
ビジネスの現場で日常的に使われている「マーケティング」という言葉。
なんとなくの意味は把握しているものの、改めて「マーケティング」の意味や業務内容を問われた時、あなたはすぐに答えることができるでしょうか?

この記事では、そんなマーケティングを基礎部分から徹底的に分かりやすく解説しています。
5分ほどで読める記事ではありますが、最後までご覧いただければ、
マーケティングの業務内容
マーケティングを成功させるためのポイント
までを深く理解できるはずです。
「今さらマーケティングについて人に訊けない!」という方は、ぜひこの記事をご活用ください。
マーケティングとは
「マーケティング」という言葉について、公共社団法人日本マーケティング協会は以下のように定義しています。
――日本マーケティング協会 1990年
引用:『日本マーケティング協会の概要』より
もう少し分かりやすく噛み砕いて説明すると、企業および組織が行う「最適な顧客に最適な商品・サービスを届けるための活動」となります。
- 商品企画のために市場調査を行う
- どんなユーザーが自社商品を購入してくれているのか
- 商品の輸送方法や保管場所などを検討する
- 店舗における商品の陳列方法を考える
- 商品の販売促進を目的としたプロモーションを打つ
などもすべて「マーケティング」の一環と言えます。
マーケティングの必要性
かつて、日本国内においてマーケティングはさほど重要視されていませんでしたが、現代においては決して欠かすことのできない要素となっています。
- モノがあふれる社会になり、他社商品と明確に差別化しなければ売れなくなった
- インターネットが普及し、購入前の比較検討が入念に行われるようになった
- デジタルマーケティングが発達し、データを元にした詳細な分析検証が可能になった
- ビッグデータを収集できるようになり、消費者のリアルな声が企業に届くようになった
などが理由として挙げられます。
消費者の「本当にいいモノ」を見極めんとする比較検討意識が極めて高い昨今。そんな現代の競争社会で勝ち続けるためには、マーケティング、ひいてはビッグデータを用いたデジタルマーケティングが欠かせないのです。
マーケティングの現状
事実、インターネットを用いたデジタルマーケティングの市場規模は、この10年で飛躍的に伸びています。
電通が発表している「」によると、2010年には全体広告費(5兆8,427億円)のわずか13.3%に留まっていたインターネット広告が、2020年には全体広告費(6兆1,594億円)の36.2%にまで激増。10年間で270%超の成長を遂げ、これまでマーケティングの主流であったマスコミ4媒体の広告費(36.6%)に迫る勢いを見せています。

マーケティングに関わる主な業務
広い意味を持つ「マーケティング」ですが、主な業務は以下の3つに分けられます。
- 市場調査(マーケティングリサーチ)
- 商品企画
- プロモーション活動
それぞれについて見ていきましょう。
市場調査(マーケティングリサーチ)
市場調査は、消費者に「最適な商品・サービス」を届けるうえで欠かせない業務です。定量調査(数値データ)と定性調査(数値化できないデータ)を行い、定量・定性の両面から「消費者の声」を探ることが主な業務内容となります。
定量調査の主な手段としては、
- 政府などが発表している統計データの活用
- 会場調査や郵送調査による情報収集
などが挙げられます。
定性調査の主な手段としてはインタビューが挙げられます。
近年では、スクレイピングやクローリング技術によってインターネット上から得られる「ビッグデータ」を市場調査に活かす企業も増えています。アンケートやインタビューよりもずっと簡単に収集できるうえ、消費者のリアルな意見を知ることができるため、ビッグデータ活用の需要が高まっているのです。
商品企画
市場調査で得た情報を活かし、より消費者ニーズに沿った商品を生み出すための業務が商品企画です。
商品企画の主な業務内容は以下のとおりです。
- 企画の意図・目的などの明確化
- 商品のコンセプト、ターゲット、ポジショニングなどの策定
- 商品仕様(商品名や価格、パッケージデザインなど)の策定
- 収支計画や製造販売スケジュールの策定
市場調査で得た「消費者の声」をもとに「消費者が求める商品・サービス」を導き出し、形にしていく商品企画。
消費者の声を正しく読み解く力と、他社商品にはないユニークなアイデアを生み出す発想力、それらのアイデアを現実的な形に結びつけていく企画力などが幅広く求められる業務です。

プロモーション活動
広告やキャンペーンを活用して販売促進活動を行ったり、サイトの構築やSNSアカウントの運用を通じて消費者に情報発信を行ったりするプロモーション活動。「マーケティング」と聞いて、まずプロモーション活動を想起した人も多いことでしょう。
「情報」こそが購買行動の重要要素となった現代において、消費者に情報を届けるプロモーション活動は、マーケティングの根幹ともいうべき重要な業務です。
どの企業もプロモーション活動に力を入れており、日本全体の広告費用は年々増加傾向にあります。
かつてはアナログ手法が主流だったプロモーション活動ですが、インターネットの普及に伴ってデジタル化が進み、その手法もずいぶん多様になりました。
既存の広告メニューに出稿するだけでなく、
- SNSアカウントの運用を通じた新規ターゲットの開拓
- オウンドメディアを活用したファンの獲得・育成(コンテンツマーケティング)
- ユーザーの利便性を高めるアプリの制作
- インフルエンサーを起用したキャンペーン
- メディアを通じたプレスリリース配信
そのため、D2Cのメインターゲットは「ミレニアル世代(1980~1990年代後半生まれ)」以降の若い世代が中心となります。ミレニアル世代以降の世代は幼いころからデジタル環境に慣れ親しんできたので、インターネットを通じた情報収集・商品購入への抵抗感が低いという特徴があります。
など、さまざまな形のプロモーション活動が日々展開されています。
デジタルプロモーションの発達は、手法の多様化だけでなく、プロモーションの効果検証にも大きな影響を与えました。プロモーション活動がもたらした結果を「明確な数値データ」として集計できるようになったためです。
これにより、
- 売上に結びついたかどうか
- 情報が想定ターゲットに正しく届けられたかどうか
- どんな人がどれほどの率でプロモーションに反応したのか
- プロモーション活動前後で認知度は向上したかどうか
など、アナログプロモーションが主流だった時代にはとても把握できないデータを取得できるようになり、プロモーション活動の成果を詳細に評価できるようになりました。
また、SNSでのコメントやブログの投稿内容、サイトに投稿されたクチコミなど、インターネット上で「ビッグデータ」を取得できるようになったことで、定量的なデータだけでなく、定性的なデータも把握できるようになりました。
- 成果単価は目標をややオーバーしたが、「実は」消費者の満足度は極めて高いことが分かった
- プロモーションによって認知度は上がったが、「実は」ネガティブな意見が多かった
- 予想を大きく超える成果に驚いていたが、「実は」SNSで影響力のあるインフルエンサーに取り上げられたことが影響していた
といった「実は」の情報は、ビッグデータなしには得られません。「消費者の声」がリアルに分かるビッグデータは、現代のプロモーション活動の振り返りにおいて欠かせない重要指標のひとつなのです。

マーケティングの成否は「データ分析」にかかっている
市場調査・商品企画・プロモーション活動のすべてにおいて欠かせない「データ分析」。
今や、いかに綿密にデータを収集し、その内容を正しく分析できるかどうかが、マーケティングの成否を握っているといっても過言ではありません。なかでも「消費者の声」を反映したビッグデータの注目度は年々高まっており、膨大なビッグデータを分析できるデータサイエンティストの役割が重要視されつつあります。
しかし、有能なデータサイエンティストを雇用するには費用も手間もかかるもの。
そんな費用や手間を削減してくれるのが「ビッグデータ分析ツール」です。ビッグデータ分析ツールを使えば、
- 任意のサイトから自動でビッグデータを収集
- 収集したデータを扱いやすいように整理・成形
- 収集したデータを元に消費者感情などを自動分析
- 24時間365日定常的にデータを取得
などが実現し、どの企業でもビッグデータをマーケティングに活かすことが可能になります。AIによる自動分析だけでなく、データサイエンティストによるデータ分析まで行ってくれるツールを選べば、より深くビッグデータを理解・活用することができますよ。

まとめ
マーケティングの基礎について解説してきましたが、現代のマーケティングにおいては「データ分析」「ビッグデータ」が重要視されています。
市場調査・商品企画・プロモーション活動のすべてにおいて役立つビッグデータ。年々競争が激化していく市場で勝ち続けるためにも、早めにビッグデータ分析の準備を始めておくといいかもしれませんね。