ビジネスを効率的に進めるためには、居抜き物件の活用が重要です。居抜き物件を活用することで、少ない投資かつ短期間でビジネスを開始できます。適切な居抜き物件を探し出すためには、居抜き物件を紹介するサイトから情報を収集する方法がおすすめです。居抜き物件の魅力から活用法、おすすめのサイトやポイントまで解説します。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、前の入居者が利用していた設備や内装などの資産を流用できる物件を指します。本来は、契約者が自分自身で設備等を手配する必要がありますが、居抜き物件であればこのような準備が不要です。入居したあとは、そのまますぐに業務を開始できます。

また、居抜き物件においては、すべてを流用する必要はありません。例えば、机と椅子以外は流用し、これらは新しく購入するという選択肢もあります。基本的には前の入居者が残した資産を活用し、必要に応じてカスタマイズもできるのです。

居抜き物件の魅力

居抜き物件には数多くの魅力があるため、どのような魅力があるのか具体的に解説します。

改装費・設備費などの節約

居抜き物件を利用することで、改造費用や設備投資を最小限に抑えられます。既存の設備を流用して、ビジネスを開始できるため、新規開業よりも費用が大幅に軽減できます。

一般的に、開業にあたっての初期費用は高額になりやすく、新規開業の障壁となりやすい部分です。居抜き物件を利用することで、この障壁を軽減できます。

工事期間の短縮

すでに設備が完成していることで、工事期間の短縮が可能です。工事は改修が必要な部分に限られ、新規開業ほどの時間を要しません。

また、必要な備品が揃っていることから、什器の調達に必要な期間を短縮できます。本来は発注してから納品され、その後に工事が開始される流れです。しかし、納品を待つ必要がなければ、その部分の工期短縮ができます。

コストの早期回収

初期投資が少なくて済むため、コストの早期回収が可能です。一般的に、初期投資が高額になれば、回収までの期間が長引きます。逆に少なくて済めば、それだけ初期コストを短い期間で回収できるようになるのです。

コストを早期に回収できれば、キャッシュフローの改善などの効果が期待できます。融資の返済などに充てるお金が少なくなり、ビジネスの拡大に投資できるようになるでしょう。「初期投資」という観点だけではなく、中長期的にもコストを早期に回収できることはメリットがあります。

居抜き物件の活用方法

居抜き物件の活用方法はいくつか考えられますが、その中でも代表的な活用方法を2つ紹介します。

飲食店

居抜き物件の活用方法として多いのは、飲食店への流用です。そもそも飲食店であった物件は、居抜き物件として飲食店になることが多く、活用方法の代表例だと考えて良いでしょう。

飲食店で居抜き物件が利用される背景には、高額な初期投資があると考えられます。基本的に水道関連の設備投資や備品の購入などが必要となるため、居抜き物件を活用することでこれらの支出を抑えるのです。コスト削減のために、おすすめの活用方法だといえます。

オフィス

オフィスの居抜き物件は、そのままオフィスに活用されるケースが多く見受けられます。従業員が仕事しやすい環境が整っているため、そのままオフィスとして利用するのです。

例えば、オフィスとして利用されていた物件は、空調設備が整っています。新しく、各部屋に空調設備を導入するとなるとコストがかかりますが、居抜き物件ならばこれが不要です。また、物件によっては机などが提供されることもあり、これも初期投資を抑える観点からおすすめの理由です。

おすすめ居抜き物件サイト5選

居抜き物件を見つけ出すためには、専用のサイトを利用するのが一番です。今回は数ある居抜き物件サイトの中でも、おすすめのサイトを5つ選んで紹介します。

居抜き店舗.com

「居抜き店舗.com」は、飲食店を中心として居抜き物件を扱っているおすすめサイトです。居抜き物件以外にもスケルトンを扱っていて、必要に応じて比較しながら物件を探せます。東京23区を中心におすすめの物件を扱っているため、対象地域には注意が必要です。

居抜き本舗

「居抜き本舗」は、飲食店から美容室やマッサージ、エステなど複数の業種を扱う物件紹介サイトです。他のサイトでは紹介が少ない居抜き物件も扱っているため、その点でおすすめです。ただし、対象エリアが東京23区の一部と周辺であり、少々狭い点を意識しましょう。

店舗そのままオークション

「店舗そのままオークション」は、日本中の居抜き物件を扱う物件紹介サイトです。都内以外も扱うサイトという点で、幅広い人におすすめできます。業態も飲食店からオフィス、小売業などに対応していて、多くの要望に応えてくれます。

居抜きオフィスナビ

「居抜きオフィスナビ」は、居抜き物件の中でもオフィスに特化したおすすめサイトです。オフィスを整備するためには、内装費用などが高額になりがちですが、居抜き物件を利用することでこれを節約できます。また、居抜きオフィスナビは東京はもちろん、大阪や名古屋、福岡なども扱っているため、多くの情報を収集できます。

つながるオフィス

「つながるオフィス」も居抜き物件の中でオフィスを中心に扱っています。特に小規模なオフィスを多く扱っていて、「規模の小さなオフィスを短期間で準備したい」との要望に適したものです。東京や横浜、大阪を中心に居抜き物件を扱っています。

居抜き物件を探すポイント

どのような居抜き物件でも都合が良いわけではなく、物件を探すポイントがあります。居抜き物件になっているということは、前の事業者が廃業した理由があるはずです。それを意識しながら、居抜き物件を探さなければなりません。

土地の調査

居抜き物件を探す際には、土地の調査を進めることがポイントです。「良い土地」を探す人は多く見受けられますが、これは非常に曖昧な言葉であり、状況に応じて定義が変化してしまいます。
一般的に「人通りが多い場所が良い土地」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。このような土地の物件は、維持費が高くなってしまい、思うように利益を上げられない可能性があるのです。そのため、人通りに見合った賃料であるのかなどを調査しなければなりません。また、最寄り駅からの距離や人口の男女比、毎日の交通量など数字に基づく情報の調査も必要です。土地に関わる情報はもちろん、土地を取り巻く環境の調査にも力を入れることをおすすめします。

周辺の価格比較

周辺の物件との価格比較をしなければなりません。家賃が他よりも高かったり低かったりするならば、何かしらの理由があると考えられます。それらを踏まえながら、総合的に居抜き物件を探すようにしましょう。例えば、大通りを渡るかどうかで賃料が変化するケースがあります。通りを境に人通りが変化するため、賃料に影響するのです。人通りの多さ以外にも、西日が強く部屋の中が焼けやすいことから、賃料が安いケースもあります。これらは一例ですが、周辺の価格と比較してみると、安いことも高いこともあるはずです。金額だけに一喜一憂するのではなく、その理由まで深く掘り下げておきましょう。

設備面の条件

物件にどのような設備が備わっているのかを確認する必要があります。例えば、水道やガスの設備、空調装置、オフィス機器などです。居抜き物件のものを利用できるのか、自分自身で整備するかによって、コストなどに大きな違いが生じます。また、物件によっては空調が備わっているものの、借主の責任で交換が必要となるかもしれません。「備品が備わっているか」という観点だけではなく、交換や修理が必要となった時に、どのような条件で対応するのかについても確認することがポイントです。

前テナントの状況

前のテナントが、どのような状況で廃業になったのか確認できることが理想的です。背景を知ることによって、物件に何かしら問題があるのかどうか確認できます。物件サイトからは情報を得にくいかもしれませんが、調査を進めてみましょう。

居抜き物件データの集め方

居抜き物件を見つけるためには、定期的なデータの収集が重要です。最新の情報を見落とさないようにしなければ、良い条件の居抜き物件をすぐに契約されてしまいます。どのような方法で、最新のデータを収集すれば良いのか、3種類解説します。

物件サイトの訪問

居抜き物件を紹介しているサイトへ定期的にアクセスし、内容を確認する方法があります。物件情報は都度更新されているため、内容を確認すれば最新の情報を得られるでしょう。ただ、人間が情報収集していると、時間を要してしまうなどの問題があります。また、新しい情報が公開されていても、担当者の状況次第ではすぐに確認できず見落とすかもしれません。

メール通知などの登録

Webサイトによっては、新規情報をメールで発信してくれます。メールの受信設定をしておくことによって、最新の情報を自動的に受け取れる仕組みです。便利な仕組みではありますが、メールが発信されるタイミングはWebサイトで固定されています。例えば、毎朝1回しか配信されないのです。登録された情報によっては、スムーズに情報をキャッチできず、他の人に物件を確保されているかもしれません。

スクレイピング

最新の情報を定期的にキャッチするためには、スクレイピングと呼ばれる方法がおすすめです。スクレイピングは、Webサイトの情報を自動的に収集し、集約する技術を指します。任意のタイミングで情報を収集できるため、必要な時に最新の物件情報が入ります。また、収集するサイトを数多く指定できるため、一度に大量の情報収集が可能です。ビジネスを成功させるためには、大量の物件データから、適切な物件を見つけ出すことが求められます。人間には不可能なデータ量でも、コンピューターを活用することで効率よく収集したり検索したりできます。

まとめ

居抜き物件の活用方法と、魅力的な物件の見つけ方について解説しました。おすすめのサイトとして紹介したとおり、専用のサイトから情報を収集することが理想的です。ただ、対象となる居抜き物件サイトは多く、人間がすべて確認することは現実的ではありません。特に、ビジネスの要件に適した物件を見つけ出すには大量のデータを集める必要があり、人間には限界があります。そのため、自動的かつ大量に情報収集できる、スクレイピングの活用がおすすめです。

弊社の「PigDataスクレイピング代行」ならば、指定した居抜き物件サイトから必要な情報を収集できます。希望であればダッシュボードにまとめて表示できるため、効率よく情報を処理可能です。