
売上が思うように伸びず、営業戦略をどうすればよいのか悩んでいる方は多くいるのではないでしょうか?営業戦略はやみくもに目標を立てればよい、というものではありません。実は、有効な営業戦略を立てるには、取り組むべき5つの手順と4つのポイントがあるのです。
この記事では、営業戦略を立てるまでの手順と、留意すべきポイントについて詳しく解説します。
手順とポイントさえ押さえてしまえば、売上を改善する営業戦略を実際に立てられるようになるでしょう。
そもそも営業戦略とは?その目的は?
営業戦略とはそもそも、売上向上やシェア拡大などの利益目標を達成するために立てられる計画です。例えば、
- 業界ナンバー1のシェアを獲得する
- 常に新しい提案をし続ける
などといった将来的になりたいビジョンに向けた、全体的な方針やシナリオを指します。
また、営業戦略と近い言葉に営業戦術がありますが、こちらは営業戦略に沿った具体的な作戦や施策です。例を挙げると、
- チラシやメールマガジンによる営業の効率化
- 新商品の開発
などの目標を達成するための短期的な取り組みを指しています。

営業戦略を立てるまでの5つの手順
よい営業戦略を立てるために、次のような5つの手順を踏んでいきましょう。
- マーケット調査
- 営業状況の分析
- 課題の洗い出し
- 強みの把握
- 目標の設定
営業戦略は企業のビジョンを達成するための方針なので、感覚やイメージで決めてはいけません。自社と市場の現状をしっかりと把握しなければ、企業のビジョンに近づく戦略は立てられないのです。
ビジョンに向けたよい営業戦略を立てるために、丁寧に手順を踏んでいきましょう。
1.マーケットを調査する
まずはターゲットとしているマーケットが現在どのような状況なのか、調査して把握しましょう。
例えば、
- 社会情勢
- 金融情勢
- 今後の市場動向
- 競合他社の状況
などといったポイントを客観的・俯瞰的に分析し、取るべき戦略を考えます。
競合相手が多いマーケットと、競合相手が少ないマーケットでは、必要な戦略も違うはずです。今後の方針を絞れるので、必ずこの調査から始めましょう。
2.自社の営業状況を分析する
続いては自社がどのような状況にあるのか、問題や課題を含めて数値化して分析していきます。
営業であれば、
- 1件あたりにかかる時間・コスト
- 現状の営業による成果
といったポイントを数値化し、現在の実力を見つめ直しましょう。
実力を数値化すると、誰から見ても客観的に問題点などを把握しやすくなるほか、改善目標も立てやすくなります。
自社がどのような状況にあるのか把握していなければ、自社にとって有効な戦略を立てられませんので、分析は正確に行いましょう。

3.営業における課題を洗い出す
市場と自社の現状を分析すれば、自ずと抱えている営業の問題点や課題が見えてくるはずです。
例えば、
- 社会情勢にそぐわない営業をしていないか
- 効率的な営業を行えているか
などのように分析結果を様々な視点から見て、問題点や課題はどこか洗い出しましょう。
また、データから分析するだけでなく、現場の声を聞くのも有効です。
実際に現場で働いている営業マンから不満や意見はないか聞き、戦略に取り入れられれば、より自社に合った営業戦略を立てられるでしょう。
4.自社の強み把握する
自社が現在抱えている問題点や課題の把握も重要ですが、自社が持っている強みの把握もよい営業戦略を立てるうえで欠かせません。
競合相手と差をつけるには、自社ならではの強みが焦点となるためです。
営業成績を上げている企業は自社の強みを把握していて、強みを生かした営業を行っています。
強みがないと思っていても、営業だけでなく商品開発に携わるスタッフなどにヒアリングすれば、今まで気づかなかったような強みが見つかるかもしれません。
現在の強みを把握できれば、その強みをより伸ばしていくのか、あるいは新たな強みを獲得していくのかといった展望も見えてくるはずです。
5.営業目標を設定する
市場と自社に関するすべてのデータが揃ったら、いよいよ目標と戦略を設定していきます。長期目標として存在するビジョンまでの中長期的な目標として、戦略目標を決めていくのです。
戦略目標を設定するときに便利なのが、
- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
などといったフレームワークです。
フレームワークとは数学でいうところの「公式」のようなもので、当てはめることで思考プロセスの短縮化を図れます。
必要に応じて適切なフレームワークを活用して、有効な営業戦略を考えてみましょう。

営業戦略を立てる時に押さえるべき4つのポイント
より良い営業戦略を立てるためには、手順以外にも次のような押さえるべき4つのポイントがあります。
- 戦略内容を明確に
- リソースを集中させる
- 成功と失敗を見極める
- 改善を繰り返す
これらのポイントを押さえれば、より有効的な営業戦略を立てられるでしょう。
手順通りに進めていくだけでなく、紹介するポイントを戦略立案に取り入れてみてください。
1.何をするのかを明確にする
営業戦略を立てるときは、「いつまでに」「何をするのか」という方針をシンプルかつ明確に決めましょう。ここで重要なのは、全スタッフが一目で覚えて、理解できるようにするという点です。
どれほど有効な戦略であっても、分かりにくかったり長すぎて覚えられなければ、実践して達成するのは難しいでしょう。
短く明確な目標であれば、スタッフのモチベーションアップにも繋がります。
具体的な数値を営業戦略に加ええれば、より分かりやすい営業戦略となるはずです。
2.リソースを分散させない
営業戦略で投入するリソースは分散させるのではなく、自社の強みに集中させましょう。
もし多くある問題点や課題解決にリソースを分散させても、つぎ込めるリソースは限られているので、どっちつかずで伸び悩む営業戦略となってしまいます。
限られているリソースを投入するのであれば、競合相手との差別点となる「自社の強み」に集中させましょう。
もちろん現状の問題解決も重要ですが、ビジョンに近づくためには強みを伸ばすのが効率的です。人やお金といった貴重なリソースを無駄にせず、効率的に業績を伸ばせる戦略を立てましょう。
3.成功と失敗のラインを見極める
戦略を立てるときには達成目標も設定して、成功と失敗のラインはどこにあるのかを見極めましょう。
戦略の成功と失敗のラインが明確になっていないと、間違った戦略をいつまでも続けてしまうかもしれません。
そのような事態を防ぐために、「いつまでに」「どのくらい」達成できれば成功という基準を決めておくのが大切です。
ここで厳しすぎるラインを設定してしまうと達成できませんし、逆にラインがゆるすぎても意味がありません。
自社の実力と市場の現状を把握した上で、最適なラインを見極めましょう。
4.定期的に分析して改善を繰り返す
営業戦略は一度決めたら終わりではなく、定期的に分析をして改善を繰り返していく必要があります。営業戦略の分析にはKPIという、目標がどれくらい達成されているか数値化したものを設定して活用するとよいでしょう。
KPIを設定すれば、どの営業戦略がどのくらい達成されているのかを客観的に分析できます。分析したデータを基に改善を繰り返していけば、ビジョンの達成に大きく近づくでしょう。

営業戦略を立てるには入念にリサーチと分析をしよう
営業戦略の立て方と、心掛けるポイントについて解説しました。より効率的な営業戦略を立てるには、感覚で決めるのではなく、きちんとしたデータに基づいて決めていくのが重要です。確かなデータによる明確な営業戦略であれば説得力が増し、ビジョン達成に大きく近づくでしょう。
しかし、分析するデータが数値のままだと分析も困難であるのに加え、説得力も薄れてしまいます。外部ツールを用いてデータをグラフや図表にして可視化すれば、一目でデータの意図を理解して、現状を分析しやすくなるでしょう。
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