
データの分析手段は多様にあり、そのひとつに可視化があります。可視化の種類も様々で、数値をグラフにしたり、マップにしたり、図で表したりします。
どのようなデータが、どのような可視化に適しているのでしょうか。可視化の種類をまとめました。
目的別にチェック!可視化の種類と特徴
可視化は目的によって、それに適した表現方法を選ぶ必要があります。どのような目的に、どのような可視化が適しているのでしょうか。
線グラフ
横軸に時系列、縦軸にデータ量をとることで、時間ごとのデータの増減をみることができます。主に短期的な変化を追うのにむいており、直前に比べて上がったか、下がったか、を見たいときに用います。
複数のデータの変化をひとつのグラフでみるときは、線を区別するために色分けしたり、実践と破線を使い分けたりします。
適したデータ例:時間ごとの気温の変化、月ごとの価格の変化 などの時系列データ

棒グラフ
横軸に時系列をとった場合、時間ごとの量的な変化を見ることができます。線グラフと違い、長期的な変化を追うのにむいており、年、月ごとの変化など、ある期間よりどれだけ多いか、少ないかを見たいときに用います。
また、横軸に地域やカテゴリなどをとった場合、どの地域・カテゴリのデータが一番多いのかを一目で見て比較することができます。
適したデータ例:年ごとの人口の増減、日本における輸出相手国の輸出額量 など

エリアチャート
線グラフと同様に、横軸に時系列をとることで、時間の経過に伴うデータの傾向をみることができます。その変化の大きさを示すために、その領域が色で強調されます。全体的なデータ量の変化を見る際に用いられます。
適したデータ例:月ごとの支出の内訳、年ごとの売上推移 など

プロットマッピング
地域ごとのデータを比較することができます。その表現方法は、各地域上に色をつけたり、棒グラフや円グラフを重ね合わせるなどいろいろな方法があります。
データの所在地がわかっており、地域ごとの特徴を調べるときに用いられます。
適したデータ例:地域ごとの売上総額、都道府県別顧客数 など

ヒートマップ
行列データの量を大きさと色で可視化し、その強弱がわかります。数値だけではなく色で表現することで、わかりやすい資料ができあがります。
適したデータ例:品目ごとの売上金額、自社Webページへの曜日別訪問者数 など

円グラフ
各カテゴリが全体に対して占める割合が一目でわかります。他に比較する項目がない場合に用います。
適したデータ例:アンケート結果、商品カテゴリごとの売上の割合 など

帯グラフ
各カテゴリが全体に対して占める割合を棒状に表現します。同じ内容かつ別条件の項目も同時に表示することで、複数項目を一度に比較することができます。
適したデータ例:業界シェア率の推移、年代ごとのスマホ保有率 など

ツリーマップ
階層がいくつかに分かれているカテゴリの割合を四角形のサイズで知ることができます。カテゴリ、サブカテゴリと続く階層の比較が1つの図でみることができます。
適したデータ例:全業界のシェア率と売上金額、時間帯別食品の売上 など

散布図
座標軸上に2つの要素(縦軸と横軸)の該当する位置に点をうつことで2つの要素の関係性やデータセット全体の分布をみることができます。
適したデータ例:WebサイトのPV数とCVの関係、客単価と客数の関係 など

バブルチャート
バブルチャートは2次元の平面図に3つの要素を表現できます。
座標軸上に配置された円のサイズで3つ目の要素を表現します。
適したデータ例:店舗ごとの従業員数に対する売上の関係、産業ごとの企業数、売上高の関係 など

箱ヒゲ図
異なる複数のデータの散らばり具合を表現することに適しています。また、箱を見ることで、ひとつひとつのデータの情報を簡潔にすることができます。
適したデータ例:株価の月別四分位点の幅、教科ごとのテストの成績のばらつき など

可視化に大切なこととは?
データによっては、どの可視化方法でも可視化することが可能、という場合もあるでしょう。しかし、可視化はとりあえずやればいい、というものではありません。可視化をするにはまず、目的を明確にし、データがそれに見合った形式であるかを確認します。また、データの形式や内容が整ってない場合、可視化方法のルールに沿って可視化できない可能性もあるため、データ整形をすることも大切です。
データを可視化するには目的の明確化、データ整形、といった流れを理解し、適切な表現方法を選択しなければなりません。まずは目的に沿った正確なデータ整形からデータ可視化に取り組んでみましょう。