
近年は多くの情報がWebサイトで発信されるということもあり、更新内容を細かくチェックしている人が多いでしょう。ただ、チェックする対象が多くなり、自動的に更新の通知が欲しいと思う人も増えているのではないでしょうか。更新された内容が自動的に通知されれば業務効率を大きく高められるはずです。
このような希望を叶えるべく、サイト更新自動通知ツールと呼ばれるツールがいくつも存在しています。今回はツールの概要からそれぞれのメリットや導入時のポイント、そして具体的な製品まで解説します。
サイト更新自動通知ツールとは
サイト更新自動通知ツールとは、指定したWebサイトやWebページの更新を自動的に監視し、更新を通知するツールです。このような作業は、少量であれば人間でも対応できます。しかし、作業量が多くなるにつれ手作業では時間がかかるため、このようなツールで自動化します。
ツールにはさまざまな種類があり、検知できる内容や更新の通知方法などに違いがあります。いくつもの製品が登場しているため、メリットとデメリットを比較して最適なものを選択しなければなりません。
サイト更新自動通知ツールの活用メリット
サイト更新自動通知ツールを活用するメリットについて解説します。
作業自動化で生産性向上につながる
手動で実施していた更新チェック作業を自動化することで、作業時間を大幅に短縮でき、担当者は他の重要な業務に集中できるようになるでしょう。Webサイト更新チェックの効率化だけではなく、業務全体の生産性向上が期待できます。さらに、ツールは24時間稼働させられるため、時間的制約を解消できます。
例えば、担当者は、出勤してすぐのタイミングでチェック作業を行うことが多く、時間帯によって負荷が高まりってしまいます。しかし、サイト更新自動通知ツールならば、時間帯に関わらず一貫して作業がすすむため、負荷による生産性の低下を防ぐことができます。また、他の作業を行いながらのチェックは難しく、確認の遅れが生じることもありますが、自動化によってそのような問題も解消され、より迅速に対応できるようになります。
作業効率が高まる
サイト更新自動通知ツールは、担当者が更新をチェックする作業よりも圧倒的に効率的です。例えば、ツールを利用すれば、大量のWebサイトを短時間でチェックできます。担当者が作業する場合は、それぞれのサイトにアクセスし、ページの隅々までチェックしなければなりません。ページの遷移やチェック作業で数分かかることもありますが、ツールを活用することでその時間を大幅に短縮できます。
また、担当者が手作業でチェックしている場合、変更を検知した際にその内容を手動で記録する必要があるかもしれません。しかし、ツールを活用するとこれらの作業も自動化され、チェック作業の効率がさらに高められるのです。
手作業による更新の確認漏れがなくなる
担当者がWebサイトの更新チェックを手作業で行う場合、重要な変更を見逃してしまうリスクが発生します。特に、大量のサイトをチェックする必要がある場合、注意力や集中力の低下により、重要な変更を見逃してしまうリスクが高まります。
しかし、サイト更新自動通知ツールを活用すれば、設定した条件に基づいてすべての変更を正確に検知し、関係者に通知することが可能です。手作業で発生しうるリスクをほぼ解消できるため、重要な情報を確実に入手し、リスク管理にも大きな効果があります。
サイト更新自動通知ツール選定のポイント
サイト更新自動通知ツールを検討する際のポイントを解説します。
サイト登録数
どのくらいWebサイトを登録できるか、登録数を確認しておきましょう。数多くのWebサイトを登録できる方が利便性が高まります。後から追加する可能性がある場合、現状で必要となる数よりも多く登録できるものをおすすめします。
サイト更新検知頻度
リアルタイム性を確保するために、サイト更新のチェック頻度も重要なポイントです。リアルタイム性が高まるほど費用も高くなることが多いです。そのため、リアルタイム性確がどのくらい必要かを確認し、自社にあったものを選択しましょう。
サイト更新内容の詳細
ツールで検知できる更新内容の詳細も選定のポイントです。例えば、テキストだけ検知できるものもあれば、画像や添付ファイルも含めて検知できるものもあります。どの形式の更新情報が欲しいのかを把握しておくことが大切です。
サイト更新の通知人数
検知した内容を、どれだけの人数に通知できるかも確認したいポイントです。例えば、管理者にしか通知できないツールもあれば、何人もの関係者に通知できるツールもあります。通知先が少ない場合、代表者が通知を受信して展開する必要があり、手間がかかってしまうため、多くの人に通知できるツールをおすすめします。
通知方法
通知方法はメールを中心として、LINEやSlackなどの選択肢が考えられます。多くのサイト更新自動通知ツールはメールに対応していますが、SNSなどは製品によるため比較が必要です。また、有料プランに切り替えることで通知方法が増えることもあり、料金との関係も確認しましょう。
使いやすさ
継続的に使うことを踏まえ、利便性の高いサイト更新自動通知ツールを選択することが重要です。使いやすさに欠けるツールは、担当者に負担をかけてしまいます。業務を効率化するために導入するものであるため、トライアルなどで操作性を評価しましょう。
無料のサイト更新自動通知ツール3選
無料で利用できるサイト更新自動通知ツールをピックアップして紹介します。
Distill Web Monitor
『Distill Web Monitor』は、指定したWebページの特定部分を定期的に監視し、変更があった際に通知するブラウザ拡張機能です。Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeなど、主要なブラウザに対応した拡張機能として提供されています。
メリット
- Webページの更新を自動でチェックし、手動での確認作業を削減
- 特定の部分のみを監視し、不要な更新通知を回避
- 複数のデバイスで監視状況を同期
デメリット
- 無料プランでは、クラウドでの監視間隔が最短6時間
- マクロの利用や多くのWebサイト登録には、いずれかの有料プランへの加入が必要
- Webページの構造によっては、正確に変更を検知できない
プラン
無料プランでも、基本的な監視機能を利用できます。ただ、監視間隔は6時間で通知を受け取るためにはアカウント登録が必須です。
月15ドルの有料プランへ切り替えることで、監視間隔を最短10分にまで短縮できます。また、複数デバイスでの監視状況を同期したり、プッシュ通知やSMS通知などの追加通知オプションを利用したりすることも可能です。月35ドルのプランもあり、こちらは登録できるWebサイト数が増え、監視間隔が5分に短縮されます。
WWWC
『WWWC』は、日本製のWebページ更新チェッカーです。指定したWebページの更新を自動的に検出し、ユーザーに通知してくれます。更新内容の差分表示機能を備え、どの部分が変更されたかを視覚的に確認できることが特徴です。
メリット
- 更新内容の差分表示により、変更点を迅速に把握
- 日本製ソフトウェアのため、日本語での操作できマニュアルも整備
- シンプルなUIで簡単かつ直感的な操作が可能
デメリット
- 開発が停止している可能性があり、各種サポートに不安を抱える
- 他の最新のWeb監視ツールと比較すると、機能面で劣る可能性がある
プラン
フリーソフトウェアとして提供されているため、全機能を無料で利用できます。
Web checker
『Web Checker』は、指定したWebページの更新を自動的に検出してくれるクラウドサービスです。日本のエンジニアによって開発され、日本語での通知などにも対応しています。
メリット
- チェック範囲の指定が可能
- BASIC認証で保護されたサイトへのアクセスにも対応
- チェックごとにメールタイトルを設定
デメリット
- 無料で利用できる範囲に制限が多い
- 動的なページの検知が十分ではない
- サポートの品質が不明瞭
プラン
基本無料で利用できますが、登録できるURLが3件と実質的にはお試しプランのような内容です。年6,600円のBASICプランに登録することで大幅に緩和されるため、その点は注意しましょう。
有料のサイト更新自動通知ツール4選
続いては、有料ではあるものの高機能なサイト更新自動通知ツールをピックアップして紹介します。
TOWA
『TOWA』は、登録したWebサイトの更新情報をメールで通知できるサイト更新自動通知ツールです。単純に通知機能が搭載されているだけではなく、グループ活用向けのプロジェクト管理やグループ設定などにも対応しています。また、必要な機能をカスタマイズで追加できるため、自社の業務に最適化したツールとして運用が可能です。
メリット
- 更新検知範囲をワンクリックで選択
- 差分情報の確認状況をタスクで管理可能
- 国産製品なのでセキュリティも安心
- 公式のサポートを利用可能
デメリット
- 高機能ではあるが有料
- ログインが必要なサイトはカスタマイズが必要
プラン
まとまった利用を想定したツールであり、月額料金ならば64,000円~です。ただ、登録できるURL件数は最低でも4,000件と無料で利用できるサイト更新自動通知ツールとは大きな違いがあります。また、上位のプランを選択することで、差分を長期間保存したり登録できるURL数を増やしたりできるため、これらも必要に応じて検討すると良いでしょう。
CERVN
『CERVN』は、株式会社キーウォーカーが提供する日本製のWebモニタリング自動化ツールです。更新前後の内容を比較し、視覚的に更新を把握しやすくなっています。PC用・スマートフォン用ページどちらを比較するかなど、デバイスエミュレーションにも対応が可能です。
メリット
- 左右表示で画面キャプションから変更内容を把握
- PDFの差分もハイライトで表示
- 登録したURLを起点にリンクをたどって表示
- 公式のサポートを利用可能
デメリット
- 設定項目が多く初期設定がやや負担
- 最短15分間隔の監視であり、極端に頻繁ではない
プラン
料金プランは公開されておらず、問い合わせてから用途に応じて見積もりが必要です。
D Check
『D-check』は、株式会社ダブルスタンダードが提供するWebサイト更新通知ツールです。個人向けも法人向けも提供されていて、用途に応じて複数のプランから選択できます。部分的にカスタマイズも可能で、複雑なWebサイトの調査もある程度はカバーが可能です。
メリット
- 豊富な料金プランから選択
- 柔軟なチェック間隔を設定可能
- シンプルな操作性で直感的な操作が可能
- 公式サポートを利用可能
デメリット
- 他の有料ツールと比較して機能がやや少ない
- ログインが必要なサイトには対応できない場合がある
プラン
無料プランが用意されおり、制限はあるもののトライアルとして気軽に利用を始められます。また、有料プランは月額250円から設定されており、簡易な利用であればこのプランでも対応可能です。しかし、実際には月額1,500円や月額3,000円の上位プランを選択しないと、必要なデータを十分に活用するのは難しいかもしれません。
signal webalert
『SIGNAL WebAlert』は、高機能をアピールしている国産のサイト更新自動通知ツールです。複数のプランがあり、多くの機能から必要なものを選択して利用できるようになっています。幅広いWebサイトへの対応と多くの通知が特徴で、どのような用途でも利用しやすいサイト更新自動通知ツールです。
メリット
- Cloudでの監視に対応し、最短で1分間隔で可能
- メールだけではなくLINEなどにも通知が可能
- ロボット対策されたWebサイトにも対応可能
- 公式サポートを利用可能
デメリット
- バージョンアップが少ない
- 初期設定が複雑
プラン
無料トライアルが用意されているものの、月300円~の有料プランに加入しなければなりません。プランにより登録できるWebサイト数と提供されるサービスに違いがあります。例えば、月4,800円のアドバンスプランならば、50サイトを登録でき1分間隔で情報の収集が可能です。
まとめ
Webサイトの更新チェックは手作業でも対応できる作業です。ただ、確認するサイト数が増えると手作業では限界があるため、生産性の向上や正確性アップのためにもサイト更新自動通知ツールの導入をおすすめします。ツールは様々な種類があるため、目的や予算にあったものを選ぶようにしましょう。
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