
個人経営から中小企業まで、起業後は自社のホームページを開設することは必須です。しかし、インターネット上にサイトを開設すると、さまざまな危険にさらされるのも事実です。ハッカーによる被害はもちろんのこと、Webスクレイピング(クローリング)によるサーバー負荷、情報の流出などもあります。会社のサイトは、Webスクレイピング(クローリング)をされてしまうことを前提にした対策をする必要があります。この記事では、実際にWebスクレイピング(クローリング)の被害を紹介し、対策方法も解説します。新たにホームページやサイトを開設する方は参考にしてください。
目次
Webスクレイピング(クローリング)を対策して自社のWebサイトを守る重要性
自社のホームページやサイトを開設した際には、必ずWebスクレイピング(クローリング)に対する対策をしておきましょう。きちんと対策をしてWebサイトを守らなければ、以下のような問題が発生する場合があります。
- サーバーに負荷がかかり、一般的なサイト利用者に迷惑がかかる
- オリジナルのコンテンツや画像、動画データを勝手に使用される
- 自社のサービス内容や商品の特性、価格設定などもすべて知られてしまう
これらの問題が実際にどのようにサイト運営や会社の経営に影響を及ぼすのか、詳しく解説します。
サーバーに負荷をかけられてしまう
Webスクレイピング(クローリング)は、サイト運営をしている側のサーバーに負荷がかかります。あまりにも負荷が多いと、最悪の場合はサーバーがダウンしてサイト自体を閲覧することができなくなります。そのため、一般的なサイト利用者は、コンテンツの閲覧もできないため迷惑がかかってしまいます。サイト閲覧者にとっては、運営者側の事情を考慮しません。閲覧できないページへの信頼感は下がります。データ収集が重要性を増している昨今では、Webスクレイピング(クローリング)はあらゆるサイトでされています。
画像データや個人情報を抜き取られる
Webスクレイピング(クローリング)によって、画像データや個人情報を抜き取られる可能性があるのもWebサイトを守るためには意識すべきです。インターネット上にある情報やデータは、すべて誰かの目に触れて、収集もされてしまいます。オリジナルで作ったコンテンツには、「著作権を設ける」「サイトに利用規約を設ける」などの対策をしておく必要があります。この対策は、無断でオリジナルのコンテンツを使用された際に訴えることができるようにするためです。自社サイトを運営する際には、必ず著作権と利用規約は用意しましょう。
商品やサービスの価格設定が混乱する可能性
Webスクレイピング(クローリング)は、短時間で自社の商品やサービスの価格設定もすべて収集されてしまいます。価格設定のデータを収集した競合他社が、同様の商品やサービスの価格設定を少し低くします。複数以上の競合他社でも価格競争を仕掛けられるので、結果的に同様な商品やサービスの価格が上下する可能性がでてきます。
Webスクレイピング(クローリング)対策の具体的な方法
Webスクレイピング(クローリング)の危険性を解説してきたので、具体的な対策方法も紹介します。主な対策方法は以下の通りです。
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HTMLを定期的に変更する
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Webスクレイピング(クローリング)から保護するツールを使用する
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文字列として認識できないようにする
それぞれの具体的な対策案を詳しく解説します。
HTMLを定期的に変更する
サイトのHTMLを定期的に変更することは、Webスクレイピング(クローリング)の予防方法の一つです。HTMLが変更されると、Webスクレイピング(クローリング)をする側が設定を変更しなければいけなくなります。HTMLの変更によって、自動スクレイピング(クローリング)を避けられます。サイトの安全性を保つためにも、定期的に運営しているホームページなどのHTMLを変更しましょう。
クローリングbotを判断するためにCaptchaを使用
Captchaを使用すれば、botか人間か判断できます。Webスクレイピング(クローリング)をおこなう際には、bot(人間ではないロボット)がクローリングをおこないます。Captchaはサイトをクローリングしているbotを避けるために、簡単な画像判断テストをおこないます。botには正確な回答ができないため、人間でしかサイトを閲覧することができません。クローリングbotを避けることができるのでWebスクレイピング(クローリング)も防げます。Captchaはサイト閲覧前に時間がかかりユーザーへの利便性は下がってしまうが、特に守るべきサイトの場合は利用すべきです。
文字列として認識できないようにする
サイトのコンテンツを文字列として認識させないようにするのも一つの方法です。Webスクレイピング(クローリング)は、クローリングbotが文字を認識して情報収集します。そのため、クローリングbotに文字情報として認識させないために、画像データの上に文字情報を置きます。すると、サイトを訪れた人間はきちんと情報を読み取れますが、botには読み取れません。サイトを安全に保ちながら、閲覧者への情報提供も同時におこなうために価格情報などは画像上に置く予防対策をしましょう。
Webスクレイピング(クローリング)は情報収集に役立つ面もある
Webスクレイピング(クローリング)は悪用される危険がありますが、使用すれば役立つ面もあります。たとえば、「情報収集に時間がかからない」「欲しい情報だけを一括取得することも可能」「複数のサイトも自動で情報収集する」などです。サイト運営側としては、Webスクレイピング(クローリング)が対策すべき危険性のある行為です。しかし、データを収集する側にとって、Webスクレイピング(クローリング)は便利なツールです。
Webスクレイピング(クローリング)を活用する際には注意が必要
著作権の侵害や個人情報を流出させてはいけない
著作権の侵害や、個人情報を流出させる行為をしてはいけません。サイトの中にはオリジナルのコンテンツもあるため、どのようなデータでもそのまま転用することは基本的に禁止です。また、サイトによっては個人情報を掲載している場合もあります。Webスクレイピング(クローリング)の最中に個人情報を収集してしまうこともありますが、絶対に流出させてはいけません。画像や動画データを一括で取得することが可能ですが、勝手に加工して使用するなどの行為もしてはいけません。
Webスクレイピング(クローリング)先のサーバーに負荷をかけてはいけない
Webスクレイピング(クローリング)先のサーバーに負荷がかかってしまう行為も禁止です。頻度の高いWebスクレイピング(クローリング)は、相手のサイトのサーバーに負荷をかけてしまいます。サーバーに負荷がかかりすぎるとダウンしてしまい、運営者だけではなくサイトを訪れる一般の人々にも迷惑がかかります。特に、ECサイトのような場所では他の消費者への妨害でもあります。Webスクレイピング(クローリング)をする場合は、アクセスの頻度を落として迷惑がかからないようにしてください。
Webスクレイピング(クローリング)を悪用してはいけない
Webスクレイピング(クローリング)は、悪意をもって使用してはいけません。たとえば、意図的に他社のサイト運営を妨害するような行為や、機密情報を拡散させるような行為です。こういった行為は、他社の営業を妨害する行為にあたり、法律によって罰せられることもあります。Webスクレイピング(クローリング)で情報を収集する際には、サイトに迷惑がかかるような行為は慎みましょう。
専門の会社に依頼すればリスクなくデータを収集できる
Webスクレイピング(クローリング)を専門にしている会社に依頼すれば、リスクをとることなくデータを収集することができます。Webスクレイピング(クローリング)は、悪意を持たず気を付けていても、他社のサイトに迷惑をかける可能性があります。また、個人情報保護法や著作権の侵害で法律に触れてしまうリスクもあります。
ただし、データの収集は経営にとって必要であり、将来の方針を決定するにも重要な役割を果たします。リスクを無くして情報を収集するなら、Webスクレイピング(クローリング)を専門にしている会社に依頼する方法もあります。Webスクレイピング(クローリング)に不安がある場合は、専門の会社に依頼しましょう。
まとめ
自社のホームページを運営する際には、さまざまな危険のリスクがあることも認識しておきましょう。Webスクレイピング(クローリング)もリスクの一つです。場合によっては、サーバーがダウンしてしまう場合もありますし、個人情報やオリジナルのコンテンツが抜き取られてしまうこともあります。Webスクレイピング(クローリング)への対策はきちんとしておくべきです。
一方で、Webスクレイピング(クローリング)は情報を収集する面では便利な方法です。ただし、サイトを運営している側に迷惑がかかる場合もありますので、活用する際には細心の注意が必要です。Webスクレイピング(クローリング)は、悪意無く注意していてもサイト運営側に迷惑がかかってしまうこともあります。Webスクレイピング(クローリング)に不安がある場合は、専門の会社に依頼して安全に情報を収集しましょう。