
企業の売上を伸ばし、成長するためにマーケティングは欠かせません。いくら安くて良いものを提供しても、マーケティングがうまくできないと売上に繋がらないことが現実です。マーケティングをうまく行うには戦略が重要となってきます。
本記事では、マーケティング戦略の基本的な考え方から立案のコツまでをご紹介します。
マーケティング戦略とは
マーケティング戦略とは、市場や顧客を分析・把握したうえで「誰に、どんな価値を、どのように提供するか」を中長期的な計画を立てることをいいます。
近年ではインターネットやスマートフォン、SNSの普及によりマーケティング活動が複雑化しているため、多角的な視点から市場調査を行ったうえでのマーケティング戦略が求められています。
マーケティング戦略の基本的な考え方
セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場または顧客をニーズや性質で細分化し、小さな顧客グループ(セグメント)をつくることです。顧客のニーズが多様化していくなかで、市場・顧客を適切に分類し良質なセグメンテーションをすることが良質なマーケティング戦略に繋がります。
ターゲティング
ターゲティングとは、セグメンテーションした後どのセグメントを狙っていくかを決めることです。ターゲティングの際には自社製品やサービスの強みを把握し、適切なセグメントを選ぶことが大切です。
ポジショニング
ポジショニングとは、ターゲティングしたセグメントの中で自社ブランドをどの位置づけをするか明確にすることです。ポジショニングによって顧客に自社ブランドのイメージを認識してもらえるため、ポジショニングの成功がマーケティング戦略を行ううえで重要となります。
4C
消費者側の視点にたった4つの単語、「顧客にとっての価値(Customer Value)」「顧客が費やすお金(Cost)」「顧客にとっての利便性(Convenience)」「顧客とのコミュニケーション(Communication)」の頭文字をとった考え方です。4Cは消費者が商品を購入するにあたっての意思決定に大きな影響を与えます。
マーケティング戦略に役立つフレームワーク
SWOT分析
SWOT分析は、「強み(Strength)」、「弱み(Weakness)」、「機会(Opportunity)、「脅威(Threat)」の4つの頭文字をとった分析手法で、自社の市場における競争優位性や、リスクを分析します。内部環境と外部環境を同時に分析することで、自社がどのような立ち位置でビジネスを展開していくのかを決定するときに用いられるフレームワークです。
PEST分析
PEST分析は、「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」の4つの頭文字をとった分析手法で、それぞれの関連性を考えることで、自社商品の置かれた状況や影響を分析します。新しい市場の創出や、ターゲット市場への新規参入のマーケティング戦略において重要なフレームワークです。
3C分析
3C分析は、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字をとった分析手法で、外部環境や競合の状況から自社と外的要因を照らし合わせ成功要因の発見をします。そうすることで自社事業を成功へ導き出すフレームワークです。
4C分析
先に述べた4Cを分析し、顧客目線で自社商品やサービスの特徴をまとめることができます。SNSなどで顧客自ら情報を得やすい現代では顧客が積極的に情報を求めて動くため、マーケティングでも「顧客」を主語にした方法や理論が必要となっています。顧客視点で「売れる」商品やサービスを理解するためのフレームワークです。
マーケティング戦略の成功事例
スターバックス
スターバックスはターゲティングを明確にして成功した事例のひとつです。同社は「大都市に勤める比較的給与の高いオフィスワーカー」をターゲットとし、当時1杯200円前後で飲めたコーヒーを500円ほどに引き上げ、高品質な豆を使い高級ソファでゆったりとコーヒーを楽しめる場所を提供しました。また3C分析から他社にはない「おしゃれ感」を高めることで差別化をしていくことで女性客からも支持を得て新たな顧客層を得ることにも成功しました。
無印良品
無印良品は発足当初から一貫して「生活に合理性を求める消費者」をターゲットとし、「シンプルなライフスタイルを提供するブランド」とポジショニングを固め、強みを伸ばしていくことで消費者の支持を獲得してきました。また、近年ではSNSやアプリなどのITを活用してプロモーションを行うことで売上を年々伸ばしています。
ヘルシア緑茶
ヘルシア緑茶は中高年の男性のうち3人に1人が肥満でありながら中高年男性向けの商品がないという市場に着目し、中高年男性をターゲットに「健康に良い」という価値を提供しました。多少他の緑茶飲料よりも高価でしたが、特保の認定を受け、商品の有用性や安全性を提供していきました。むしろ、高価な方が有用性が高いのではないかと感じることもあり、価格と製品の相乗効果を生み出し売上を伸ばすことに成功しています。
マーケティング戦略立案のコツ
市場調査、顧客分析を綿密に行う
マーケティング戦略を立案するには多くのフレームワークが存在します。全てのフレームワークを実施する前にまず必要なのは基本となる「市場調査」「顧客分析」を綿密に行うことです。そのうえでターゲティング、ポジショニングを検討することができるといえるでしょう。
最近ではTwitterなどのSNSデータを活用した市場調査、顧客分析にも注目が集まっています。SNSは情報量が多く、また顧客のリアルな声を知ることができるため、従来のアンケート以上に「顧客視点」を発見することができるでしょう。
マーケティング戦略立案を成功させるコツとして、市場調査、顧客分析を効率よくできるデータを集めることからはじめてみましょう。
Twitterデータの取得・商用利用する際には、NTTデータのサービス(※)を利用する必要があります。
※NTTデータのサービス:「Twitterデータ提供サービス(インテグレーション)」