固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している方にかかる税金です。土地や建物などの固定資産を所有している方の中には、固定資産税の内容や計算方法を知らずに支払い続けている方もいるかもしれません。今回は、固定資産税とは何か解説した上で、所有している土地の固定資産税を下げる方法も紹介します。所有している土地を有効活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

固定資産税とは

固定資産税とは、家や土地を所有している方に支払い義務のある地方税のことです。地方税なので、支払先は家や土地が所属している自治体へ支払います。固定資産税の対象は、以下の通りです。

• 土地＝住宅用地、田畑、山林など
• 建物＝一戸建て、分譲マンションなど
• 事業者が所有する償却資産＝自動車税以外の機械、器具、備品など

地価の高い地域は、固定資産税が高くなります。支払い義務がある方は、固定資産税課税台帳に記載されている固定資産税の所有者です。

固定資産税の計算方法

固定資産税は必ず支払わなければいけないため、きちんとお金を用意しておかなければいけません。そのため、事前に概算で支払額を知っておきたいものです。固定資産税額は、どのように決定するのでしょうか。ここからは、固定資産税の計算方法を解説します。固定資産税の計算方法の順番は以下の通りです。

1. 固定資産税評価額を確認する
2. 土地の固定資産税を計算する
3. 建物の固定資産税を計算する

それぞれについて詳しく解説します。

固定資産税評価額を確認する

固定資産税の計算は、「固定資産税評価額」を確認することからはじめます。土地や建物などの資産を所有している方には、定期的に納税通知書が届きます。納税通知書に固定資産税評価額が記載されています。固定資産税を計算する際には、この固定資産税評価額が基本となります。ちなみに、固定資産税評価額は、各自治体が一定の方式に則っておこなっています。

土地の固定資産税を計算する

固定資産税評価額を計算した後は、土地と建物の固定資産税を計算する段階に入ります。土地の固定資産税は、「土地の面積」×「路線価」で計算されます。しかし、この計算方法は、素人では複雑です。そのため、おおまかな税額を計算したい場合は、「土地の時価」×70%でも概算可能です。

建物の固定資産税を計算する

建物の固定資産税の計算は、土地の固定資産税の計算と分けておこなわなければいけません。建物の課税標準額の計算は、「再建築価格方式」を使用します。この方式を採用することによって、建物の経年劣化や評価、減額をおこないます。ただし、この評価に関しては、個人でおこなうことはできません。そのため、建物の課税標準額の概算を知りたい場合には、建物の購入金額×50%〜70%として計算します。

土地の固定資産税を下げる方法

土地の固定資産税は、住宅を建てることで下げることが可能です。土地に建っている建物の有無や状態によって、支払う固定資産税額は異なります。ここからは、固定資産税を下げる方法を具体的に解説します。

住宅用地の特例措置を適用させる

所有している土地に住宅用地を建てることで、「住宅用地の特例措置」が適用されて固定資産税が下がります。土地を所有しているだけで、住宅を建てないでいると「住宅用地の特例措置」が適用されません。そのため、通常の宅地と同様の計算方法になってしまいます。通常の宅地の場合、一般的には税額は70%として調整されます。計算式は以下の通りです。

住宅のない土地の固定資産税＝課税評価基準×70%×1.4%

新築物件を購入する

新築物件を購入することも、固定資産税を下げる方法の一つです。住宅を新築する際には、初期投資が高額です。しかし、新築物件で120㎡以下の場合、条件を満たしていれば固定資産税が半額です。固定資産税が半額になることを考慮すると、長期的に見れば支出が少なくなる場合もあります。物件の購入や新築の前に、あらかじめ将来の収入と支出を計算してみることをおすすめします。新築住宅を建てて固定資産税が半額になるのは、以下の条件を満たしている場合です。

リフォーム・リノベーションによって優良住宅にする

中古の物件を購入した場合でも、リフォームやリノベーションをすることで固定資産税を下げることが可能です。中古物件をリフォーム・リノベーションして長期優良住宅として認められれば、固定資産税が減額されます。リフォーム・リノベーションをおこなう際には、「省エネ」「バリアフリー」「耐震強化」「長期優良住宅」を意識しておこなうようにしてください。実際に住む方にとって、生活がしやすい環境にするだけではなく、固定資産税が以下の通りに軽減されます。

固定資産税の軽減をしてもらうためには、届出が必要です。リフォーム・リノベーションをおこなった場合は、忘れずに各地方自治体に申告してください。

土地を有効活用するときのコツ

所有している土地は、活用することが無ければ固定資産税の支払いだけを続けることになります。土地は活用して、収入を増やすことも可能です。ここからは、土地を有効活用するときのコツを紹介します。

土地に合った建物を建てる

建物を建てるには、所有している土地の調査が必要です。アパートやマンション、一戸建ての賃貸経営をおこなう場合、需要を調査しておかなければ空き部屋だけになってしまいます。また、駐車場経営や小売店の経営も同様です。土地によって、生活している方々の属性は異なりますし、需要も異なります。所有している土地に合った事業や建物を建てる際には、事前に周辺の調査をおこなってください。

土地周辺の市場調査を効率的におこなう

所有している土地周辺の情報収集を効率的におこなうことも、土地を有効活用するコツです。土地周辺の市場調査は、Webデータでおこなうことが可能です。例えば、土地周辺が住宅街なのか商業施設外なのか、どういった属性の方が多く住んでいるのかなどです。
Suumoのような物件ポータルサイトからデータ収集することで、1人暮らし向けの物件が多いのか、ファミリー向けが多いのか、など、その土地に住む人の属性を分析することが可能です。効率的な市場調査によって、土地周辺の需要を分析すれば土地に合った建物を決断できます。また、そのためにWeb上のデータを効率的に収集するためには、スクレイピングがおすすめです。

収入・支出および税金の計算を事前におこなう

所有している土地を活用するためにも、事前に収入や支出、税金の計算をきちんとおこなうことが必要です。土地や建物などの不動産は、初期投資が高額になるため活用に失敗すると大きな損失になります。例えば、マンション経営をする場合、初期投資額や固定資産税の計算、見込みとなる収入を計算しなけばいけません。所有している土地や建物をきちんとした計画に基づいて運営すれば、所有者に収入をもたらせてくれます。

まとめ

固定資産税は、土地・建物などを所有している方が支払う義務のある地方税です。所有している土地に建物を建てれば、住宅用地の特別措置が適用されて固定資産税を減額できます。土地を活用せずに所有しているだけでは、支払い義務だけが生じて支出が増えてしまいます。土地を所有している方は、有効活用して固定資産税を下げるべきです。土地の有効活用には、周辺地域の市場調査が必要不可欠です。効率的に情報収集をする際には、スクレイピングが便利です。スクレイピングについてもっと知りたい方は、PigDataにご相談ください。