロップでデータをビジュアル化できます。また、活発なユーザーコミュニティが存在して、情報を簡単に見つけられます。
Power BIは高いコストパフォーマンスが大きなメリットです。高性能にも関わらず手ごろな価格であるため、多くの企業が利用しやすいでしょう。また、多数の企業が利用しているMicrosoft office製品とシームレスな連携が可能です。
デメリット
Tableauのデメリットはコストが高いことです。Power BIを含め、他のBIツールと比較してもTableauは多少高い価格設定となっており、予算に余裕がない企業には負担となるケースがあります。また、カスタマイズにはある程度の知識やスキルが求められます。
一方、Power BIはTableauと比べ使いこなすまでに多少の時間がかかります。また、データの前処理を行うにあたりM言語やDAX言語の習得が必要です。
TableauとPower BIのライセンスにおける違い

次に、TableauとPower BIのライセンスにおける違いについて解説します。
Tableau
Tableauには主に以下3種類のライセンスが存在します。
- Tableau Viewer:分析結果を閲覧するためのライセンス
- Tableau Explorer:他のユーザーが作成したデータソースを用いて、レポートやダッシュボードの開発が可能なライセンス
- Tableau Creator:データの準備や分析、コンテンツの作成が可能なライセンス
Tableauの利用には、Tableau Creatorが1つ以上必要です。
Power BI
Power BIには主に以下2種類のライセンスが存在します。
- Power BI Pro:データの分析やレポートの作成・共有が可能なライセンス
- Power BI Premium Per User:データ容量や性能が高度化したエンタープライズ向けのライセンス
レポート共有を行わない個人での利用を想定している場合には、無料アカウントの利用もおすすめです。ただし、無料アカウントの場合最大データソースが1レポートあたり1GBで、最大ストレージ容量が10GBとなっています。
TableauとPower BIのデータ前処理における違い

データ前処理とは、収集したデータを分析できるように加工することです。例えば、データ欠損値の補完や不適切なデータの除去が該当します。
続いて、TableauとPower BIのデータ前処理における違いについて解説します。
Tableau
Tableauでは「Tableau Prep」と呼ばれるデータプレパレーションツールを活用して、データの前処理を行います。データプレパレーション(Data Preparation)ツールとは、データの収集や集計・統合、加工などを行いデータを分析可能な形に変換するツールのことです。Tableau Prepを活用すれば、直感的にデータの結合や変換、クリーニング・フィルタリングができます。
Power BI
Power BIの場合「Power Query」と呼ばれるデータ変換ツールを用いて、以下の3つの方法でデータの前処理を行います。
- タブによる操作
- M言語の使用
- DAX言語の使用
タブによる操作は直感的にできますが、M言語とDAX言語の理解は多少難易度が高いでしょう。
TableauとPower BIのデータの可視化と操作性における違い

続いて、TableauとPower BIのデータの可視化と操作性における違いについて解説します。
Tableau
Tableauでは、複数のオプションが用意されており、折れ線・棒・円グラフや地図、ダッシュボードなど多彩なビジュアルでデータを視覚化できます。また、ダッシュボードを機能を活用すれば、複数のデータを一画面で表示可能なため一目で情報を把握できるでしょう。
さらに、操作性も高くドラッグ&ドロップでデータをビジュアル化可能です。専門的な知識やスキルは必要ありません。デザインの調整やフィルタ適用など、柔軟にカスタマイズできるのも嬉しいポイントです。
Power BI
Power BIでは、以下を活用したビジュアル化が可能です。
- グラフ
- 表
- カード
- チャート
- マップ
また、カラー・テーマの変更や軸のカスタマイズ、ラベル編集などもできるため、理解しやすいビジュアル化に役立ちます。
Microsoft office製品のインターフェースと似ているため、馴染みがある方も多いでしょう。ただ、Tableauと比べると多少操作が複雑です。
TableauとPower BIのデータの共有と配信における違い

次に、TableauとPower BIのデータの共有と配信における違いについて解説します。
Tableau
Tableauでは、以下を用いることによりデータ共有と配信が可能です。
- Tableau Server
分析結果を共有するためのプラットフォームです。モバイル対応もしているため、スマホでもデータの確認や編集が可能です。 - Tableau Online
クラウドベースの分析プラットフォームです。インストールやアップデート、保守・運用・監視は不要なため運用の手間を抑えられます。
Power BI
Power BIの場合、Power BI Serviceを用いることでデータ共有と配信が可能です。クラウドベースのサービスであるため、インターネット環境さえあれば社外からも利用できます。また、データのセキュリティやアクセス権の管理などもでき、安全に利用可能です。
【2025年最新】Googleトレンドに基づく注目度の比較

以下は、Googleトレンドを活用して分析した、2025年6月時点の日本におけるTableauとPower BIの注目度比較グラフです。青がTableau、赤がPower BIとなっています。

出典:Googleトレンド
上記によれば、Tableauの方がPower BIよりも検索回数が多く、注目度が高い結果となっています。
Tableauの導入事例

12年連続でBIツールのリーダー製品として選ばれ、Power BIよりも高い注目を集めているTableauは、すでに多くの企業で利用されています。
例えば、A社ではTableauの導入により経営資料を確認する帳票作成の効率化に成功しました。Tableau導入以前は、リアルタイムなデータを確認できず、情報の提出を依頼した部門が忙しければ、拒否されることもありました。Tableauの導入により、帳票作成時間の削減だけでなく、部門を横断して売上データの確認が可能な体制が整備でき、施策検討における時間の30%短縮につながっています。また、データを確認する文化の第一歩になり、データ活用推進にも役立ちました。
まとめ

TableauとPower BIも、データの抽出や加工・分析、ビジュアル化などの基本的な機能に違いはありません。ただ、Tableauは直感的に操作でき、専門的な知識・スキルが不要で利用可能な一方で、Power BIは操作に慣れるまで多少の時間がかかります。誰もが分析・可視化を行ってデータを活用するならTableauがおすすめです。
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